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いたい。

今日の書物。


【許すのは躰ではなく、心だよ】
その言葉が私の心を刺したまま取れない。

躰を許さないと
誰も私を相手にしてくれないのではないか。
そんな根拠もない不安に
私はいつまでも怯えている。

今日は不倫相手のカズと夜会う約束をしてた。
カズは一回り年上の近所に住む人。
二人でテレビを観て
コーヒーを飲んで
カズの買ってきた芋ようかんを食べる。
食べ合わせ悪いと笑う私に彼はこれがいいと言う。

今日はエッチなことにしない!と約束したから
仕事で疲れているカズをマッサージ。
時折意地悪なことをして
くすぐったり、股間近くを触りもぞもぞさせたり
はっ!と漏れる声と恥ずかしそうな笑顔を見て
私もニヤニヤする。

不倫相手ということを除けば
どこから見てもただの仲のいい男女の時間。

やはり、二人で個室にいれば
ヤりたくなってしまうもの。
硬くなった彼のものを握り
優しく撫でる。
さらに照れる顔にわたしも興奮する…

情事のあと二人で笑って、バイバイして
普段なら満足して読書でも始めるんだけど…

なのに…
でも…

私の頭の中には
【許すのは躰ではなく、心だよ】
エンドレスで流れる。


頭で理解するものじゃない。
わかってる。
すべての人に躰を許すな、ということでもない。
愛する人になら、躰を委ねてもいいはずだ。


あなたには心を許したのに…
あなたは私の躰を求めてくれない。

だよね。
わかってる。
わかってる。
わかってる。

心を許すのと躰を許すのは
同義じゃない。

わかってる。
わかってるの。
わかってるってば。

抜け出せない。

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