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定年後のお金の不安を、他の人はどう考えているのだろう。大事なのは「自分らしいお金の使い方」ができること。

人生100年時代という。ならば50代の私たちは、折り返し地点。残り50年はどうやって生きていくのか。お金はどうする? 仕事は? 住まいは? などなど、まだ考えるのは少し先、と思っていたが、あっと言う間に60歳手前。

少しずつ準備しておけば、「この先どうしよう」という不安を感じなくて済むのだろうが、老後なんて人ごとだった。
気持ちはまだ40代、でも身体は確実に衰えていて、転んで肩を打っただけなのに骨折していたりする。

思春期とは逆の、気持ちと身体の老いとのアンバランス。

定年後お給料が無くなったら、私の生活はどうなるんだろう。年金でやっていけるのか。誰もが不安に思うことではないだろうか。

老後のお金の考え方について、何冊か本を読むと、大体内容は似ている。まずは定年後の年金などの収入がいくらなのかを把握する。つぎに、現在と今後の支出について、この先のライフイベントも考えたうえでつかむ。更にいくら貯蓄があるのかを計算する。こんな感じの内容が多い。

老後のお金が足りないなら、どうするか。やり方は2つ。
1、収入を増やす
2、支出を見直す

1、収入を増やすことは難しい
サラリーマンで定年後の収入というと、年金になる。毎年誕生日の月にハガキ「ねんきん定期便」が来るので、いくらもらえるのかが分かる。60歳近い人なら金額はほぼ確定しているので、今から増やすのは難しい。

会社員の場合、65歳までは雇用継続を選び働くとか、もしくは定年が65歳なら、毎月お給料が入ってくる。ただしかなり減る。

定年後起業するなどして成功すれば、収入は増えるかもしれないが、リスクも伴う。だから、定期的に入るお金を増やすのは、難しい。
使わなくなったブランドのバッグを売ることで、お金に変えるという手もあるが、不安の解消にはならない。

2、支出を見直すほうがやりやすい
支出には、削れるものと削れないものがある。本によると、削れるものとして、大体保険の見直しをすすめたり、住宅ローンの借り換えを検討するような解説になっている。
賃貸の人は、家賃が高ければ、郊外や田舎への引っ越しを考えてみるとか。ほかには通信費、つまり携帯の料金プランを見直すなどがよくある内容だろう。

家計簿をつけている人なら、時々眺めて使途不明金を考えるだけでも、支出の見直しになるのではないか。毎月月謝を払うだけで通っていないジムを退会したら、その分が浮くので、支出を見直すほうが簡単ではある。

とはいえ、何を削れて、何が削れないのか、についてはその人の価値観も関わってくる。「ゆずれない」と思っているものを節約しよう、とはならないものだ。

例えば、私の場合削れないものの一つに美容院がある。そこでカットしてもらうと、気分が上がり嬉しくなる。翌日に嫌な仕事が入っていても前向きになる。「高くない?美容院代」と言われてもここに通いたい。

もっとも大切なのは「どのようにお金を使っていくのか」ということ。これがとても難しい。
お金があったとしても自分らしいお金の使い方ができなければ、楽しくないだろうし、生活にハリがない。

自分の存在を認めてくれる仲間や、幸せが感じられる場所や、共感できるもの、学びや気持ちをシェアできる居場所。そんな要素が無いと、もしお金があっても、生きていく意味を感じられないのではないか。と考える。

人は他の人の行動に影響を受けるものらしい。
英語の勉強のため時々TED Ideas worth spreading を見る。そこでたまたま”Your Money and Your Mind"(お金と気持ち、みたいなことだろうか)を見つけたのだが、友人と貯蓄の話をしてみよう、というものだった。

このなかで、面白いと思ったエピソードがあった。アメリカのサンディエゴで、ある会社が、看板にキーとなるひと言を書き、住民にエネルギー消費を減らしてもらおうとした。
最も効果があったのが、「ご近所は毎日省エネしている」だったそうだ。

「節約できた金額」も「次世代のために」や「環境への配慮を」でもなかった。

人は、判断するために、他の人が何をしているか、を見るもの。たしかに、迷ったとき、「他の人はどうしているのだろうか」と思う。

影響を受けるものならば、価値のあるお金の使い方をしている人を見てみたい。そして聞いてみたい。その人にとってのお金の価値って何なのか。
自分らしいお金の、価値ある使い方のヒントが分かるかもしれない。


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