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山野精霊

今日の空も気持ちのいいブルー。
もう何もかもが過去の事、あの青い空の向こうに吸い込まれていった。

どんどん台湾に惹かれて行ってしまう。
このゆるさ、あたたかさ、田舎さ、そしてダサさ、すごくよい。

台東のバスターミナルに着いた。
こっちの方が街は賑わっている。

なんか日本と変わらないくらい居心地が良かった。

あっと言う間に夜が来て、宿で借りたチャリこいで夜市へ。
近所の寺の脇にチャリ停めて散策。
屋台から何かを焼いた後の煙が上がっていいにおいがする。

パジャマでお出かけとか、洒落てる。
かっけーよ台湾の田舎。

そうだ、夜に宿に戻ると、宿の人達家族がみんなで飲んでいたから、俺も混ざって乾杯した。
そういう緩い感じが旅人にとっては心地いもので、地元の人とのふれあいや、その土地の話が聞きたかった。

台東の街は提灯に照らされていた。

明けて、僕はバスの中から遠くの山をみていた。

台湾には雨季はあるんだろうか、雨が降って水かさが増えたら川も潤うだろう。
僕が乗った観光バスは知本森林遊楽区という公園に到着した。

初夏を告げる虫の声を聴いて、緑色の葉っぱをつけた台湾の植物に囲まれている温室の中へ。

猿が僕と出会う、子ザルが興味津々にこっちを見ている。
木々が奏でる音は、猿が躍って跳ねている音だ。

ハイキングでの疲れを癒しに知本の温水プールに入って少しのんびりした後、バスでまた街まで戻って、今度は宿で自転車を借りて台東海浜公園までこいだ。
ひたすら海の風を浴びて走っていた。

台東を巡って気持ちは穏やかになるばかり、少ない出会いも大切に、その気持ちは持ち続けていたい。

台東では自然物ばかりと話していた。
だから風の中にしか文字も何も残ってない。
あの時感じたことはあの時に発するのが一番だ。
ここでは、過去現在未来が混ざる。

風を切って、突っ走って、どこまで行くの。
声も届かなくなる。
ゆっくりお休み、それからまた僕と話をしよう。
声がしていた、僕を呼んでいた声の方へ、そして花蓮へ。

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