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SaaS×D2Cで年間流通額500億を達成したSUPER STUDIOとは

はじめまして。

SUPER STUDIOという東京のスタートアップ企業でCOOをしている花岡です。

SUPER STUDIOは「ECをアップデートし、人々に新しい体験を」をミッションに掲げ、SaaS×D2Cを軸に2つの事業を展開している会社です。

創業からまだ5年ですが、数々の成功や失敗を重ねながら急速に成長することができ、たった4人だったメンバーも100人近くになりました。

そんな弊社がnoteデビューすることになりましたので、記念すべき1号を書かせていただきます。

ありがたいことに業界では「SUPER STUDIOの名前をよく聞きます」と言っていただくことが多くなりましたが、昨年までほぼPRをしない状態で成長してきたので「何をしている会社なんですか?」と聞かれる機会も同時に多くなってきました。

2019年12月に6期目スタートという節目を迎えたこともあり、今回のnoteではSUPER STUDIOの生い立ちから今の事業が生まれるまでについてお伝えします。

少々長いので、下記の目次から気になる部分のみでも読んでいただけると幸いです。


1. SUPER STUDIOの生い立ち

SUPER STUDIOは、代表の林、真野、村上、そして僕(花岡)の4名で共同創業しました。4名の相関図、過去のキャリア、今の役割を簡単にまとめた絵はこちら。

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バックグラウンドの異なる4人で創業したSUPER STUDIOですが、会社を立ち上げた当初、「ECをアップデートしたい」「D2Cで新しい体験を生み出したい」など最初から思っている人は、ぶっちゃけ1人もいませんでした。

よくベンチャーであるような「世の中の○○という課題を解決したい」という共通の目的を持って集まったのではなく、創業当時の僕らは「何をやるかではなく、誰とやるかが重要」という価値観が一致し、会社を立ち上げました。

後にこの価値観は会社の文化そのものになるのですが、この頃から「人が全て」という共通認識が創業者全員にありました。

そんな僕たちが最初にトライしたのは、実はBtoC向けのDIYメディアでした。要はCookpadのDIY版です。(こんな書き方していいのかな。いいよね。)

この事業はスタートアップ企業を支援する「KDDI ∞ Labo」にも採択していただいて好調な滑り出しを見せたかと思いきや、見事にコケました。美しいほどに。

今振り返ると、単純に自分たちの実力不足だったのですが、今でも創業者間ではネタとして、当事業のPMだった真野がイジられています。笑

ちょうどその頃、真野の知り合いの起業家から「ECメーカー事業を一緒に立ち上げませんか」というオファーがあり、事業モデル上の可能性を感じ、参入することを決めました。

これが現在のSaaS × D2Cを展開するに至った、最初の一歩でした。

元々SUPER STUDIOは取締役の半数が技術系の人間であり、技術力が強みということから、EC事業においても主にシステム周りの役割を担うという座組みでスタートしました。

とはいえ当時の僕たちは、ECに関しては右も左もわからないド素人。

とにかくインターネット上で商品を販売できなければ始まらないので、オープンソースのECシステムをセットアップし、販売できる状態にしました。

しかし、数日経っても1件も売れません。

これではまずいと、座組み全員で業界のことを必死に調べ、今伸びているEC事業者がどういう売り方をしているのかのリサーチをひたすら行いました。

結果、当時の勝ちパターンの売り方は、オープンソースのECシステムでは実現できないことが判明したので、フロント部分(販売ページ)を自由に作れるシステムを独自開発し、データがオープンソース側のデータベースに連携されるように魔改造しました。

販売準備が整うと同時に、林が広告業界のトッププレイヤーの方々と繋がることができ、広告出稿が始まるとトントン拍子でビジネスが拡大していきました。(ここからは全ての工程で高速PDCAをまわすのはとても大変でした…)

この時に、ベンチャーにおいて事業の成功にコミットするということは、役割なんてあってないようなもので、成功に必要なことを全て全力やることの大切さを改めて学びました。

最初はシステム担当として入った僕たちでしたが、結果的に新規顧客獲得のためのマーケティング、CRM施策の企画・実行、物流やコールセンターのオペレーション、キャッシュフロー管理、在庫管理、製造OEMコントロールなど、気づけばECに関わる全ての工程を計画から実行までを自分達でやっていました。

これら全ての工程を最適化していくためには、システム側も尋常じゃないスピードでアップデートしていかなければならず、当時、CTOの村上はロサンゼルスにいましたので、時差を利用して僕と2人で一日中「開発→試験→リリース」を毎日繰り返していました。

その結果、1年で年商10億を超える事業に成長させることができました。

昨今ではオムニチャネルを持ち、バリューチェーンを抑えたデータ・ドリブンなECをD2C(Direct to Consumer)と呼びますが、これはまさに僕たちがやってきたことそのものでした。


これらの非常に濃密な経験から、僕たちは現在の事業であるSaaS×D2Cに繋がる2つの可能性を手にしたのです。


2. SUPER STUDIOを支える2つの事業

1. SaaS提供しているEC基幹システム「EC Force」
2. EC事業の全工程をデータ・ドリブンにオペレーションレベルで支援できるD2Cソリューション「Apollo D2C」

まず1つ目のシステムですが、ECの全工程における要件を、物理的なオペレーションレベルまで熟知した僕たちは、魔改造したシステムを一度全て破棄し、現在のECに最適かつ、これからの変化に汎用的に対応できるように0から設計を開始しました。

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その結果、開発されたものがEC基幹システム「EC Force」です。

SaaSであるEC基幹システム「EC Force」はリリースから2年、ほぼPRせず200ショップを超え、年間流通額は500億を超える規模まで成長し、現在もリアルタイムで伸び続けています。


お恥ずかしながら、がむしゃらに走った1年でECのシステムに関する市場調査など全くしてませんでしたので、世の中にカートシステムなんてものが存在していることを、「EC Force」を開発した後に知りました…笑

ただ、ECのプレイヤーとして現場の最前線でオペレーションまでやっていた僕たちの作ったサービスは、多くのEC事業者の方々に受け入れていただき、リリースから7ヶ月、口コミのみで100件を超えるショップ様に、ご利用していただくことができました。

これは代表の林と真野が業界を知り、僕たちの開発したサービスにワクワクし、もっと業界をよくしたいと走り抜けてくれたおかげです。


そしてもう1つが、D2C事業の全工程をデータ・ドリブンにオペレーションレベルで支援できるD2Cソリューション事業です。

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僕たちは、上記の経験をはじめとし、様々なD2C事業を運営してきました。

成功や失敗も含め、様々な施策を実施し、それがどういう形でデータに現れるかを常に分析してきた結果、データに基づいたD2Cに関するノウハウをたくさん持っています。

今まで多くの事業者様と関わらせて頂きましたが、D2Cはフェーズ毎に100社いれば100社同じような課題に直面します。そこには明確な再現性があります。

そこでSUPER STUDIOは今までの経験で培ってきたノウハウをソリューション化し、これからD2Cを立ち上げる企業様、もしくは既存のD2C事業をスケールさせたい企業様に向けて、コンサルティングだけでなく、オペレーションレベルで事業を支援できるサービスを展開することにしました。

これが現在のD2Cソリューション「Apollo D2C」です。

こちらもリリースしてから、多くのD2C事業者様に受け入れていただき、これからD2Cに参入するスタートアップ企業から東証一部上場企業まで幅広く利用していただいております。

このようにSUPER STUDIOは1つのEC事業の成功をとにかく深掘り、システム面とソリューション面の両方を事業拡大させた結果、現在のSaaS×D2Cの会社に成長することとなりました。


3. SUPER STUDIOだから提供できる価値

過去について語りましたが、SUPER STUDIOの未来を少しでも知ってもらうために、どういう意図で事業展開しているかについて、プロダクト観点で少し触れられればと思います。

ECというのはおもしろくて、常に凄まじいスピードで変化しています。

そんなEC業界で最前線のプロダクトであり続けるためには、変化を恐れず、常に変化に適用していかなければなりません。そして、業界が終わりなく変化し続けるのであれば、それは僕たちのプロダクトに完成はないということを意味します。

ですので、僕たちはものづくりのプロフェッショナルとして「永遠のβ版」というマインドセットを持ち、メンバー一同、本気で「ECのアップデート」を実現するプロダクトを目指しています。

マインドだけでなく、このEC業界の変化をいち早くキャッチアップするために大切なことが2つあります。

1つは、最先端を走るクライアント様と密なコミュニケーションを取り、クライアント様と共に成長していくこと。これはブレることのない会社の文化そのものでもあります。

もう1つは、僕たち自身が、D2Cのプレイヤーとして最前線でプレイし続けることです。

僕はSIer出身ですので「SIer的な立ち位置で他社から要件を聞いて開発されたシステム」と「自らがプレイヤーで、自ら要件を生み出し、インパクトを理解しながら高速PDCAを回すことのできる事業会社によって開発されたシステム」には絶対に埋めることのできない決定的な差がでると確信しています。(ここを語ると、プロダクトへの魂が溢れだすので、別の記事で語ります。)

僕たち自身が、D2Cのプレイヤーであり続けることは、それだけで非常に重要なことだということです。

今後、D2Cはさらに消費者とメーカーの様々な形でのコミュニケーションが重要になります。また、今後オンラインとオフラインの境がどんどんなくなってくると思います。

それらあるべき変化によって、今後、企業から消費者に新しい体験が提供されていく世界を実現するためには、まだまだシステム面にも、ソリューション面にも、ビジネス上のボトルネックは山積みです。

それらにいち早く解決策を提示し、消費者に新しい体験を提供できる仕組みを作ることが、システムインフラとビッグデータを保有し、なおかつD2CのプレイヤーであるSUPER STUDIOの真価なのではないかと考えています。


4. SUPER STUDIOの文化

最後に、SUPER STUDIOの文化についてお伝えします。

現在では「SaaS × D2C」を軸に事業を展開しているSUPER STUDIOですが、上記の生い立ちでも書いた通り「何をやるかではなく、誰とやるかが重要」という想いで結成した会社ですので「人」のことを大切にする文化があります。

特にスタートアップは一人一人のインパクトが非常に大きく、経営しているとつくづく「人が全て」だということを実感させられますし、自分たちの軸は間違っていないということを確信しています。

現にSUPER STUDIOが成長している裏側には、確かな人の成長がありました。

文化を象徴しているのは、SUPER STUDIOが大切にしている3つのバリューではないかと思います。

・HONESTY 人格者であれ
・INSIGHT 本質を見極めろ
・CHANGE 変われる人であれ

このバリューはSUPER STUDIOが20人ぐらいの頃、これから入ってくるメンバーに、SUPER STUDIOという会社をより正しく理解してもらおうという想いから誕生しました。

ただ、これは新しく設定したのではなく、創業当初からブレずに軸として持ってきたものを言語化しただけのものなので、現場に公表した際も、当時いたメンバーからは「ですよね」とか「何を今更」というような反応だったのを覚えています。笑

かっこよく定義したものはコーポレートサイトに記載していますが、一つ一つ深い意味があるので、僕なりの言葉で表現すると...


HONESTYとは「何をやるかではなく誰とやるか」だと言ってるように、シンプルに「良い人」と一緒に働きたいという想いからきています。

「良い人」と一言で言っても中々深いのですが、例えば「人の気持ちがわかる人」、「他人のせいにしない人」、「失敗をネチネチ責めず、次の一手を考えられる人」などです。

要はビジネスパーソンとして誠実な姿勢で、お互いの価値観をリスペクトし、感謝できる人だと僕たちは考えています。

次にINSIGHTですが「ビジネスパーソンとして良い人」でいるためには物事の本質を見極められる人でなければなり得ません。

プライベートもビジネスも全てに共通して言えることですが、本質を捉えることはとても大切なことです。SUPER STUDIOでは、日常会話のように「本質的には...」といった表現が飛び交っています。

例えば、ビジネスの本質は「相手を勝たせて、僕たちも勝つ」であり、片方だけが儲かるビジネスなんてものは全く本質的ではないし、長期的には必ず破綻します。

適宜状況を見極め、本質的にビジネスパーソンとして正しい行動が取れる人と一緒に働きたいという想いがあります。


最後にCHANGEですが、会社とは共通の目標を達成していくチームとしてメンバーと共に働くわけですが、実際のところ僕たちはそれぞれ様々な価値観を持ち、生きています。

感動という言葉はありますが、理動という言葉はないように、人は感情の生き物です。

本質的に正しいことも感情的に受け入れられなかったり、同じ目標を持っていたとしても考え方の違いから、真剣であればあるほどぶつかってしまうことも多々あります。

そうしたときに、自分の考えや、捉え方を変えられる人でありたいと思っています。

SUPER STUDIOでは、創業者もメンバーも、常に変わり続けてきた結果、成長することができました。変わることをやめることは成長をやめることです。自分の価値観に固執した行動しかできない人に成長はありません。

だからこそ、変われる人であろうというものを3つ目の価値観として置いています。


これら3つのバリューは会社のバリューではありますが、僕たちは人としての価値ではないかと考えています。

全てを完璧に満たすことは簡単ではありませんし、今満たしていたとしても3ヶ月後には満たしていないかもしれません。

ただ、諦めずにこれらの価値観と向き合い続けることで、人として成長することができると考え、会社のバリューとして設定しています。

このような会社の軸となる文化は、事業の選定、制度や採用など様々なところで一貫性を持って反映されています。

例えば、採用では「能力採用」ではなく「人格採用」です。
どれだけ能力が高くても、人として価値観が合わない人は、採用を見送っています。(通過率は50%ほど)

業界でも認知されだしているおかげなのか、最近でこそITやEC業界上がりのメンバーが増えてきましたが、当時は前職の分布が本当にバラバラでした。

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人格採用というと聞こえはいいですが、実際、ビジネススキルがバラバラな状態でメンバーが入ってくるわけですから、様々な苦労もあります。

大手出身者である僕は、大手でどういう研修が行われていて、どうやって能力を標準化しているかを身を持って体験していたため、社内にもできるだけそういった研修やOJTは行うようにしています。

ただ「SUPER STUDIOに入れば成長できるよ」なんていう不可能なことを語るほど傲慢な考えは持っておりません。

教育について本気で考えたことのある人なら共感していただけると思いますが、会社が提供できるのは環境だけです。

「人が成長するために行動できるかどうか」は、本人の管理下にしかありません。

僕たちができることは、高い基準に触れることができたり、ロールモデルとなるような人が多くいる環境を提供し、その人の成長と真剣に向き合うことだけです。

なので、教育という仕組みはあれど、結局のところ成長するか否かを決めるのは自分自身なので、採用ではバリュー面を非常に重要視しています。

ほんの一例ですが、こういう考えを持った会社がSUPER STUDIOです。


とても長くなってしまいましたが、SUPER STUDIOの生い立ちから、大切にしている文化のお話をさせて頂きました。

これからも、事業方針や会社が考えるキャリアの将来など、様々な情報を発信していければと思います。

今後とも、SUPER STUDIOをよろしくお願いいたします。



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