見出し画像

結婚って、好きとか嫌いとか、それだけでないものもたくさんあるのだと、今更ながらに気付いたりして・・・

先週、「なんでこんなになっちゃったんだろう、って思ったことないよね?」って質問してきた友人の話を書きました。

私にだってそう思ったことはないことはないけれど、なぜにそんなネガティブな質問になったのか理由が知りたくて、彼の話をよーく聞いてみました。

最近、急に老後について不安になってきちゃって・・・。

いやいや、そんなの、みんなだよ。
誰一人として老後が不安にならないことなんてないよ〜。

なんて励まそうとしたのですが、彼は私の言葉を遮ります。

結婚してるから、そんな呑気でいれるんだよ。

えっ?そこ??

いやいやいや。
結婚してても不安よ〜。
だって、明日旦那が死んじゃうかもしれないんだから。

実は私、常に旦那が死んだらどうする、と色々とプランを立てております。
これ、私の勝手なロジック(論理)なのですが、いつも心に留めていることがあります。

不幸は忘れた頃にやってくる

逆に言えば、忘れなければやってこない、のです。
なので、私はいつも最悪なことを想定して、その対策を立てながら生きています。
最悪なことが起きたとしても何とかなる、って分かっていれば、不安なこともなかったりするものです。
想定していないことが起きたとしても、私にとって最悪なことではないので、それはその時に対処すれば良いと思っています。
世の中に絶対なんて存在しないので、対処方法はその場で考えれば何とかなります。

ってことで、実は不安なんて抱えてはいないのですが、友人に合わせるために不安がってみました。
すると安心したのか、不安になっている理由を教えてくれました。

彼には一緒に住んでいるパートナーがいます。
彼も仕事をしていますが、彼のパートナーの方の稼ぎが多い上に、最近はパートナーの仕事の手伝いをするようになってきています。
パートナー中心の生活になっていけばいくほど、将来への不安が広がっていったので、自分が同性愛者じゃなければこんなことにならなかったのに、と思い始めたそうです。

好きな人と一緒に住んでいるんだから、それで十分幸せなんじゃないの?

なんて呑気なことを言ってしまったら、彼の逆鱗に触れてしまったようで、

僕の話の意図を全く分かってない!

と怒られてしまいました。

例えば、です。

夫名義で買った不動産は、結婚していれば、夫が死亡後は妻のものになります。
遺産も相続できます。
夫の年金は、結婚していれば、夫の死亡後3/4分の年金がもらえます。
(実際は自分がもらっている分の2倍ぐらいにしかならないようですが)

それだけではありません。
怪我をした、病気をした、などでICUに夫が入った場合、妻は入れますが、結婚をしていないパートナーは入れません。
多分、死んだ場合には、喪主にはなれなかったと思います。

結婚していないと、ICUに入れないって、知ってました?
家族じゃないと入れないんですって。
愛する人のそばにいたいのは、誰でも同じだと思うのですが、結婚していないとそばにいられない。

それ、おかしくない?

やっと自分の言っている意図がわかってくれたのか、と彼は大きくうなづきます。

結婚しているのと、していないのって、こんなに違うのね。
好きだっていう気持ちで一緒にいる、っていうだけじゃなかったのね。

夫は「結婚という契約をしているから一緒にいるんじゃなくて、好きだから一緒にいる方がロマンティックで良い」と、訳のわからんフランスのロマンを語って結婚をずーっと拒否っていましたが、五年前にフランスに引っ越しをする際、私のビザの取得のために、自分の主義を変えて結婚することにしました。
なので実は私たち、まだ結婚五年目なんです。
一緒に住み出して、もう二十年近いけど・・・。

結婚って「一緒にいる契約」だけではなく、いろんなことがあるのね、なんて考えれば考えるほど、誰でも結婚できる方が当たり前じゃないかと思うのですが、皆さんはどう思われますか?

この記事が参加している募集

多様性を考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?