パーソナライズD2Cを簡単に構築できるシステムを開発した理由
こんにちは。SUPER STUDIOの花岡です。
先週、SUPER STUDIOよりプレスリリースを出しましたが、パーソナライズD2Cシステム「1d-color」の提供を7月末より開始します。
このシステムを利用することで、アイデアさえあれば簡単にパーソナライズD2C事業を構築できるようになります。
僕自身、様々なD2C事業を手がけていく中で相談をいただくことが多いのですが、昨今、D2C界隈では「パーソナライズ」というワードが盛り上がっています。
この「パーソナライズ」という考え方は現代の消費行動の変化に適用したD2Cプロダクトの中で、色々な観点から見ても優れている点が多いと考えており「パーソナライズ的な要素が様々なプロダクトを通して世の中に広まればいいなぁ」という想いのもと、パーソナライズシステムを開発しました。
当記事では、パーソナライズの魅力からパーソナライズシステム「1d-color」の開発の裏側について熱く語れればと思います。
パーソナライズの魅力
パーソナライズの魅力は、その手法の合理性そのものだと個人的には考えています。
そもそも、人々は自分にピッタリのプロダクトが何なのかを自分で判断するための知識を持っていないことが多く、だからこそ、その領域の専門家たちが個々人のライフスタイルや体質をヒアリングして最適なコトやモノを提案する仕組みに需要があります。
パーソナライズシステムは質問に対する回答を通して、その人の属性や購買、行動履歴などを紐解き、一人一人にあった最適なコトやモノを提案することができます。
これは情緒的価値の観点からみても、プロダクトに自分の名前が入っている特別感だったり、シンプルにパーソナライズのプロセスを通して自分にピッタリのプロダクトを選んでいるという体験そのものが価値になっています。
それだけなのであれば、単なるマーケティング手法の1つでしかないのですが、機能的価値の観点からも非常に合理的なメリットがあります。
僕たち自身、コトやモノを生み出す側としてシステムソリューションやD2Cプロダクトに日々、よりよいプロダクトを作るために情熱をもってコミットしていますが、全ての人に最適な1つの答えなんてものは中々存在しないという現実を知っています。
人は価値観や体質など、それぞれ特性をもっているわけで、極論100人いれば100個の最適解がある世界でもあると思っています。
特に化粧品や食品といったカテゴリーではそれが顕著です。
そういう意味で機能的価値の観点からも個々人の特性を紐解き、最適解をパーソナライズしていくことは、非常に合理的だと考えています。
こんな感じでパーソナライズという概念を新しいプロダクトの在り方の1つだと思う一方で、実際にパーソナライズD2Cを構築していくために適したシステムがないため、プロダクトごとに各企業が0から開発しなければならないというシステム面の課題がありました。
他にも、日々お会いするD2C事業者の方々には、パーソナライズD2Cではなくても、ユーザコミュニケーションを取ることでパーソナライズ的な価値を提供していくアイデアがたくさんあります。
それらを実現していくためにパーソナライズシステムを開発しました。
サービス名「1d-color」の由来
SUPER STUDIOが展開するサービスの名称の多くは弊社の共同創業者である真野によって考案されています。EC基幹システム「EC Force」も真野が命名しました。
どうやら真野はシャワーを浴びると名称が降ってくるらしく今回もシャワーを浴びてもらいました。こちらがその結果。
パーソナライズフォームシステム「1d-color(ワンディーカラー)」
"Identity"のidとさまざまな個性を表す"color"を掛け合わせた造語
iを1と表現する意味はパーソナライズさせて1つの答え(個性)にたどり着く意味を持たせた。さまざまな個性を表現するcolorから1つの答え(個性)にたどり着いてもらう。
社内でも評判で、みんな「ワンディー」と略して呼んだりしています。笑
真野先生ありがとう。
「1d-color」でできること
具体的にどういうことができるのかについても簡単に触れればと思います。
[利用シーン]
1. 新規顧客に対してパーソナライズ診断を行い、最適な商品を提案
2. 既存顧客に対して顧客アンケートを取り、顧客データと紐づけることでパーソナライズデータの内容で顧客セグメント絞り込んだCRM施策が可能
3. パーソナライズデータを顧客データと連動することで、ユーザコミュニケーションを円滑に行うことが可能
「1d-color」が提供するデザインテンプレートを利用することで、管理画面から「質問」と「回答」と「スコア」を設定するだけでパーソナライズシステムが構築されます。
パーソナライズシステムでは、以下のように管理画面から設定された「質問」と「回答の選択肢」がWebページに表示されます。ユーザが質問に答えると、裏側ではシステムにあらかじめ設定されたロジックに従ってユーザの属性をスコアリングしています。
全ての質問が終わると、ユーザのスコア結果に応じて特定の商品を提案するような流れになっています。この例だと上記の質問によって「苦味」「酸味」「コク」の3つのスコアを評価していて、全てのスコアが高かったので、マンデリンという豆を提案された感じです。
前回公開した「D2C診断」も実は「1d-color」を使って実装されています。
この仕組みを利用することで、使い方にも記載した通り、新規顧客に向けたプロダクトのパーソナライズ診断としての機能を実現することができます。
また、既にブランドを立ち上げておりたくさんの顧客がいる既存D2Cメーカー様に対してもユーザへのコミュニケーションとして活用していただくことができます。
「1d-color」で作成したアンケートに答えてもらうことで、ECシステム側の顧客データとAPI連携される仕様(※1)になっておりますので、ECシステム側で「アンケートの質問に対して特定の回答をしたユーザ」や「ユーザ属性Xのスコアが何点以上のユーザ」といったセグメントきり、新たなコミュニケーションやCRMを実施することができます。
※現状では「EC Force」とのみ連携しています。
そのほかにも、パーソナライズ診断結果とECシステム側の顧客データが紐づきますので、マイページに診断結果を表示してあげたりすることもできます。
使い方は多彩で、従来のECではいわゆる購入に必要な個人情報のみをECシステム側で保有していたと思うのですが、これからユーザコミュニケーションが重要となるD2Cにおいては住所や年齢だけでなく、その個人の個性を表すライフスタイルや体質といった様々なデータも一元管理することで、デジタルマーケティングの可能性をさらに大きなものにします。
「1d-color」ではそういった世界を実現していくための第一歩になると考えています。
「1d-color」の開発で苦労したポイント
SUPER STUDIOのプロダクトは、本気で何かを実現していく人たちに使ってもらいたいという思想があり、多くのサービスはハイエンド向けに開発されています。そのため、一定の難易度はあるが、なんでもできる設計になっていることが多いです。
「1d-color」についても当初、ブランドの世界観を如何様にでも表現できるようにフルカスタマイズ(HTML, CSS, Javascript)が可能な仕様で開発しました。
しかし、社内D2Cプロジェクトのマーケターが使ってみたところ、エンジニアのサポートなしでは使うことが困難なことがわかりました。
フルカスタマイズできる分、HTML, CSS, Javascriptに加えてThymeleafの知識など必要としてしまっていました。
これでは当初、開発した目的でもあるパーソナライズD2Cやユーザコミュニケーションの参入障壁を簡単に下げるという目的を果たせず、本末転倒であることに気づきました。
そこで、ブランドの世界観を大切にするD2C企業や大手企業様向けにフルカスタマイズできる仕様はそのままに、シンプルなデザインテンプレートを選ぶことで、質問と回答に画像をアップロードするだけで以下のようなページを作れるようにしました。
「1d-color」をどんな人に使ってもらいたいか
「パーソナライズ」を活用して、世の中を豊かにするアイデアを形にしたい方々に是非、幅広く使っていただきたいと思っています。
また、ユーザとのコミュニケーションを本当の意味で大切にしたいブランド様にも使っていただきたいです。
ユーザコミュニケーションはD2Cの特徴の1つですが、僕たちが自社ECをもつメーカー様のマーケティングを多数見ている中で、円滑なユーザとのコミュニケーションが取れているケースが少ないように感じています。
そういった課題を解決するための手段になれると幸いです。
長々と「1d-color」について語りましたが、総じて素晴らしいサービスになっていると思いますので、是非ともパーソナライズシステム「1d-color」をよろしくお願い致します!
パーソナライズシステム「1d-color」の製品サイトは正式リリースにあわせて公開するので、現状のお問い合わせはコーポレートサイトよりお問い合わせください!
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