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ドーパミンと禁煙・読書

歴史を読む

大金を残したところでモノである限りはいつか消えてなくなります。しかし、人の生き方や思想は違います。古典を読む意味は正にそこにあります。偉大な人の偉大な生き様や思想を知る事によって我々はその時代、その場所に生きていた人と同じように感化を受け、その考え方を共有する事ができます。

大切なのはそういった本を読み、感激し、感銘し、共感する事です。いつ誰がどうしたかや年号を暗記してもそれが知識として頭に入っていくだけでは大して役には立ちません。例えばチンギスハーンに学ぼうと考えたならば、チンギスハーンが戦争に勝つ為に、そして統治をしていく為に、どのように自己進化を遂げたかを調べてみるといいでしょう。

戦争に勝つ為に役立つ人材と、統治する為に役立つ人材は同じではありません。どこかで考え方が変わっているはずです。そういう疑問の答えが歴史を勉強すれば分かってきます。まさに歴史とは人が造り出したものです。人物の生き様を年代順に並べたらそれが年表に描かれる歴史になっただけで、歴史を創っているのは生きている人間です。

歴史を学ぶとはすなわち人物を学ぶ事です。偉大な人の残した思想は長く後世に語り継がれていきます。

読書とIQの関係

IQの高さは抽象化の能力です。私達が抽象思考する時の脳は神経ネットワークが同時発火を起こしています。抽象化を行う時は記憶の中にあるたくさんの知識の引き出しから共通するシンプルな情報を見つけ出すわけですから、そもそも知識がなければ何も始まりません。

また新しい知識を獲得する事なく、昨日までと同じ知識を維持している限り、神経ネットワークの同時発火は起こりません。

つまり新しい知識の獲得が無いところに更なる抽象化はあり得ません。抽象化を進め、思考が抽象化ピラミッドの頂点に近づくほど必要な知識の引き出しは必然的に増加していきます。

新しい知識の獲得は読書の他に先達の話を聞く事や自身の経験から学んでも問題ありません。ただ経験から学ぼうとすると費用対効果は更に小さくなるでしょう。それに対して読書は手間も費用も大して掛かりません。相手がある事は、相手の都合に合わせなければなりませんが、本はいつでもあなたの都合に合わせてくれます。

また著者は一冊の本の中で伝えたい事を論理的に展開しているのが常です。その為、吸収するに値する知識も豊富で知識の引き出しを作る事も用意済です。より速く、より多くの知識を得ようとするならこれに勝るものはありません。読書はIQを高める一番の手段だと思います。

チンギスハーンは戦い取った領土の統治をしました

ドーパミンと禁煙・読書

ドーパミンは人を行動に駆り立てる神経伝達物質です。これが出なくなると脳に『やる気を出せ』という指令が伝わりません。煙草を吸わない人の脳では当たり前に出ているほどの物質です。

タバコを吸う人は自然にドーパミンが出ない代わりにタバコのニコチンが働きかけてドーパミンを出させます。それゆえにタバコを吸う人は何をするにも『まずは一服』とタバコを吸おうとします。ですから禁煙を始めた途端に脳が行動を促さない状態になります。

目の前にやるべき仕事があるのに、なかなか手を付ける事ができずイライラして、ついには禁煙の誓いを破ってしまうのです。

それでも禁煙を成功させる単純な方法があります。3か月間じっと我慢してタバコを吸わない事です。脳はおよそ3か月間禁煙すると再びドーパミンを出す様になります。それまでは毎日がイライラの連続ですが、ある時フッと峠を越え、それまでまとわりついていた不快感がスーと消えていきます。

禁煙を成功させた人はみなこの気分を味わったと思いますが、これが再びドーパミンが出始めた瞬間です。脳はこのようにおよそ3か月でだいたい元に戻るようにできています。アルコール依存症も3か月間酒を断つ事ができればやはり嘘のように治るものらしいです。機能損傷を除くと大抵の問題は3か月ルールで解決するみたいです。

言い換えれば脳は3か月で若返るという事です。読書の習慣から遠ざかっていれば、それを元に戻すのはいかにも大変なように思いますが、我慢して読み続けましょう。そして、毎日それを続けて下さい。3か月間続ける事ができれば、ふと読書が苦痛でなくなる瞬間がやってきます。

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