PART7「しあわせってこゆこと。」
※この記事はTinderのプロフィール欄を使って
定期更新しているエッセイのバックナンバーです。
格安と効率につられて断行した夜
行バス1泊4日の旅。
充実と苦しみが相見れる、それはあまりにも香ばしい思い出となった。。東京から大阪、京都、福岡、長崎に渡った4日間。その間、宿と呼べる所に泊まったのはほんの一夜限り。宿とはいっても、
それは「ドミトリー」と呼ばれる施設。二段ベッドが一つの部屋に羅列されている。一部屋に名前も顔も知らない人が寝泊まりしている、いわゆるタコ部屋である。己と他人を隔てるもの、それは頼りない一枚のカーテンだけだった。宿泊料金なんと1000円強。けれど、3日連続で夜行バスに寝泊まりしていた身にとってのドミトリーの格安ベッドは、小学生の時に大晦日で泊まった横浜ランドマークタワーのフッカフカベッドを遥かに凌駕する寝心地だった。
荒廃を知る、それは当たり前すぎる日常を幸せだと思うには十分すぎるスパイスだった。続
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