マリファナのにおいのする町
バイロンベイからバスに乗って行ったニンビンはマリファナで有名でさ、数多くのヒッピーがそこで暮らしているらしい。
数台の車が路肩にもうずっとほっとかれてるように感じる空っぽのストリート。
本屋に寄った。
「サイババ」の本が目に留まった。
独特の髪型してらぁ。
そういえば浩太は小学校の時サイババ好きだったよな。
子犬を見かけては目線を下ろす。
いや、腰を下ろす。
子犬と俺と同じ高さで会話する。
誰のにおいも嗅ぎたがるなんて最高じゃんか。
手書で町を紹介した看板が裸で道に置いてある。
看板の張り紙は千切られて、貼られての繰り返し。
歩道を歩いてく鶏たち。
僕はお昼ごはんを食べようとしてる。
このゆるい風は地球を何周も回って、いつか誰か違う人へ吹き付ける。
バイロンベイに帰ったら、また楽しい夜が待ってる。
旅の中にいた、お前らの声が聞こえていたい。
俺はニンビンからまたバイロンベイに戻ってきて、同じ部屋の若者達と一緒にナイトクラブへ遊びに行ったんだ。
いつかの宿では二人のミュージシャンが歌ってたから、「カホン」を持ってって、即興で生演奏に参加してみた。
書き残したことがたくさんあるような気がする。
バイロンベイで見上げた月の明るさとか、言葉に出来なかった海の青さとか、忘れたくない。
朝になって僕はブリスベンへと向かった。
遂に気持ちは「オーストラリア一周」、再びの俺にとっての最初の街ブリスベン。
あの頃よりは全てがましで、全てが違う。
もう新しい俺だ!
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