コーチングのモデルはさまざまなんです
コーチングというと「目標がないとダメなんでしょ」とか「ポジティブしか許されないような雰囲気が苦手」みたいな印象を持っている方もいると聞きます。
たしかに、クライアントが進みたい方向を明らかにして、そこに向かって支援することはコーチングの中核的なプロセスです。
現状の思考の枠を超えたところに目標を見出して、その達成に重きを置いたコーチングの手法もあります。
でもコーチングはそれだけではありません。
人間誰しも「やりたいんだけどできないんだよな…」とか、「あっちを立てたらこっちが立たないし…」みたいなことはよくあります。
そんな状態からいきなり未来のポジティブなイメージを出そうとしてもなかなか出てこなかったり、現状を軽視して「やりたいけどできない現状の自分」は弱みであると拒否してしまうと、自己否定の感情を増幅させて辛くなってしまいます。
未来だけじゃなく、現状の捉え方を重視する手法があってもいいはず。
現状の視点を変えたり思い込みに気付いたりして、現状を肯定的に捉えることで前に進む力が湧き出てくる、そんなアプローチ。
そういうのもあったりします。
さまざまなモデルがあるコーチング
以下の表は分類の一例ですが、このようにいろいろなモデルがあります。
縦軸がコーチングのモデル。
どんな理論がベースにあるのか、どんなスタイルでクライアントと関わるのか、という切り口。
横軸は領域。
どんなテーマを扱うのか、誰に対して提供するのか、という切り口です。
コーチングを仕事にするという目線からみると、自分はどんなコーチなのか、こうした目線から客観的に説明できると、クライアントも分かりやすいし協業パートナーとも出会いやすくなるでしょうね。
このようにコーチングにはいろいろなモデルがありますが、コーチングを学ぶ過程では、いきなり全部学ぶことは難しいので、一つのモデルを取り上げながら、どのコーチングモデルにも共通するベースを身につけるという手法が一般的です。
なので、その最初に学んだモデルが真実でオンリーワンである、と思ってしまうと、そこまでになってしまいます。
コーチングにもいろいろなモデルがあるということ。
提供者側は、自分がどのモデルを用いているのか認識できること。
利用者側は、自分に必要なモデルを選べるようになること。
単純にどこのスクールで学んだ、だけでは測れないですし、一人のコーチが一つのモデルだけとも限りません。
実際に、さまざまな技法や背景理論を積み重ねて、人の関係性や言葉の扱い方を、とても丁寧に意識しながらサービスを行なっているコーチもたくさんいます。
「コーチング」という言葉や特定の手法だけではなくて、全体の構造的な共通理解が広がっていくと、コーチングがもっと活躍できるシーンが増えていくんだろうなぁと思っています。
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