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わたしが わたしで いるために

会社まで車で50分。

「昭和かよ!?」
横澤夏子さんのCMを彷彿させる毎日。

気づけばそんな会社に20年。

もう限界、もう限界、と思いながらも
自分をだましだまし続けてきた。

お昼はできれば一人で食べたい。

2年前
ふと、1時間しかない昼休みの時間に
会社近くの山に行ってみようと思いたった。

そう遠くない距離を車で行くのはなんだか気が引けて、
歩く。

山までの道
歩いてみたら、木陰が多くて、
意外に涼しかった。

会社を出て用水路沿いに歩く
ここから上り坂 
いよいよ勾配がきつくなり、息があがり始める
一番のお気に入り 車で通過してはもったいない
夏でもひんやり気持ちいい
坂の脇から、街が見下ろせる
もうちょっとで頂上
一年中うぐいすが鳴いている道
車道を逸れて、山脇の階段を上る
頂上に到着 眼下には、繊維業で栄えた街並み
藤棚の下で、風に吹かれながら
ランチタイム!

折々の風が吹き抜ける

木々を揺らし 颯々と葉が揺れ合う 
鳥のさえずり まるで歌っているよう

さっきまでとは別世界

私だけの空間で
私だけに奏でてくれるやさしいメロディ

波立っていた気持ちが
すうーっと落ち着いていく

わたしが わたしに 戻る時間

春には、桜が街を包み込み
見上げると 桜のトンネル
夏空は 驚くほど芸術的で
日陰はすぅーっと風が通り抜ける
情熱的な 秋
もみじに落ちる 日差しは優しくて
冷気が織りなす 秋の彩りに ため息
冬の締まり 空高く
枯れ木の足元には にぎやかに
役目を終えた 彩りたち

この安らぎの世界へ… 


今日も会社に行く。


#昼休みの過ごしかた

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