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【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第二章「性愛の山」 33

「ええんよ、無理せんで、男の子やからな」
 そう言いながら、おみよはゆっくりと体を動かす。
 それは権太も同じで、彼女の腰が動くと、自分の腰も自然と動いて、あそこが擦れて気持ちが良い。
 そのうち着物が乱れ、おみよの太ももだろうか、あれが女の肉にぺたりと吸い付いて、それで擦りあげると、一段と気持ちが良かった。
「気持ちええか?」
 権太は答えなかった。
 だが、腰は動き続ける。
 女は、耳元で囁く。
「もっと気持ちええことしたろうか? どうせお客さんにせなあかんし、初めてはあんたで試してみたいんや」
 女は、指先を舐め、そのままふたりの腰が重なり合った間に差し込む。
 しばらく女は自分の股間を弄った後、やおら権太のものを握って、それを自らのあそこに押し当てた。
「ゆっくりやで……、ん……」
 何がゆっくりか分からない。
 が、先が痛いぐらい締め付けられる。
 権太はくぐもった声をあげる。
 おみよも同じだ。
 苦しそうな息をしている。
「んんん……、うっ……」
 ときどき腰が大きく跳ねる。
 すると、あれがぎゅっと締め付けられる。
 温かい………………いや、熱いぐらいだ。
「あかん……かも……、んんん……」
 権太も、これ以上駄目だと思った。
 が、女が可愛らしい悲鳴をあげると、次の瞬間なぜか心地良さに包まれた。
「あ、案外、簡単やな……、んっ……」
 おみよは、少しべそを掻きながらも、笑っていた。

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