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台湾周遊(4) 台中 Taichung・日月潭 Riyuetan 【世界旅行記021】

2012年8月6日(月) 台湾 台中・日月潭

台中は1泊しただけなので、あまり印象は残っていない。ただ、宿近くの店で食べた小籠包の味が残るのみ。どうしても「好吃(ハオチー)」と言いたかったので、黙々と働くおじさんに声をかけたら、照れ笑いで応じてくれた。

翌朝、どこへ行こうかと調べていると、飛行機のなかで見た雑誌に載っていた「日月潭(じつげつたん)」という観光名所が、台中から行ける距離にあることがわかった。雑誌に載っていた風景は、とても美しかった。あの湖は見てみたい。いまから行けるだろうか。

時刻は10時。台中から台北へ行く列車の時刻(すなわちタイムリミット)は17時。台中駅から日月潭まで、バスで1時間半、往復3時間。行ける。あわてて宿を飛び出し、バス乗り場へ向かった。

日月潭行きのバス乗り場に到着すると、「ここが日月潭行きだよ」とおじさんが教えてくれた。そのおじさんは、どうやらバス乗り場で観光客をつかまえて、自分のマイクロバスで日月潭まで連れていく客引きだった。自分にも声がかかったので断ると、「安いのにー」と日本語で言いながらすぐに諦めて去っていった。台湾は客引きですら強引でない。

バスに乗り、割引の効く往復チケットを買おうとすると、なにやら中国語でまくしたてられた。困っていると、日本語の話せる女性が現れて助けてくれた。車内では往復チケットは買えないらしい。それなら、あのおじさんのマイクロバスに乗って行けばよかった。

日月潭に到着したときには、12時半を回っていた。14時半すぎのバスに乗って台中駅へ戻らなければいけないから、正味2時間しか残っていない。日月潭は台湾最大の湖で、周囲は37キロもある。とても見て回れない。近くに眺めのよさそうなスターバックスが見えたので、そこで湖を眺めながらのんびり過ごすのも悪くないと思っていると、観光局のジャケットを着た女性に声をかけられた。

2時間しか時間がないことを伝えると、「それだったらここから船に乗ってどうのこうの……」と時刻表を見ながら勝手にプランを立てて、「いいからついて来なさい」と言う。一瞬、騙されるのではないかと思ったが、300元のチケットを200元(約550円)で売ってくれるというし、時間もないことだし、ついていくことにした。

結局、2か所を経由して、もとに戻ってくる遊覧船(乗り降り自由)で、湖をほぼ1周した。2時間ギリギリだった。女性が立ててくれたプランは間違っていなかったし、騙されてもいなかったのだが、どうにもこうにも慌ただしすぎた。日月潭を「満喫した」というより、「とりあえず見た」という感じである。感覚的には、東京から日帰りで山中湖を見に行ったようなもので、まあ山中湖を見たところで、きれいな湖ではあるがそれ以上とくに感想も浮かばない、といった感じである。

あとで聞いたところによると、「台湾のへそ」と言われる埔里(Puli)まで足を伸ばした方が、おもしろかったかもしれない。いずれにせよ、もう少し下調べしておくべきだった。

ちなみに日月潭は、湖の北側が太陽、南側が月の形をしていることから名付けられたという(地図で見てもそのような形には見えなかったが)。英語では「Sun Moon Lake」という、あまりに直接的な訳で味気ない名称になる。個人的には、中国語読みの「リーユエタン」という響きが好きだ。

台湾最大の湖、日月潭。日の出の美しさは格別だという。
遊覧船で水社→伊達部→玄光寺→水社と周遊。
あいにくの曇り空だったが雨に降られることはなかった。
伊達部で昼食。原住民であるサオ族の食べものが多い。
台中と日月潭を結ぶ公共バス。
日本統治時代に建てられた台中駅の駅舎。 ここから台北行きの自強号に乗る。

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Travelife Log 2012-2013
世界一周の旅に出てから12年。十二支ひとまわりの節目を迎えた今年、当時の冒険や感動をみなさんに共有したいという思いから、過去のブログを再発信することにしました。12年前の今日、わたしはどんな場所にいて、何を感じていたのか? リアルタイムで今日のつぶやきを記しながら、タイムレスな旅の一コマをお届けします。


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