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『カンプノウの奇跡』人生史上最も幸運だった日の思い出

こんにちは。島人サラリーマンです。
今日は石垣島とは全く関係なくサッカー好き、バルセロナ好きの一人として。

小学生からサッカーを始めて約20年。
住む環境があれこれ変わっても、周りにも恵まれ今でもどこかでボールを蹴っています。

そんなサッカー大好きな私ですが、サッカーを通して一番感動した日のこと、目の当たりにした奇跡を、4年前の記憶を蘇らせたいと思います。

▼2/26追記
2/17のカンプノウでの1stレグはまるで4年前と同じような容赦ないスコアで敗北していました。奇跡の伏線なのか、実力通りの結果なのかもう1か月待ってその答えを確かめたいと思います。

世界最高峰を決めるチャンピオンズリーグ

ヨーロッパサッカー好きな私にとってワクワクを隠せない楽しみな時期が来ました。
2/17からチャンピオンズリーグ(以下CL)決勝トーナメントが始まります。
まずはベスト8をかけたラウンド16。

注目カードの筆頭はやはりバルセロナvsパリサンジェルマン(以下PSG)ではないでしょうか。

このカードが決まった時、私はある日のことを思い出しました。
2017年3月8日、
場所はスペイン、バルセロナ。
FCバルセロナの本拠地カンプノウ。
CL決勝トーナメント2ndレグ:バルセロナVS PSG 

そうです、カンプノウ奇跡が起こった日です。
CL好きなら誰しも記憶にあるはずです。

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なんと奇跡的にこの日、私はカンプノウに足を運んでいました。それでは奇跡の日の1か月前からさかのぼって当時を振り返りたいと思います。

バルセロナ大敗0-4

大学卒業を前にした2017年2月、着々と卒業旅行の準備を進め小さい頃からの夢であったCL観戦チケットをゲット。

そして入場時のアンセムやバルサ勝利後の歓喜など、
陽気な未来を想像しながら1stレグをテレビ観戦。
結果はなんと0-4
その時の喪失感、絶望感といったらなんたるや。
ディ・マリアにこてんぱんにやられましたね。

一生に一度しかないくらいのカンプノウでのCL観戦。
それがほぼ敗退が決まっている「消化試合」になるなんて購入時には思いもよりませんでした。
それでも今さらチケットは返券できないし、CL観戦というチャンスを逃すわけにはいかない。良い試合が見れれば良いなという99%諦めの心持ちで成田を出発しました。

バルセロナ到着~観戦当日

当時初めてのヨーロッパ、初めてのスペイン、初めてのバルセロナでしたが、気候もおだやかで料理もおいしい、街全体にロマン漂うお気に入りの場所でした。

CL観戦はバルセロナ滞在最終日だったので、
それまではガウディ先生の建築やタパスとお酒、
ブケリア市場やランブラス通りを存分に楽しみました。

この時初めて知ったのですがキックオフ時間はかなり遅めなんですね。もちろんデイゲームやナイトゲーム試合開始時間はそれぞれですが、この時のキックオフは現地21:00。

延長やPKまでもつれたら帰りの地下鉄がないんじゃないかと不安に思いましたが、まあ0-4から同点になることもないかと、要らぬ心配をした記憶があります。

ただひとつ、現地到着した日からずっと気になっていたことがありました。
それはPSGファンの大きな態度。
まあそれもそうです、ほぼ勝ちが確定していますから。
「負けるはずがない」というPSGファンの自信たっぷりな姿をうらやましく横目で見ながら、それでも微かな希望を胸にカンプノウへ出発しました。

カンプノウ到着~キックオフ前

最寄りのPalau Reial(パラウ・レイアル)駅に到着してまっすぐスタジアムへ。
サッカーIQ溢れる少年たちが楽しくきれいにサッカーをしていました。
そしてもちろんサポーター同士の煽り合戦も始まっていました。

オフィシャルショップでパーカーを買い、ポロシャツを買い、試合観戦というよりカンプノウを楽しみに来たマインドに変わっていた私でしたが、現地の熱い熱いファンを目にすると奇跡が起こってもいいのかもという少しポジティブマンに変わりつつありました。

そして選手のアップシーン。
メッシ、スアレス、ネイマール(MSN)+イニエスタ

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この時の布陣は本当に豪華ですね。
せっかくなので当時の両スタメンをご紹介。

▼バルセロナ
GK テア・シュテーゲン
DF マスチェラーノ、ピケ、ウンティティ
MF ラキティッチ、ブスケッツ、イニエスタ、メッシ
FW ラフィーニャ、スアレス、ネイマール

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▼PSG
GK トラップ
DF ムニエ、マルキーニョス、T・シウバ、クルザワ
MF ヴェラッティ、ラビオ、マテュイディ
FW ルーカス、カバーニ、ドラスクラー

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スターに次ぐスター、カンプノウの雰囲気、サポーターの熱気など一通り全てに感動し落ち着きを取り戻した頃、選手入場の瞬間が訪れました。

そうです、アンセムが聞ける!という期待を胸に、
私はその瞬間を待っていたんです。

だがしかし、選手入場と同時にアンセムが流れているはずなのにアンセムが全く聞こえない。。。。

サポーターの歓喜とバルサチャント「イムノ」。讃美歌という意味のこの歌にかき消され、アンセムのメロディーは本当に微か。でも本場のイムノが聴けただけでも大満足です。
あのアンセムはテレビだからこそ綺麗に聴けるのですね。

奇跡の前章(キックオフ~後半42分)

前置きが長くなりましたがいざキックオフです。
ここでは私の感情の喜怒哀楽のみを書きますので、
試合展開を振り返りたい方はスクロールして下の表をどうぞ。

キックオフ (0-0)
待ちに待ったキックオフ!さあ楽しいサッカーを期待!
ゴールが生まれる試合なら何でも良いから最高峰のサッカーを見せてください!

先制点 (1-0)
いきなり先制!!なんか盛り上がってきたーー

追加点 (2-0)
イニエスタ、今なにしたの?よくわからず追加点。

ハーフタイム
おっ、良いじゃん良いじゃん。後半も序盤で1点取れたらもしかしたらもしかするかも!

後半開始
さぁ残り45分。期待をしすぎず、存分に楽しもう。

追加点 (3-0)
追加点!さすがメッシ。
これはこれは!あと1点で同点。あと40分、まずは1点。
これは大逆転劇を期待します!

失点 (3-1)
絶望。絶望。カバーニ。。。
あと1点だったのに、、、もう終了だ。
さすがに6点は取れないよね。

その後は特に見せ場もなく残り5分を切る中で必要ゴール数は3点。
観客席の1~2割は会場を後にしカンプノウに漂うが敗北ムード。
勝利を確信したPSGサポーターに対して100%諦めていた私。

ただし、
誰しもが予想しえなかったカンプノウの奇跡がここから始まりました。

奇跡の7分間始まりです。

▼試合展開

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参考:2017.3.8 バルセロナが起こした”奇跡”…CL 大逆転劇の興奮をもう一度

奇跡の幕開け(後半43分~ラスト)

帰宅するサポーターを横目に、
私は明らかに生来バルセロナファンだろうという年を召したおじいちゃんと一緒にコートを見つめていました。

もちろん「負けたけど一時追い上げたし、カンプノウの雰囲気も楽しめたから満足。」という気持ちでしたし、ここからの逆転劇を期待もしていませんでした。

後半43分
会場を後にするサポーター増え、バルサのチャントも失意とともに音を消し静けさに包まれた中でのFK。
キッカーはメッシではなくネイマール。
ボールは驚くほど美しくと鮮やかな軌道を描きゴール左隅へ吸い込まれました。

4-1。トータルスコア4-5。
アディショナルタイム突入。

それでも勝利の期待なんて抱けません。
アディショナルタイムに突入直前で2点が必要ですから。

両チーム合わせて5つのゴールも見れたし、
スーパースターたちの活躍も目に収めたし、
諦めていたけどこの試合は十分満足した。

私だけではなく観客席のほとんどが、テレビ観戦していた世界中の人が同じ心境だったと思います。

後半45分
メッシからのロングパスに対してスアレスが反応。
DFに倒されPK獲得。(疑惑の判定、、、)
審判の笛とともにペナルティエリアが指示されました。

その瞬間、笛の音が鳴ったその時、
カンプノウの雰囲気が一変。
観客席のほとんどが立ちあがり、
爆発的な盛り上がりが訪れました。

このPKが決まればあと1点。
このPKが決まればあと1点。
このPKが決まればあと1点。

と心の声を抑えつつキッカーのネイマールを見守ります。

溢れんばかりの喝采とは対照的に冷静沈着なネイマール。
このPKを冷静に決めきり5-1。

4点目となるFKを完璧に決め、
このPKも相手キーパーの逆を突き冷静に沈める。
この日の主役は間違いなくネイマールでした。

トータルスコア5-5。同点。残り3分。
いつ試合終了の笛が鳴ってもおかしくない状況です。
残された時間が何分あるのかなんて考えもつかない、
もちろん帰りの電車なんて考えている場合じゃない。

ただただ目の前で起こっている奇跡のカウントダウンに食い入りながら、会場の空気と一体化するように息を飲む、そんな数分間でした。

執筆している今でも、胸が躍ると同時に息を飲む、この繰り返しです。緊張と高揚で上手く書ききれない、そんな状態です。

カンプノウの奇跡

そして迎えたアディショナルタイム一杯の95分。
最後のゴールを覚えていますか?

アシストはネイマール、
ゴールはセルジ・ロベルト。
このカットは最高ですね。

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このプレーで一つ覚えていることがあります。
5点目が決まって以降、何も聞こえないくらいの怒涛の歓声が響いていましたが、ネイマールのアシストの一瞬は、その時だけは時が止まったかのように静まり返ったのです。

ビハインドチームのラストワンプレーで、
あの場面でキックフェイントで一人をかわす。
あの落ち着きと自信に脱帽しました。
誰もが予想しえなかったプレーだったと思います。

これで6-1。トータルスコア6-5。
誰が予想できたでしょうか。
0-4からスタートしたこの試合。
95分後には6-5というスコアになっていました。

そして試合終了の笛、バルセロナのベスト8進出。

すみません。興奮のあまり長くなってしまいました。
ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございます。

高揚のなか帰り道へ

ここからは試合後の思い出です。
試合後も感激のあまりその場に立ち尽くしていました。
かなりくさいですが「これは夢なのか」と何度も問いかけたことを覚えています。

写真を撮りまくりましたし、
初めて会う人たちとハイタッチしたり肩を組んだり。
とにかくしばらくはこの高揚に包まれた会場を後にすることはできませんでした。

ここで一つ思い出したのですが
「やばい、帰りの電車に乗らなきゃ!!」
急に現実に戻り必死に駅へ向かいました。
なんとか間に合いバルセロナ市内へ。

ここでまた一つ忘れられない思い出がありました。
私はもちろんこの夜はバルセロナ市内のみんなが心躍る状態でした。そんな人同士が乗った地下鉄がまともに走る訳がありません。

街中もそうでしたが地下鉄内もその例に埋もれることなくお祭り状態でした。乗客のほとんどがジャンプしながら、歌いながら窓をたたく。
一時停止を繰り返しながらゆっくりと帰路についたことも忘れられない思い出です。

最後に

ここまで長々と振り返っていましたが、
この出来事を一言で伝えろと言われたら、

震えた。

その言葉に尽きると思います。
といいますか、当時を振り返ると今でも震えます。

こんな日にカンプノウにいれたこと、
本当に幸運だったと思います。
いつかまたCLを観たい、
そしていつか必ずクラシコが観たい。

毎試合を追いかけるような本物のバルサファンとまでは言えませんが、大好きなサッカークラブの活躍は私にとってパワーの源です。

バルサが良いサッカーをした日、勝利を収めた日はもちろんハッピーに、敗北した時、無得点のときはブルーに。
もちろんバイエルンやリバプール、ローマなど近年のCL敗北の際はかなり落ち込みました。

それでも、カンプノウの奇跡を目の当たりにした私にとって、バルセロナが弱いチームになるなんて考えもできないですし、メンバーが変わっても奇跡を起こせるチームであると信じています。

今から5時間後、
今年のCL決勝トーナメントが幕を下ろします。
バルセロナvs PSGのカード含め楽しみな試合が多数あります。

ここ最近は多くの問題があり波に乗り切れていないバルサですが、4年前のあの日を思い出しながら心から応援したいと思います。

以上、長くなりましたが私にとっての人生史上最も幸運だった出来事『カンプノウの奇跡』を終えたいと思います。

ありがとうございました。

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