現場リーダー研修

一昨年から昨年にかけて、自社において現場リーダーを対象とした研修を企画し、内製にて実施しました。300人ほどの対象者に、5回に分けて。参加した多くの方から、今まで受けた研修の中で一番良かったというコメントをいただいたので、経緯や概要をシェアします。

対象はマネジメント職ではなく、現場で活躍を重ね、上に指名されてグループ長などになっている、プレイングマネージャー的な人たち。動機づけも研修も受けておらず、見様見真似・我流でやってきたという人が多い状況でした。必要最低限の研修はすべきと考えましたが、対象者数が多く、外注していると費用も時間も工面が難しいと考え、内製での開発を提言し実行しました。

ただ、対象者の年齢・経験・職種はバラバラ。実務も多忙で、拘束が長いと相応に業務のしわ寄せを生むことになるので、下手をするとバッシングを浴びる危険がありました。加えて、人事の登壇メンバーは自分も含め十分なリーダー経験がなく、研修登壇経験もほとんどない状況。
そこで、なるべく参加は1回で済み、拘束を最小限にすることと、正解を提示するよりは自分たちで考えてもらうことを意識し、目的を下記3つに絞って設計することにしました。

■現場リーダー研修の目的
①現場リーダー層の存在意義や期待役割を認識・理解してもらう
②リーダーとは何か?正解を提示するのではなく、ありたい姿を個々に思い描き、それに向かいどう行動するのかを考えてもらう。
③リーダーとしての理想行動とNG行動をポイントを絞ってインストールする。

その上で、人事3名で分担してワークを織り交ぜたコンテンツをつくり、それぞれパートを受け持つ形式としました。

■現場リーダー研修の構成
①リーダーの意義と期待役割(人事担当役員によるスピーチ)
②リーダーとは何か?ありたい姿を考える(リーダーシップ概論)
③リーダーの理想行動(傾聴)
④リーダーのNG行動(ハラスメント等)
⑤ラップアップと明日からの行動(振り返りと言語化)
⑥懇親会(任意参加)

これでうまくいくのか?不安は大きかったですが、他の人事メンバーやコーポレートの別部門のリーダーにサンプル受講してもらうなどして確認しながら、2-3ヵ月かけてコンテンツを作成し、入念なリハーサルをして臨みました。
最初は緊張もしましたが、毎回アンケート回答を見ながら反省会をし、改善していきました。研修で全ての人を変えられるわけではないですが、意識や行動が変わるきっかけになった人がいくらかでもいたという手応えはあって、やってよかったと思っています。

今回の成功のキーワードは3つです。
①アジャイル
最初から完璧な研修を目指さず、作って、やってみて、都度改善していく
②リアリティ
現場の実態をリアルに捉え、参加者たちが自分ごとにしやすいコンテンツを用意
③対話
研修をつくる際、3人で対話し相互にフィードバックしながら構築
研修参加者も対話を通じ連帯感や相互刺激を得たことで研修意義向上
研修関連でのチャレンジは他にもしているので、順次公開していこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?