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「だから」と「では」を使う人の違い #77

組織の中で仕事をしていて、日々色々な発見があります。

日本では、目的のはっきりしない会議というのもまだ多いですよね。
フリーランスをしていると、「とりあえず集まってみよう」の会議は限りなく少ないです。
稼げる仕事に注力しないと、本当に稼げないからです。
結論を求めないとわかっていれば、はじめから今日は雑談しましょうと誘われます。

会議に取り組む姿勢

組織を運営するうえで、生産性が低いと感じつつも開催しないといけない会議があることも事実です。

例えば、他の部署との情報共有会議など、開催してみないと必要の有無さえ判断つきません。
こちらがどうでもいいことと思っていても、意外と他部署にとっては重要な情報だったりします。
こういう情報は、チャットではなく、対面での会議や雑談からの方が拾いやすいです。

会議の必要性についても言いたいことはたくさんあるのですが、本題から逸れてしまうので、今回は「会議に取り組む姿勢」について書きたいと思います。

例えば、新商品のアイデア出しをする会議で、「鼻くそ味のグミ」を作ろうと言った人がいるとします。
もちろん、その場にいる人全員が反対するでしょう(笑)

では、自分の考えと全く違う考えが出てきた場合、どのように意見すれば良いのでしょうか。
ここでは、担当者と課長と部長の会話を例にあげてみます。

課長:バカげたこと言ってるんじゃない!鼻くそ味なんて誰が買うんだ!
部長:なぜそれを作ろうと思ったの?
担当者:これくらい奇抜な発想の方が目立つと思いまして。
課長:だから、なんで奇抜な発想すれば良いと思ってんだよ!
担当者:すみません。深く考えずに発言しました。

部長:では、仮に鼻くそ味のグミを作ったとして、どうやれば売れるだろうか。
担当者:有名な映画でそのようなお菓子が出てくるんです。なので、その世界観を演出できたら面白いかもしれません。
課長:だから、部長は売れるかどうかを聞いてるんだよ。面白くても売れなきゃ意味ないだろ!

部長:では、その映画会社とのタイアップすることは可能なのかな?
担当者:大手なので、予算的に厳しいと思います。
課長:だから言ってるだろ。面白いだけではだめなんだよ。

部長:では、他にどんなアイデアがあるだろうか。
課長:だから部長、鼻くそ味なんて売れるわけないですよ。
担当者:鼻くそ味という特定の表現でなく「世界一マズイグミ」はどうでしょうか。
部長:それは面白いかもしれないね。罰ゲームで使ったり、話題を呼ぶかもしれない。
担当者:「世界一マズイグミ」の隣に既存商品をベースにした「お口直しのラムネ」を並べたら開発コストを下げて売上が伸ばせるかもしれません!

部長:よし!では、その方向で進めてみよう。
課長:・・・

課長と部長の何が違うか一目瞭然ですね。
枕詞に「だから」という方は、自分の論理を押し付ける際に多用しているイメージがあります。もちろん文脈によりますけど。
「では」という表現には、一度相手の考えをベースに自分のアイデアをプラスしているニュアンスが強いです。

会議で大切なことは、「無いものを作ること」です。
それは、否定からでは絶対に生まれません。
ちょっと突飛なアイデアだったとしても、どうすれば実用的なアイデアになるのかを議論するのが会議の目的です。

ブレーンストーミングと呼ばれるアイデア出しの会議の原則は、「相手を否定しないこと」です。
常識から外れたアイデアでも尊重することで、より効果的な解決手段を模索する近道になります。はじめから「答え」を出そうとするのであれば、一人で机に向かって考えるのと同じですからね。

組織で必要なことは結果でなく合意

ビジネスに必要なことは、結果を出すことだと信じ込んでいました。

でも、30歳を過ぎて気付いてきたことですが、会社などの組織にいると、意外と結果よりも合意の方が重要だと感じています。

新規商品を開発したけど売れなかったという場合、関係者合意の上で進めたプロジェクトであればだれも非難はされません。多少のミスもフォローしてもらえます。
でも、反対を押し切って開発した場合、一気に敵が増えます。
仮に売れたとしても、なんだかんだで足を引っ張られます。

つまり、組織内では無駄な喧嘩はなるべくしない方が良いということです。
必ず自分の意見と違う人とぶつかることはあるわけなので、「だからこういってるでしょ!」ではなく、「では、どうしたらもっとよくなるでしょうか?」と意見を聞き入れた方が結果的に近道になることが多い気がします。

これは話を前に進める手法の話であって、解決方法ではありません。
あまりにも関係者全員の組織合意を優先しすぎると、大企業のように足並みを揃えるのに時間がかかりすぎてスピードが落ちます。
日頃から、この案件は誰と誰に話を通せば進むのかを把握し、関係性を作っておく必要があります。

経営者は全く逆

ここまでの話は会社員の話です。
経営者は全く逆の手法が必要となります。

社員からどんなに嫌われようとも、お客様のために結果を出す最善策を全うすることが仕事です。
ある程度の規模になってきたら、社員は自分の身を守り始めるので、仲良しこよしでは経営判断はできません。

「社長の考えはおかしい。だからこの会社は伸びない」ではなく、「社長の考えはおかしい。では、自分には何ができるのだろうか」と考えると良いことが増えるかもしれません。

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