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仕事を得る為に『自分本位』になっていないか

一応トップの写真で内容変えていこうと思っていて、この写真を使うときは現場目線の時となります。余談で言うとこの写真の商品は『流衣』という服で”纏い”というシリーズの中の一つ。雰囲気を着てもらいたい素材からこだわっている商品。余談でした。

さて今回の表題のお話は、仕事を得る為に『自分本位』になっていないか。
今は過去の仕事の流れのように、『会社』まで行き『業務』をその場所でこなし帰宅するような流れだけではなくなっていて、自宅にいたり外出先やカフェで作業することで完結することも多くなってきている。
これはネット世界が進化を急激に遂げた恩恵でもあって、それに合わせて仕事を獲得する方法も変わっていると感じる。部屋に篭っていても仕事を得ることは出来るのだ。

ただ、この仕事の獲得方法ついて、僕が昭和の考え方を未だ持っているから感じるだけかもしれない部分もあるのだけれど(そう感じた方には老害ですいませんね…)、甘えにしか感じない部分があり、仕事を取りに行く際・営業かける際・継続持続して関係を作るにあたって「このやり方はやめておこう」「こういう事を意識しとこう」ということを忘れないように書いておこうと思う。
先日とある裁断屋さんから仕事をくれという話があって、実際に自分自信が感じた話でもある。まだまだそんなこと言ってる人は居るので、心当たりあれば今のうちに考えておくといいと思う。
※余談だけど、今回程度の内容をコンサルで良いお値段にて教えてる人が過去に居て、苦笑いが出るくらい引いたことがある…

お金いただくほどの価値があるとは僕は思わないので参考程度にどうぞ。あくまで僕の感覚・感性・営業時代も経た体験を元にしているので、そりゃちがうぜ。という意見も当然あって良い。では…

①誰でも出来ることを武器にしない
②人が嫌がる・面倒に思うことを進んでやる
③自分の感覚だけで話さない
④メールやLINEだけで完結しない
⑤時代は〇〇は通用しない時がある
⑥相手のことを調べない 

はい。6個だけ。これだけ。だけど、心当たりある人いると思うので、細かく説明することにします。

①誰でも出来ることを武器にしない

例えば今回の裁断屋のことを例に出す。生地を裁断して次の縫製をする工程に繋げる仕事なわけだけど、当然難易度はデザインや素材によって変わる。この工程を専門にプロとして仕事をしている以上は(設備の問題による可能・不可能を除けば)相手から依頼があればそれに対応し、しっかりと次の工程に不備なく繋げるのが仕事である。細かいこの職の説明は割愛するけれど、例を挙げると「無駄を極力ださない」「柄を合わせる」「生地の地の目を通す」などがその職人の技量の見せ所になる。
 これらの前提があるので裁断職人として仕事は確保できるわけで、この技量がないのなら職人レベルでなくてもやれてしまう作業でもある(つまり機材さえ扱い方覚えたり、基礎的なことを知れば素人でもできる)。
 そこから電話で第一声にきたのが
「仕事なんかないですか?空きそうなので出せるのあれば出して欲しい」
なので僕としては『難易度』の低い無地の生地のものと、少し手間のかかる『チェック柄』(格子柄)を出せると伝えた。その答えが…
「あー…。無地はいいんですがチェックは苦手なので、無地だけで…」
という答えであり、それは簡単な誰でもできるものだけを確保し難しいものを残す行為なので、お断りした。
 この例に限らず考えて欲しいのだけど、誰でもできる仕事は既にどこかの誰かが対応しているものだということ。その部分に価値は殆どないので、そこで仕事を得るのであれば価格競争になる。当たり前のことだと思う。

②人が嫌がる・面倒に思うことを進んでやる

上の例にも書いたことではあるので簡単に書く。
基本的に人が頼みたいと思うことは、自分自身でやるのは面倒だとか、本人は苦手でやりたくない・または出来ないこと。さらには汚れ仕事というか、しんどい・汚いから物理的に嫌だということ。
 ここは重要で、こういうことをやってくれる人が仕事を獲得するのが早い。例えば僕がやっているファッションの世界で言うと…
パターン作成は専門知識や経験値が相当必要なので、自分ができないから頼むという人が多いし、縫製などの加工業はいろんな意味でキツイのでメーカーが自社で縫製するところは少数だから縫製工場が成り立ってる。こういうキツイ・難しい仕事は人手が不足している。
 逆にデザイナーなどの(きつくない訳ではない)花形の立場は人気も高く、企業にその職で入り込もうとしても枠が少なく、そうそう入れない。販売員に関しては人気は高い職で学生でも採用がアルバイトなどでも多いので、枠は多い割に募集人数は少ない(ただプロと言われる販売員は不足してるし常に求められている)。 
 振り屋(OEM・ODM会社や商社も含めて)といわれる中間業者が成り立つのも、メーカーやブランドでの手間のかかる作業を代行しているから。
 つまりはそういうことで、汚れ仕事や相手がやりたくはないけどしなければいけない事は仕事を獲得しやすい。その要望への嗅覚は大切。

③自分の感覚だけで話さない

こちらは営業でも販売でもなんでも言えること。
自分が良いと思っているものが相手の良いものとは限らないし、相手が求めるものは自分が良しとしていることではないかも知れない。
 これがデザイナーやブランドの印象を構築する仕事であれば、内容や方針によって自分の感覚を貫くことも必要不可欠な場合もあるけれど…。仕事を獲得するために動きたいのであれば違って来る。
 相手のニーズに合わせて、自分の提供できるものを提案したり、手元にないのであれば何とか提案材料を創りだす。(デザイナーもそういった方針の方も当然いる)
 一方的な押し付けや押し売りは迷惑極まりないのですよ…。
これまた一例ですが、縫製に関しても作業者が「このくらいで良いだろう」と思っていても相手は「ここまでの品質が必要」と考えていることも多々あります。自分の感覚は自分のモノをつくるのでない限りひとまず横にポイッとしておくに越したことはない。です。仕事を持続するには相手の感覚にも寄り添って、所々で自分の感性を添えて相手のプラスになるような提案を。

④メールやLINEだけで完結しない

これは現代の問題でもある件ですが…。
いまは仕事のやり取りがデータ上で行われることが多くあるのは事実で、便利さもあることは事実なのだけど、ではすべてメールやLINEで済ませてOKかというと、それは違ってくる(いつかそういう時代も来るかもしれないけど今は違う)。例えば営業のファーストコンタクトなんかは いきなり電話されると相手は忙しいのに嫌がられることもある(これは関係性が出来てなく相手の状況がわからないのが理由)のでメールが基本になるとは思う。
 ただたまに見聞きすることで、請求書や書面の原紙をメールでいいじゃないかという論があるのだけれど。紙の無駄だとか管理しやすいとか理由はあると思うし便利な面も当然ある。それはわかるのだけれど先方が
「うちは紙でお願いしている。」
という時に頑なに無駄なのでデータのやり取りでお願いしますといえば、相手は気分悪いし取引したくないとなることもあり。
 他にもLINEなんかはあくまでアプリケーションで、なにかトラブルがあればデータごと消し飛ぶし個人情報としては価値も低い。他にもどうしても時代の利便性に対応できない世代も人もいる。相手次第で合わせることも必要となる。
 あと別で、文字だけのやりとりは人間味や、相手に与える印象がどうしても冷たくなる(フランクなメールをビジネス関係でするわけないので)。そういう人間味や人間性の情報は「声色」「表情」などがかなりの比重を占めるので、お仕事を始める際は最低限電話で話し、確認事項をメールする。お会いして確認したのちに議事録としてメールする。などの使い分けを出来てこそ便利なものを使いこなせている。お仕事を獲得し長い関係性を築くのは商品だけでなく人間味や関係性が大切。いちいち会ったり話したりするのは非効率だと聴こえてくるようだけれど、効率だけで関係性が良くなり続けた例を僕は知らない。
(恋愛でも会うことなく、声を聴くことなくお付き合い決定は中々しないし、話し合いながらでないと続かないのと似てます。)

⑤時代は〇〇は通用しない時がある

先の4にも通じますので簡潔に。
今の時代はこれやってないと遅れてます。であったり
この手法取り入れてないと無理です。とかを決め台詞にするのは相手がよほど流されやすい人にしか効果ない。それも情報が『価値ある事実』であれば良いけれど、大した情報でもないと後から発覚したら悪評にしかならない。
時代遅れだろうと、価値のある仕事や作業・技術は存在するし
時代がどうであろうと、相手にはその流れは必要とされていない場合もあるのです。
本当に導入することで価値のあることはしっかり説明すれば、時代が云々言わなくても伝わります。

⑥相手のことを調べない 

こんなのを最後に書くのもアレなのですけど。本当に未だに多いので釘刺す意味で書いて項目の最後に。
陶芸職人さんのように一人でストイックに作品を作って販売するような仕事は別として、相手がありきの仕事の場合、仕事を獲得するために動く際に最初にすべきは相手のことを調べること。これが大前提です。
 勿論仕事を継続することで知っていくような深い内容を最初から調べれる訳はない。ただ相手の事業内容や規模感、HPなどを持っているのならコンセプトや企業の理念、代表者の経歴、想定できる販売先や活動内容…これくらいは事前に調べられるはず。ここらへんを調べず営業なりを掛けても断られるのは当然ながら、むしろ嫌われます。
 販売の際に始めて来店された方のことを下調べなんかは当然無理だけど、営業的な場合は相手の情報はそこそこある。
 当然関係性が長くなるにつれて知る情報も増えるので、増加した情報にあわせて提案していき、仕事を求める際には相手が困ってたり嫌がってたりすることなどを聞いておいて解決策の提案を行っていけば必然的に関係性は深まりますよね。僕ならそのように困ってることを覚えていてくれて、解決策を提案くれる相手は大歓迎。


最後に。
これらの内容はどちらかというと営業なりを対企業に行う前提で書いているけれど、個人やフリーランスであっても同じことは言えると思う。
仕事が回らないくらい常に舞い込んでくるような人は、すでに成功までの努力をした人か、稀有な天才で(ほとんどいません)。相手が個人であろうと企業であろうと、仕事を獲得しようと動くのであれば
相手の立場になって考える能力
を常に鍛えるようにしておくと良いのは間違いないはず。それが持続し継続して、自分自身が大きくなったときは、仕事を獲得する方から仕事を依頼する側になっていくはずで、そうなって初めて自分の『我』を通していける範囲が大きくなるものだと思ってる。勘違いしてはいけませんという自戒も込めて書きました。よ。

それではまた。


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