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古民家ギャラリーDIYで3Rサステナブルライフ

越前の工房は、そもそも建材が160年を経た古民家のもの。
解体され、現在の場所へと移動された素晴らしい梁や柱たち。
そして、同様に解体された別の建物から選ばれてきたよい部位を加えて一軒の家に建て替えられたものだ。

廃棄すれば、ただのゴミ。
燃やしてしまえば、後は灰。

今ではもう入手も困難な、ケヤキの梁や柱。
元の姿の時は馬小屋だったという一角にはシンクが置かれて、炊事場に変わっている。


別の場所にあった蔵の扉を転用した重厚な引き戸。
これも別の建物の部材だった、ケヤキ材の襖や、精巧な欄間。
それらが、もともとそのように作られていたかのように組み合わさっている。

それが、わたしが拠点としている古民家工房だ。

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この二階は、壁も板の下張りがむき出しで、床も天井板一枚のままの状態で物置になっていた。
その一部を、目下、自分たちの手によるDIYにて、ギャラリースペースへと改装している。

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窓の下に飾り棚のように設置している天然板は、製材所からのいただきもの。
保存してあったものの用途がめぐってきそうもないから使えるものがあれば持って行ってよい...と声をかけていただき、テンションアゲアゲで持ち帰って来て置いてあったものだ。
それが、そっくりそのまま、ここで使えることになった。

角材や、床に敷き詰めていった丈夫なコンパネ類は、物流倉庫の廃棄物スペースにあったもの。
保管中の汚損や、キズや不適切な節など検品で除外され廃棄される予定のものだ。
改装を予定している、というのを聞きつけて、使って良いと言っていただいた。
もし、これらを購入していたら、けっこうな出費になるから、コストカットという意味は大きい。

でも、それ以上に、「使い方次第でいくらでも役に立つものが活かせる」というのは、本当に大きい。
そして、楽しい。

いただいた廃材を、どうやって使おうか...と頭をひねるのも楽しいし。
目論見のとおりにぴったりはまった時は気持ちよいし。

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壁に石膏ボードを貼り、漆喰を塗る。
「漆喰壁塗りの会」と称して友人諸氏に手伝ってもらい、楽しく作業した。
もちろん、休憩時間にはキャンプテーブルを囲んでのランチ会...これもまたお楽しみ。

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下図、脚立の奥に見えている窓が、その下の漆喰塗り後の画像にある窓だ。

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ここには壁画を描く。

 

そして、さらなる「廃材の活用」は、布。
かつて繊維工場を営んでおられたご家庭に残されていた、当時の遺物をいただいてきたものだ。

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必要な長さにカットして、水通しし。
壁のクロスのように使ったり、装飾に使う。

雰囲気をつかむための仮貼りをしたところ。

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スポットライトのレールを設置するために打った桟も、もちろん廃材。
一部に割れがあったり、反りが出ていたりという角材の、どうしても使えないところを切り落として墨を塗った。

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梁の黒さと墨色は相性がよい。
ファンは、暖気が上にたまるので、どうしても付けたかった。
回転が思ったよりゆるいので、送風はあまり期待できないが、それでも空気攪拌には大いに役立つ。

絵の掛け替えを度々するであろう壁は強度も考えて漆喰に。
絵をそんなに動かさないであろう場所や、すこしふわっとした質感がほしい場所には布を。

わたしの作るモノは種類が多く、中にはランプなど暗い場所が必要になるモノもある。

幸い、構造上やや暗くなる場所ができるため、その一角を布貼りにして、柔らかい雰囲気&暗くもできるスペースにすることができた。


二階の半分は今後も倉庫として使うため、間仕切りには板張りの襖を使う。
もちろん、それも古材だ。

倉庫には、古いが磨けば美しいと思われる、木目のハッキリ出た箪笥がある。
それもキレイにして、陶器や小品の展示用什器として活用する予定だ。

 

サステナブル(Sustainable)とは、本来は「維持できる」「耐えうる」「持ちこたえられる」を意味する形容詞。

正直、「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」といわれても、今ひとつピンとこない感じなのだが。

資源活用の3R/リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)

というのを考えることで、環境の持続を可能にしながらの発展、ということは、できる。
個人単位で実行することがたいせつなのだから、放っておけばゴミにしかならないモノを活かした空間づくりには大いに意味があると思っている。

うちの場合の3つのRは「リフォーム(Reform)、リメイク(Remake)、リユース(Reuse)」と言えるかも。

10月末までにまず完成させる予定。
11月5日に、完成したギャラリースペースでの初イベントを決めている。

その後は、じょじょに、気になるところを手入れしながら、どんどん変えていくつもり。

紙がぼろぼろになっている古い障子の枠があるので、そこに、自分の手で漉いた和紙を貼る...というのも、目標の一つ。

車でないと来られない場所にわざわざ足を運んでいただいた方に、空間ごと楽しんでいただけるように。

単に作品を並べておくだけの場所ではなく、160年経てもなお生きている木材に支えられた手作り空間の心地よさを味わっていただけるように。

  


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