牛の餌で地球温暖化を抑制する?
こんにちは。
今日は、以前から気になっていた話題を調査しましたので記事にしてみます。
パーパス・ドリブン
「地球温暖化を食い止める」という高い目標に対して身近な牛の餌からアプローチする、という活動をご紹介しますが、ESG投資、SDGsというパーパスを設定し、事業の第一義的目的に掲げる企業は欧州で増加しています。消費者もこれを理解し、企業存続に不可欠な利益追求とパーパスの達成が同じベクトルを向き始めています。
なぜ、牛の餌?
さて、タイトルの話題に戻りましょう。
「風が吹けば桶屋が儲かる」的なタイトルですが、ロジックは単純なのでここで説明します。
牛の胃のなかでは、食べた草を消化します。その際副次的に発生するメタンガスを、「ゲップ」として口から吐き出します(食後の方、すみません)。
さて、問題はそのメタンです。
家畜から出るメタンの量は世界で年間20億トンに上り、温室効果ガス全体の4%にあたるとされています。
メタン(CH4)は、温暖化への影響度はCO2の25倍とも言われており、削減による効果は大きいようです。
※これは、IPCCが発表する地球温暖化係数(GWP)の数値を根拠としており、メタンのGWPは 25t-CO2、 つまり1tのメタンの温暖化の度合いは二酸化炭素25t分に相当する、ということです。
従って、この牛のゲップからメタンガスを減らすことで、二酸化炭素量を同量減らすよりも25倍も温暖化を抑制できるのです。
どうやって減らすの?
①胃のなかの細菌
日本の農研機構は、メタンを発生する牛の胃の中の細菌に着目しました。
牛の個体や種、生育環境によって、メタン含有量が異なることに着目し、メタン含有量が少ない牛の胃に含まれる細菌を特定することで、メタンガスを出しにくい牛を増やそう、と言うアプローチです。
②食事そのもの
スウェーデンの「ボルタ・グリーンテック」社は、「カギケノリ」という海藻を牛の餌に使うことで、胃のなかで発生するメタンガスを9割抑制する効果があるとしています。
また、ゲップではありませんが、お尻から出る排泄物からでるメタンも、餌を改善することで減らすことができることも国の研究機関で明らかにされています。
人間の生活によって排出したCO2の代わりに、牛さんに食事制限をかけることに少しだけ人間のエゴな部分はありますが、効果が高い対策になりそうで期待が持てます。
消費者としては、このような取り組みで育成された牛を積極的に購入する、といった行動で研究機関や企業での開発モチベーションを上げることができます。
(出典)
https://www.nhk.jp/p/ohayou/ts/QLP4RZ8ZY3/blog/bl/pX6P8EQjK4/bp/pjvaOGoWQL/
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