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お話が生まれた日

児童書を読んでいると、
「作家の方は、いったいどこからこんな楽しい発想・言葉を思いつくのだろう?」と思うことがしばしばある。


角野栄子さんの「ぼくびょうきじゃないよ」

風邪気味のケンを治すのに くませんせいが使った3つの「くましき」の治療法。
「くましき うがい」
「くましき ねつさまし」
「くましき ねんね」
特に「ゴロゴロ ガラガラ ガラッパチ。ガラゴロ・・」という「くましきうがい」が楽しい。角野栄子さんは、どこからこの楽しいうがい方法を考えついただのだろう。
あんまり楽しくて、私も何度か この方法でうがいをやったものだ。


たかどのほうこさんのへんてこもりにいこうよ」。

しりとりで飛び出した生き物の名前が、へんてこで素晴らしい!
「まるぼ」
「ぼさこう」
「うるりんぞ」
 
へんてこな名前に加え、その名前の通りのへんてこな姿に、大笑いしたものだ。
こんなへんてこなキャラクターを 作り出すなんてすごい!たかどのさんは どこから思いついたんだろう?


そして、長谷川摂子さんのめっきらもっきらどおんどん

そう、あの。歌。
「ちんぷく まんぷく あっぺらこの・・」

このリズミカルで、一度聞いたら不思議に心に残る歌をいったい長谷川さんはどうやって考えたのだろう?????


そんな疑問が解決する文章を見つけた。

福音館の月刊絵本「こどものとも」。その800号を記念して 本誌の折り込み付録に再録された 作家のインタビュー記事。
(これは、2002年12月号の再録とのこと。)

その記事によると・・・なるほど、なるほど。
「全く意味がなくて 音だけで面白い歌」を作りたかった長谷川さん。
「めっきら もっきら」のきっかけは、新薬師寺の仏像「迷企羅メキラ大将」なのか。

意味のわからない言葉というのは、音でもってせまる。異界へ通ずる言葉だと思います。

という言葉も とても印象深い。


お子さんたちと 破れたふすまから押し入れに入って「こわいごっこ」をして遊ぶ長谷川さん。
夜寝る前のお子さんたちに、お話を作って語る長谷川さん。
ある日作ったのが「押し入れの暗闇の中からおばけが飛んでくる」という話。
お子さんたちが気に入った その「3人組のおばけと遊ぶ話」から生まれた「めっきらもっきらどおんどん」

すてき!すてき! 
お子さんたちに語っていた話が、こうして何十年もたくさんの子どもたち(大人たちも)を楽しませてるのね。

読んでいただき ありがとうございました。