自分が本当にやりたいことを達成するには?
人に伝えたくなる心理学。本日のテーマは、
「私益と共益のジレンマ」
です。
1.私益と共益のジレンマとは?
私益と共益のジレンマ。耳慣れない言葉なので、難しく感じる方もいるかもしれません。それぞれの言葉の意味をお伝えすると、
私益・・・自分の利益
共益・・・共同の利益
という解釈になります。
そして「ジレンマ」とは英語で「dilemma」と書きます。ジレンマと聞いてピンと来る方は少ないかもしれません。簡単に理解するには、ぜひハリネズミの様子を想像してください。
「ハリにおおわれた身体で、相手に好意を寄せているハリネズミ。でも、近づけば近づくほど相手を傷つけてしまう」
自分が行動すればするほど、別の結果。被害が出てしまうような行動の事ですね。つまり、私益と共益のジレンマとは、自分の利益を追求することで共同の利益が損なわれてしまう状態です。
2.環境問題で私益と共益のジレンマを考える
具体的な例をあげましょう。世の中では、
「地球温暖化を防ごう! 地球をきれいにしよう!」
という取り組みが行われています。
Q.じゃあ、具体的にどうしたらいいの?
政府の発表
「石油石炭などの化石燃料を燃やすことで、大量の二酸化炭素が発生し、地球温暖化につながってしまいます」
Q.ということは?
「エネルギーの節約をしましょう」
というのが環境問題への取り組みです。エネルギーにはさまざまな種類がありますが、ここでは電気の節約。節電ということでお伝えしていきます。
少しまとめます。
自分の利益・・・自分の生活を便利にするために自由に電気を使いたい
共同の利益・・・地球の温暖化を防ぐためみんなが節電する。これにより地球温暖化を防ぐことができる
おっ、少しずつジレンマが見えてきましたね。
3.私益と共益のジレンマの問題点
「地球の温暖化を防ぐために、みんなで協力しましょう!」
素晴らしい取り組みに聞こえますよね。ここでも例えを挙げていきましょう。
夏の暑い日。あなたは自分の部屋で目を覚ましました。
身体には大量の汗。どうやら冷房もつけずに眠ってしまったようです。
「暑いなぁ~」
そう思って、冷房のリモコンに手を伸ばします。
あ、そういえば。地球温暖化を防ぐために節電しないといけないんだっけ。うーん。でも、暑いしな~。クーラーも最低限使えば問題ないはず。
そうだ。最低限で使えばいいんだ。省エネですすめられている最低限の温度は何度だろう。早速、あなたはスマホを手にとってネットで検索してみます。
「冷房の省エネ推奨温度は室温28度です」
え、真夏に28度。ウソでしょ!?
この時、あなたはクーラーの温度を何度に調整するでしょうか?
「28度!」
と大きい声で言えたあなた、素晴らしいです。ただ、多くの方は「28度」と自信を持って言えなかったのではないでしょうか。
この話には続きがあります。
次の日。会社に出社したあなたは、職場の冷房の温度を調べました。
「25度」
リモコンにはハッキリとそう表示されていました。
自分は28度で耐えたのに、あんなに頑張ったのに。
「おはようございます」
後輩も出社してきました。
「このクーラー25度になってるよ」
あなたは思わず指摘してしまいます。
「今日暑いですもんね。とりあえず20度にして後から調節しましょうよ」
「え」
「暑いと仕事にならないですからね」
あなたはこれでもクーラーの28度にこだわり続けられるでしょうか?
環境問題に対するあなたの取り組みは、周りの方の協力がなければ、続けていくのは難しいかもしれません。
「自分は頑張ってるのに周りは・・・」
と感じてしまう。
つまり、
私益と共益のジレンマが起こると、周りの人々の影響を受けやすくなってしまうんですよね。
まとめ
普段、環境問題に関わってないから関係ない。そういう方もいるかもしれません。しかし、このジレンマはさまざまな場面で見られます。
例えば、友達と食事に行った時。
私益・・・ダイエットしたい
共益・・・みんなで食事を楽しみたい
「私、ダイエットしてるから」
「今日ぐらい食べても大丈夫でしょ」
「でも~」
「いいから。大丈夫大丈夫」
周りの声に負けて、あなたは食べ物を口に入れてしまうかもしれません。
このように、私達がたくさんの人と生きていく中で、私益と共益のジレンマはいたる所に存在してるんですよね。
今回は私益と共益のジレンマについてお伝えしました。人は思った以上に周りの人に影響を受けやすい。その理由が分かっていただけたのではないでしょうか。
ではどうすればいいのか。
自分のなりたいもの。やりたいことを理解してくれる人間とグループを作ることです。
同じ目的、同じ志。
環境問題もダイエットも、真剣に取り組む人たちと関わりを持てば、ジレンマはなくなります。
自分が本当に成し遂げたいと思っている事がある方は、まずは仲間づくりを意識したほうがいいかもしれません。
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