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コーチングと私の話

2005年 コーチングという単語

「コーチング」と言う単語を初めて目にしたのは2005年だった。この年、26歳の私は転職先の人事院で研修係に配属され、「コーチング」と書かれた本を見ることになる。

今では係長研修あたりでコーチングのコマが入れられるが、当時は「コーチングとは管理職員のためのものである」ような空気感から、なんとなく20代女性係員が手に取ることははばかられるような、そんな気持ちを持ちながら、総務課長のキャビネットに並んでいるコーチングの本を興味深く眺めていた。

2019年 コーチングとPodcast

時が経ち、2019年にPodcast「香川照えのコーチング部」でコーチングを伝える、香川照え部長に出会う。
当時、私は息子の発達障害や不登校問題に悩んでいて、療育センターに行ってみたり、ペアレンタルトレーニングを学んだりと迷走していた。相当病んでいたと思う。Podcastで流れる内容に感銘を受け、毎朝、Podcast聞きながら通勤し、復習のためスマホにまとめ、疑問点や心に浮かんだことなど、照え部長にメールでフィードバックする熱心な部員だったが、よく正体不明のリスナーの相手をしてくださったと思う。
コーチングマインド溢れる照え部長との出会いで、コーチングを学びたい、と具体的に思うようになった。

2020年 子育てコーチング

2020年、「子育てコーチング」と銘打ったサービスが世の中に出始める。子育てからアプローチされたサービス設計のおかげで、何も持たない私でもコーチングを学ぶ勇気が出て、3ヶ月間の子育てコーチング講座に申し込めた。
このコーチング講座はコーチングそのものというより、コーチングを効果的に行うための自己基盤を整えるために持つと良い、マインド部分を主軸に取り扱ったものだったが、簡単にできて効果がでる!を重視したカジュアル設計だったので私の「コーチングを学びたい」という思いを、ちょっとの覚悟で行動に移すことができた。こういった行動に移すことを容易にする工夫こそスマートなコーチングなのかも知れない。

2021年 コーチングと論文

2021年、木内敬太先生の論文を発見する。
息子が3歳になる頃から約10年間、お金と時間をかけ、自分は障害に対してどういった関わりができるのだろうか、と模索していた。それでもなお最適解を見つけられず、自分の努力の方向が違っているのではないかと孤独になってもいた。
「発達障害 コーチング」で検索をかけたところ、一つの論文がヒットした。認知行動療法やコーチングによって、発達障害との関係を研究してらっしゃる人がいることを知り、「先陣を切って研究していらっしゃる方の知識を少しでも吸収して、生きづらさを抱える人たちが生きやすくなる方法を見つけたい、伝えたい」という想いが芽生えた。
論文を書いた木内先生にFacebookでDMを送り、学びたい気持ちをお伝えしたところ、大変親切なことに、ニューロダイバーシティ、神経科学、実行機能コーチング、ADHDコーチング、発達障害のコーチング、そういったジャンルや考え方があること、そして残念ながらICFの認可を受けているADHDコーチングが日本語ではないことを教えてくださった。

そこで、英語が不得手な私は、まずは日本語でコーチングスクールで学び、ACC取得することに決める。

とはいえ、私の目標はICF資格を取得することではない。
生きづらさを感じている人がいるとしたら、
その人たちに生きていて良かったと思ってもらいたい。
そのための、視点や考え方や方法を多くの人に伝えたい。

だからこそ、できる限り透明になりたくて、
胡散臭さから脱却するために、科学的な根拠が説明できるようになりたい。そこを目指していたからこそのICFだった。

2022年 ICF資格取得と英語

2022年、ICF資格を取得するにあたり、一番大変だったのは正直なところ英語だった。
予算の関係から通訳を雇わなかったので、DeepLはもちろん、コーチングスクールで知り合った英語が母国語並にできる人たちに泣きついたり、語学が堪能なキャリア官僚に添削をお願いして、何とか提出し合格した。ご厚意に感謝してもしきれない。

私の夢の実現に向けて、問題となるのは英語だ。細々と英語学習を継続しているが、とても、コーチングの専門領域を英語で学べる状態ではない。TOEICスコア400点。あれ?

2023年 実践とコーチング心理学

2023年、国家公務員のキャリア発展を支援し、メンタルヘルスの向上に繋げることを目的とし、職場でコーチングを実施する企画を通し、各省の職員にコーチングを提供を始めることになった。

コーチングに出会ってから、「コーチングによって、生活を自分でコントロールすることができるようになるのではないか」という思いが継続している。

息子は報酬系がバグっていて、望む生活が得られにくい面があるが、コーチング的な関わりをしていくなかで、一般的な方法とは違った道を辿っているものの、随分と多くの彼自身が望む行動や結果を手にし始めた(もちろんもっと早く、もっと良い関わり方ができたら良かったと思っているが、あれが当時の私の全力で限界だったので仕方ない)。

私自身の実生活における実感としても、コーチングは有用だと感じている。

しかし、何が価値があることなのか、科学的な裏付けがないとどうしても怪しさが残り、明確に説明できない。

科学に裏打ちされた事実を必要な人に必要な形で分かりやすく届け、沢山の人に知ってもらいたい。

そう思っていたら「コーチング心理学概論」という講座が開催されると、SNSで目にした。講師の一人は2年ほど前に見た論文を書いた木内先生。
ADHDコーチングが学べるわけではないけれど、学術的なものの見方や説明ができるようになるための1歩として、コーチング心理学を学ぶことに決めた。






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