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王道RPG テイルズオブファンタジア ゲーム感想 一部ネタバレあり

今年で25周年!!記念すべき一作目PS版の感想


尚、シリーズ初プレイです。

良いRPGはクリアした後、虚無感に包まれる。

そんな経験はないだろうか?
心からそのゲームの世界に入り込んだ状態でエンディングを向かえると
その世界が閉じてふるさとを失ったような心にぽっかり穴が空いたような感覚になる。
本作はクリア後そんな虚無感に包まれる名作ARPGだった。

・格闘ゲーム!? リアルタイムバトルシステム

RPGが黄金期~過渡期に発表された本作(発売1998年)
同時代のRPGにはバトルシステムに工夫を凝らしたものが多い
その中で本作は完全なリアルタイムバトルを採用している。

ジャンルとしてはARPGだがバトルのプレイフィールは格闘ゲームだった。
ポイントは「攻撃は最大の防御なり」

敵に攻撃を当てると敵がひるむためその隙にまた攻撃する。
理想は常に攻撃して敵に攻撃する隙を一切与えないこと
これはまさに格闘ゲームのコンボの概念

本作にはテクニカルリングというアイテムがある。
これを装備すると戦闘中キャラクターをより自由に操作できる
その時にジャンプ攻撃で敵をハメるという戦法が非常に有効だった
これは格闘ゲームでよく使われるバッタ戦法そのものだった。

だが、本作は主人公一人でコンボし続けることは不可能
仲間との連携が重要になっている
そこがRPGのバトルらしい要素でうまく仲間に指示を与えて絶えず敵を攻撃し続ける戦略性が付与されている。

ゲームを始めたころはそのシステムにも慣れないまま高いエンカウント率に悩まされたが、システムを理解し始めるとバトルが楽しくなっていた。
アクションと戦略性が見事に調和したバトルシステムだったと思う。

・フェイスチャットシステム

本作はワールドマップにいるときに仲間との会話を楽しめる
これはテキストはなく、ボイスと挿絵で展開されるのだが、
これが非常に良いシステムだった。
このシステムの果たす役割は2つある

一つは攻略のヒント
主人公と仲間たちが次の目的や目的地への方角について会話で確認し合うため、例えば2~3週間くらいプレイしていない状態からでも再開しやすい。
かなり細かい粒度で更新されるので、物語や目的地について分からなくなることはまず無いだろう。


二つ目はパーテメンバーの関係性や性格をより深く理解できるところ
これはRPG全般に該当することだが、
本編のストーリーを進めていると「主人公」と「だれか」の会話はみることができるが、主人公がいないところでの仲間同士の会話は見ることが少ない。本作は任意でその会話を楽しむことができるし、仲間同士の関係性が分かっていると終盤の村でのとあるシーンが際立って良かった。

・最も切ないラスボス ダオス ※ネタバレあり

物語の冒頭で主人公は両親が殺され,主人公に想い寄せていた友人の妹も殺されたあげく、村が焼き討ちにあってしまう悲劇的な展開だ
こんな惨い事件を起こした犯人を操っていたのはダオスであり
ゲーム序盤から主人公と同様に私もダオスに対する復讐心を持ってプレイしていた

物語中盤から疑念が湧いてくるがそれでもたくさんの人を殺し、殺そうとしているダオス
そのまま最後の戦いとなり倒した後、死ぬ間際にようやく彼の口から
これまでの行動の目的を知ることになる。

彼は異星人で自身の国いる10億人の命を救うために必要な「マナの結晶」を主人公たちのいる世界から持ち帰ろうとしていた。
人を殺していたのはその「マナの結晶」を生み出す世界樹を人が枯らそうとしていたため。彼はそれとは関係のない人は手を出していなかったのだ。

私「ダオスよ・・・それ、先に言ってよ!!!!」

つまり異星人たちから見ればダオスは種族存続の希望であり、
それは紛れもないヒーローである。
考えてみると主人公たちも自身の世界を守るためにダオスの手下を殺しているのでダオスと変わらないのだ。

なお、これだけの背景を持ちながらダオスの心情をダオス自身が独白するシーンがゲーム中一度も無かったのは
彼を倒す前にプレイヤーだけでもそれを知ってしまうと彼を倒せなくなってしまうプレイヤーが出てくることが考えられるからだと思う。
少なくとも私はダオスと戦うことができなくなっていたと思う。

これまでプレイした中でもトップクラスに切ないラスボスだった。

よく見りゃイケメンだし!!

・総評

正直本作をプレイするまでテイルズシリーズについてアニメや挿入歌のイメージで少し軟派な印象があった。悪い書き方をすれば媚びてるイメージだった。

しかしそれは間違っていた。少なくとも本作はそれとは真逆なゲームらしい演出満載の王道のRPGだった。

一つ印象的だったのは過去時代編で、とある町にいる名前も無い一家がダオスの恐怖におびえる生活をしていた。
その時代でダオスを倒したあとその一家の家にいくと希望に満ちた会話にに変化していた。RPGではよくあることなのだが、これは町にいる人を片っ端から話し掛けるプレイをしなければ、見逃す可能性もあって。
見逃したところで別に問題もない。ただこれで得られるのは小さな家族に希望を与えたという小さな達成感だけなのだが、これがどんな強い装備をもらうことよりも私は嬉しいと感じるのだ。

本作はそのような私の好きなRPGの要素がしっかりと体験できる素晴らしいタイトルだった。

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