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野心が芽生える瞬間

会社の新しい部署の業務は複雑だ
教える側の年下の上司の説明はアリバイ的で、一度でも言葉で触れたら、それは説明したことにされる
前の部署の業務も複雑だったが、前の部署では、わからないことは何でも聞ける関係、というのを大切にしていた
複雑さを前にして真逆の態度を取られているわけだ

だからと言って、態度を変えさせようとしても無駄である
教える側の人間は、自分では頭がいいと思っているらしい
自分で自分のことを頭がいいと思っている人間は態度を変えない

そんな人間に自分の非を認めさせ、態度を変えさせるには、そいつを凌駕するしかない
複雑な業務を、そいつよりも簡単にやってみせるしかない
結局、勝ち負けなのだ
気に食わない奴は全員負かす

そいつは自分では頭がいいと思っているらしいが、そいつのパソコンの画面を見て、こいつはバカだと私は見切った
画面いっぱいにアイコンが出ている
情報を整理しきれていない
おそらくそいつには、物事の繋がりがわからないのだ
それが業務を複雑にし、その複雑さを他人に押し付ける
ただ、それだけのこと
ならば、そいつが「複雑」と捉えていることを私が「簡単」にやってしまえば私の勝ちだ

勝ち目が見えると、人生は楽しい
気に食わない奴との立場を逆転させてこその人生だ
私の怒りは長続きする

まずはあいつをやっつける
そして、しばらく、快適に仕事をする
肝心なのはそれからだ
自分で頭がいいと思っている奴が「複雑」だと捉えていることを「簡単」にできるようになるのなら、その力を今の職場の置いておくのはもったいない
どうせならシリコンバレーに行ってみたい

シリコンバレーには世界中から才能が集まる、というが、その才能の持ち主はほとんどの場合、「若い」
そこに56歳の英語もよくわからない日本人が乗り込んで、一旗上げようとする
ストーリーとしては悪くない
海の向こうの成功話をメディアを通して聞くのではなく、海の向こうに行ってみて、自分も参加してみる
おそらくそこは、頭が良くて仕方のない連中の集まりなのだろう
企業に才能を搾取されるより、その才能で自分の企業を作ろうとする奴らの集まりだ
自分の才能でどんな夢を描けるのか
そればかりを考えている奴らの街
港区のタワマンを買うために我慢して馬鹿な奴らと働くより、そんな街に行った方が楽しいだろう

だが普通、56歳ならそんなことはしない
英語が話せないなら、そんなことは思いもしない
では、自分が16歳ならどうするか?
英語を勉強し、才能がある分野を伸ばすために大学に行き、22歳になったらシリコンバレーに行くだろう
ならば62歳でシリコンバレーに行けばいい
16歳の時にできたことが、56歳でできないはずはない


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