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透明な霊になる(仮想現実)

イヤなことがいっぱいありすぎて
自分の中で飽和状態になり、
冬弓は、自分の体を抜け出して
透明な霊になった。

ふわふわ、ふわふわ、どこにでも行ける。
だから、どこに住んでいても
関係ない。

透明だから、矢のように突き刺さる言葉も
冬弓をスルーする。

そうか、肉体なんてあるから
ややこしかったんだ。

元々、冬弓は透明な霊。
一回死んだと思って、霊になって
ふわふわしたら、それがどんなに
楽な状態かわかった。

疑似死?
こんなことを繰り返しているうちに
本当に死ねるんだろうな。

死ぬまでの道草。
生きてることへの言い訳。

一日、何時間眠ろうが、何をしていようが
もう、全然構わない。
肉体さえ捨てれば、いつでも
こんな状態になれるんだなぁ。


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