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読み返したい

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文字通り、読み返したい文章。
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#エッセイ

空洞を抱きしめて、未来へ(人生で初めて一人暮らしになった記録)

2020年8月2日、午前7時前の成田空港、国際線出発ターミナル。 この日、ここで目にした光景を、私はこれからもきっと忘れないだろう。日本の玄関と呼ばれ、普段なら昼夜問わず、大きなスーツケースを転がし行き交う大勢の人で賑わっているはずのこの場所に、私たち家族以外にはほぼ誰もいなかった。 余裕をもって出発しておいて、空港で朝食をとろう、なんて言っていた。たとえ自分がどこに行くわけではなくとも、これから旅立つ人たちに囲まれフードコートで食べるごはんは、どんなに他愛のないものでも何

ハザードマップを確認したら、避難予定経路が危険だった!

九州、熊本を中心に河川が氾濫して50人以上の方が亡くなった九州豪雨。実は、実家のある岐阜県もかなり危険な状況に。連日、叔母と母親と連絡をとりながらやっていますが、避難しようとしていたところが土砂災害の可能性があったなど、意外なことがわかりました。そこで原稿にまとめて、Yahoo!とtelling,にて公開しました。記事に書ききれなかったことをお伝えします。 ハザードマップを見てわかった、思い込みで避難する怖さ実は、今回の災害での実家と叔母の家のあたり全域に特別警報などが発令

書きたいことを書くのは難しい。

noteを始めてみたものの、実名で、所属も明かして、文章を書く、ということがどうもいけない。実名で公開されるとなった瞬間の、書きたいことが全然書けなくなる感じ。これなんなんだろう? NHKを辞めてから、SNSでの発信を躊躇いなくできるようになり、FacebookもTwitterもInstagramもやってるし、最近ではstand.fmというラジオまで始めた。でも、全部を自由に書けているか?というと、なかなかそうもいかないものだ。「三木佳世子」という人間が、どう見えるのか?

書を持って、旅に出よう。

その1:インド編  高校時代の友人がインドに転勤になった。デリーの近郊にあるグルガオンという新興都市だ。近年のクーリエ・ジャポンやビジネス誌のインド特集では必ずと行っていいほど名前があがり、IT企業群と新しいライフスタイルという切り口で現代インドの象徴として語られる都市だ。 じつは僕もこの街に行ったことがある。まったくの偶然だ。4年前、僕は休暇を利用してインド旅行に出かけた。LCCなんて当時はないから、一番安い中華系の航空会社を使っても14万円くらいしたと思う。成田発、北

人生を変えるたった1回の授業

あの日あの授業を受けられただけで、大学に行った意味があったと思っている。 そう言ったら、学費を出してくれた親に失礼だろうか。 大学2年生のときのこと。当時19歳か20歳。なぜか土曜日の授業をわざわざ履修していた。授業名は忘れてしまったけど、教壇に立つ先生の姿はぼんやりと覚えている。 それは「人生を変える1冊の本」を紹介してくれた授業。 授業の中で先生が熱弁していた本。元FOCUSの記者、清水潔さんの「桶川ストーカー殺人事件ー遺言ー」(新潮文庫)は、人生に影響を与えた本

セルフブランディングは「痛い」のか?

ときどき周りの人から「なんでそんなにTwitterがんばってるの?」とか「実名顔出しでつぶやくの恥ずかしくない?」と聞かれることがある。 私は昔からさくらももこさんやたかぎなおこさんのエッセイを読むのが好きで、自分のことを発信するのに抵抗がなかった。 (▼昔はエッセイストになりたいと思ってた) でも周りに聞いてみると「いやー、自分で自分のことを発信するのはちょっと・・・」と難色を示す人が結構多い。 そういう人から見ると、たしかに実名顔出しで発信する私のような人物が理解で

赤ちゃんを見て欧米に何で冒険家が多いのか分かった気がする

カナダとアメリカに長期滞在して感じていることは【冒険型の人の多さ】。 もちろん全ての人がそうじゃないけど、リスクを取ることを恐れない、自信満々で好奇心旺盛な人物がうようよいる国だなと思う。 この3つの要素は今の変化の激しい予測不可能な時代に尻込みせずに、楽しく自分の道を切り開いていくためにとっても必要なスキルだと思っている。 だから私の密かな関心は、彼らはどういう経緯を経てアドベンチャー好きに育ったのかなぁ、 性格を形成するのに最も影響を与える幼児期にどんな風に育てら