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『制約』と『誓約』

ちょっとした内容になる。
『自由』を謳うこんな時代にこそ必要な気がすること。
表題の『制約』と『誓約』。
言葉の意味はそのまま辞書ででもグーグル先生にでも聞いてもらえばすぐ分かるので割愛するとして、この二つの『セイヤク』は僕にとって重要な意味を持ってる。

それは自分の仕事に対する姿勢にも影響をもっているし、いまは私生活にも影響を持っている言葉で、誰でもこの『セイヤク』はいくつか持っていたり、知らず知らずに囚われているもんだと思う。悪いコトとは思わない。
 例えば生きていくだけでも法という『制約』が行動の範囲をある程度きめるし、決めゴト無しだと世の中無法地帯の北斗の拳の世界へまっしぐらだ。意識してようがしてなかろうが何かしら行動は縛られる。これはそういう世界に生きているだけの話。

そんな中で自由に生きたい、このシガラミ(制約)から開放されたい!そういった納得できない決めゴトからの開放を求めるエネルギーは各時代ごとに文化を生み出していった。当然法律だって時代に合わせ変化してる。
音楽でもロックやパンクにヒップホップ。若い世代が旧世代の体制に不満を抱いて爆発させたエネルギーはファッションにも影響を沢山与えてる。

けど自由がある程度確保されてしまって、新しい何かを・爆発的なエネルギーで突破していくようなものはあまり見ない。僕自身を含めてそうで、なんとなくでも生きていけてしまうし、仕事してれば食うのに困るなんてことは余程へんな事しなければ起きない。これが紛争や貧困、上の階級が市民や国民を踏みにじる国であればまた違うけど、日本は(そういう側面もないとは言えないけど)平和だ。
 この国で育ってきて、そういった地域に身を置いて生きていきたいっていう人はそもそも極小数だろうとおもう。リスクある場所を撮影する写真家や後進国の教育や医療現場をかえたいとか行動してる人なんて募金までが殆どのはず。

で、だ。
そういった状態でエネルギーを生み出すために大切なことが自分には表題の2つの『セイヤク』なのだけど、正確には生み出すというか集約するという感じ。例えるならホースから出る水に出口狭める制約を付け、圧力かけて細く強くする感じ。
その状態を作って、その蛇口には圧力に耐えるホース〇〇を使用します、水は〇〇です。〇〇年は品質保証します。と約束して決めてしまう感じ。その状況でやっと安心して利用いただける所に販売できたりする。
これで水は水圧っていう要素をもって強く遠くにも届くし、その圧に耐えうる素材で土台を固めていかないといけない。水が洗車に使うのだとしたら泥水じゃダメでキレイにしないと。という感じに。

こうやって自分で決めてしまえることや、付随したり対外的要素でそうせざるを得ないことを逆に価値にしたりオリジナリティにしていくようなこと。
こういったことをしていくことで強みに変換させることが必要なんじゃないかと感じる。ブランド作るにあたってや仕事するにあたって、例えば僕ならこんな感じ。(時々例外的なものはあるにせよ)


制約としてはこちら目次の①から⑦。誓約はAからEで個人の例で書きますと

①サイズ展開がフリーサイズのみ

これによってデザインとして商品のサイズ感などが、うち独自のものになって仕掛けなどをデザインに取り込むことでサイズ調整可能な方法なども生まれる。


②縫製対応は日本国内のみで対応

これによって国内で対応できる技法や技術内で商品を企画することになる。海外ならできるけど日本ではできない事などもあったりはするけれど、そこはあえてアイディアでやりくりする。これがうち程度の小規模なので大したことはないのだけど、数量を多く販売できる力を持つところがやると国内の生産背景に対して貢献することにもなる。


③生地や材料も日本製を使用

2に同じ。このあたりは小規模であれば「国内の製造業をよくする」なんてことは絵空事だけど、大規模になったらそういった部分でも力をもつ。


④メンズ・ウィメンズ表記をしない

性別に関係のないものを作っているという主張でもある。


⑤コンセプトを持つ

コンセプトを持つことで、大きな枠が出来てモノづくりの際に方針や指針が明確になる。そこから商品に統一感が生まれてきたりする。無いとあっちへそっちへ何してるのか明確さが無くなったりする。

⑥卸売しない

直接 消費者であるお客様に届ける方法を取ること。これによって販売数はどうしても最初少なくなる。ただ中間マージンというものが省けることや、情報のダイレクトさなどのメリットは出てくる。(同じものをショップに販売代行を頼むと、当たり前にそこのコストが含まれるので値段は変わるし、商品の説明も販売員さんに頼ることになるのが卸し)

⑦使える時間・資金が限られる

育児や家事に参加する以上はある程度使える時間は限られてくる。これによって時間の配分や、店舗の運用方法(実店舗は予約制にしてるのはこの部分も理由の一つ)も決まってる。
etc...


誓約としてはこんな感じ


A不良品があれば返品・交換・修理対応する

当たり前のようなことだけど、しっかり対応し迅速に対応すること。
この対応力でブランドや企業の品質が分かる部分がある。


Bタグに表記されている素材・洗濯方法に責任をもつ

商品・その素材に対して一定の知識や背景証明を確保しているかどうかの判断材料にもなる。少し大きいメーカーに記載の電話番号に掛けて聞いてみると分かるのだけれど、カスタマーセンターにつながって「少々おまちください、担当に繋ぎます」となるはず。そこで長く待たせたりすることは買った人からするとストレスなわけで、こういう時に電話にでた人がしっかり商品知識まで持っていると、そこで対処が終わると時間も短縮でき、教育の行き届きまで価値となる。


Cコンセプトから逸れない

コンセプトに共感して購入される方もいるわけで、そこから大きく外れたものを売ってしまえば約束とちがうとなる。そのコンセプトを貫いていることが価値になる人もいるということ。例えばサステナブルなモノづくりを謳っているブランドが、大量廃棄していてかつ、その服は土にも還らないし燃やせば有害なガスが発生するとなれば信用の失墜になるということ。


D他社の商品をコピーしない

オリジナル という言葉の責任を持つということ。。(多くは語るまい…笑い)


E出荷などの期日を守る

通販などであれば注文日から〇〇日以内に発送。などの約束事があるし、店頭でもプレゼント用に発送依頼受けることもある。そういった期日にルーズにならないこと。受注生産なら届くのを待っている人もいるので。
etc...


こんな感じ。あくまで一例として書いてるので人によって変わるし、やっている仕事や内容でも変わってきますけど。
上に書いた『制約』で商品の方向性やデザイン、販売方法を形作る枠組みが作られ
『誓約』で企業としての品質や姿勢などのある意味のブランド力が形成されたりする。
自由に思いつくままになんでも作ったり、行動したりするものも一つの価値なのだとは思うのだけれど、今後しばらくはこういった『セイヤク』を独自性にまで落とし込んでいる人や会社・ブランドが強さを持つと思う。

良い物や良いブランドは人によって解釈は違うし、素材に関しても品質に関しても良いといっても人によってはそう感じないこともある。いわば主観の世界に『良い』はあるってことだ。
『セイヤク』を使ってそういった主観の『良い』に響く商品をものに限らず提供していくことが大切な時期に来てるんじゃないかな。

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