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人と人との絆を育てる(星の王子さま その3)

おはようございます📚

引き続き『星の王子さま』よりご紹介です。

今回キーとなる登場人物は、「キツネ」です。

「飼いならす」

 旅の途中で出会ったキツネは、王子さまに大事なことを教えます。それは、「飼いならす」=「絆を育てる」ことの大切さです。

 「飼いならす」というのはどこか上から目線ですが、友人や恋人、家族と繋がりを持つことを、キツネはこのように表現します。

 「飼いならす」とは、相手の心の中に飛び込むことであり、そして相手が自分の心の中に介入することを受け入れる勇気なのです。

 王子は旅の途中で、たくさん咲いた「バラ」を見つけます(「バラ」がどのような存在か、は「その2」を参照ください。)。自分の星に咲いたバラが世界の唯一のバラであったと思っていたのでショックを受けます。


 でも、このキツネとの対話で学びます。

幾多のバラの中でも、王子と、その星のバラの二人が築いた関係性が、そのバラを特別な存在にしたのです。

 客観的にみると、おそらくそのバラも他のバラも生物学的には大差はなく、特別なバラではなかったでしょう。

 しかし、王子の思いの中心には、「王子」という主観があり、王子との関係性の中で、そのバラは特別な存在となりました。

 絆とは、このようにゆっくりと育まれるものなのだ、ということに王子が気付きました。

 ここでキツネは詩的な美しい言葉を残します。

「金色の麦畑をこれまでなんとも思っていなかった。でも、あんたに出会ってからは、金色の麦を見てあんたを思い出す。麦畑を吹く風の音が好きになるのさ。」

『星の王子さま』(サン=テグジュペリ 作、内藤 濯 訳)

「根を張る」

 王子は砂漠の中で、とある植物に出逢います。その植物は言いました。

「人間は根がなくて大変だ。」

 人は、自由であることを欲しますが、最終的に求めているのはつながりであり、何かに根を張ることなのです。

 このキツネと植物の場面は、「人と人の絆」についての意味が込められていました、というお話でした。

ではまた!

 次回が最終回です。


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