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灼熱の天津を歩きまわる 【世界旅行記005】

2012年7月19日(木) 中国 天津

こちらでは本当に言葉が通じない。筆談でなんとかしているが、食事をするのも一苦労だ。昨日のこと。マクドナルドで3元のソフトクリームを買おうとして、頭上のソフトクリームの看板に書いてある漢字を写しとって見せたら、話が噛み合わない。あとで気づいたのだが、「2個買ったら2個目は半額!」の「半額」がたまたまソフトクリームの写真にかぶっていただけだった。冷静に考えたらわかるものだが、一事が万事、こんな調子である。

今日は天津の街を、くまなく歩きまわった。忙しい人である。 疲れて公園で休んでいたら、おじさんが話しかけてきた。写真は筆談の一部。「写真撮ってもいい?」「恥ずかしいからイヤだ」「君のこと日本人じゃなくて韓国人だと思ったよ」「日本は暑いでしょ? 天津もいまが一年でいちばん暑いよ。10月がいちばん快適さ」といった感じだと思う。なぜこんな蒸し暑い時期に中国にいるのか、自分でもだんだんわからなくなってきた。明日は北京に向かう。

おじさんとの筆談。きれいな漢字を書くなあと感心。
静園。1929年から31年までラストエンペラー溥儀が住んでいた。
溥儀の不遇な生涯に思いをよせる。
天津名物の狗不理包子(コウプリパオズ)。
15元もあれば夕食が食べられるのに、これで70元もする!

2024年7月19日(金)のつぶやき
あのときの天津は暑かった。いまはもっと暑いのかもしれない。地球温暖化の影響は深刻だ。寒いところが苦手なわたしは、当時、夏を追いかけるように旅をした。しかし、近年の夏は暑すぎてたまらない。いずれ人類は、より快適な環境を求めて、北へ北へと移動していくのだろうか。

昨日、とある集まりでセンプレデザインの田村昌紀さんにお会いした。お話のテーマは「80歳からの世界」。ご自身の人生をインドマヌ法典の四住期にたとえ、これからの人生は4番目の「遊行期」として、さまざまな価値観や考えが織り重なった「ミルフィーユ世代」を楽しむという。

わたしの年齢は、田村さんの半分に過ぎない。わたしがこれまで生きてきた期間がもうひとまわりした頃、わたしはどんなふうに毎日を生きているだろうか。「みごとな人生」を体現されている田村さんを前に、毎日のていねいな暮らしをおざなりにしている自分を、少しだけ恥じた。

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Travelife Log 2012-2013
世界一周の旅に出てから12年。十二支ひとまわりの節目を迎えた今年、当時の冒険や感動をみなさんに共有したいという思いから、過去のブログを再発信することにしました。12年前の今日、わたしはどんな場所にいて、何を感じていたのか? リアルタイムで今日のつぶやきを記しながら、タイムレスな旅の一コマをお届けします。


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