見出し画像

第6回 天国の階段

体調不良の義理の父 

 義理の父親と過ごしたのは、多分、3年から4年くらいの間だったと思う。母親とは良好な関係を気づいていた父親。元々働いていた職場を辞めて、新しい職場についていた父親だった。
 ある日父親が、熱を出した。微熱がずっと続いて、体調が悪いと言っていた。
彼は病院に受診した。微熱がずっと出てたのは、白血球が少なくて熱を出していたみたいだった。そのことがわかったときには、彼に会ったのは病室のクリーンルームだった。アイソレーターが、轟々と音を立てる室内の中で、手を消毒して病室に入った。いわゆる、「白血病」だったらしい。白血病は、体のなかで、免疫に必要な白血球という細胞を悪い細胞だと勘違いした、体の免疫システムが、自分の白血球を攻撃してしまい、本来の免疫機能を壊して、病気(感染症など)になりやすくなってしまう病気らしい。
 その病気が大変なことかどうかは、その当時は十分に理解してなかった。
 白血病の治療には色々な方法がある。俗にいう血液の癌と言われている病気だ、もちろん選択肢としても色々ある。中でも、抗がん剤治療や、造血幹移植と言われるものが一般的なのかな。
 骨髄バンクって聞いたことはあるだろうか。数ある血液の疾患の中で、治療法の一つとされている、病気の人と合致する骨髄を移植して、免疫システムを新しくするようなものだと思う。
 親子であったり、兄弟であったりすると、骨髄の型が合いやすいらしい。
 ありがたいことに、父親には両親、兄弟もいる。治療のために、本当の家族に移植をお願いすることとなった。
 天国っていうのは、本当にあるのかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?