ファストファッションでお洒落になる方法
急に寒くなりましたね。寒くなったといえば、先日
”8割の人はダサい服しか選べない”
みたいな物言いを見つけましてね。僕はある意味背筋が寒くなりまして。
いやいや、そんなことはありません。
だから無難を目指しましょうみたいな流れになるんですが、無難なんて諦めと一緒。目指すもんじゃない。
諦めたらそこで試合終了だよ、ということで、あえてどんな人でも一度は利用しているであろうファストファッションでお洒落になる方法を、プロのスタイリストの視点で順を追って綴ってみたいと思います。
1、そもそもファストファッションとは
おさらいになりますが、ファストファッションとは読んで字のごとくfast fashion=早いファッションということ。
何が早いかと言えば、企画・デザインから生産までが早い。ハイブランドのコレクションが発表された瞬間からトレンドを拾って、本家のブランドが出す前に店頭に並べてしまう。ね、早いでしょう。
それでパク…もといインスパイアを受けすぎ問題が起こったりもするのですが、とにかく早く出すことが信条になっているし、最近では独自性をミックスしたデザインも多く、かなり進化しているなと思わされます。
つまりファストファッションとは、最も早くトレンドを商品化するブランドという認識で間違いない。ZARAやH&M、GUあたりはそのくくりに入れてしまっていいでしょう。
トレンドのデザインを、最速で、低価格で、バリエーション豊かに提供する。
これがファストファッションの定義ではないかと思います。そして、、
2、ユニクロはファストファッションではない
そうなんです、ユニクロはファストファッションではないんです。
これは柳井社長も昔から度々発言しているんですけども
ユニクロの服はいわゆるファストファッションではない。われわれの服は何シーズンも着られる長持ちする服。使い捨ての服は作らない。ー
http://shogyokai.jp/articles/-/128 より引用
という考え方だからですね。実際にどうなのかはユーザーそれぞれの判断に委ねますが、僕自身も何シーズンか着ているものがあるのは事実です。確かに長持ちするものも多い。
ユニクロもフリースの大ヒット以降、しばらくヒットが出なかったりしてトレンドに走った時もありましたが、結果は失敗。そこから学んでベーシック路線とシンプルなデザインを追求し、トレンドはGUに任せるという分業制に落ち着いた経緯があります。
ユニクロはトレンドを追わず、基本全年齢を対象に「ファッションのインフラ」を目指している。都会でも地方でもいつでもどこでも定番品が買え、ユニクロに行けばとりあえず1セット揃う。災害などが起こったときなど非常時にも最低限必要なものは買える。
そういうコンセプトなので、実はファストファッションとは真逆の存在なんですよね。値段でいくとそっちの領域に入るので一括りにされてしまうことが多いけれど、定番品を長く売っていくというお店なんです。もちろん色々と新鮮な仕掛けはしていますけども。
この”ベーシックライン”には、H&Mの上位ラインであるCOSやGAP、バナナリパブリックも入れていいでしょう。コンセプトはそれぞれ異なりますが、トレンドど真ん中というより定番品、独自の路線を行っているという点で共通項を見い出すことが出来ます。
そして、そこから導き出される答えは
3、コーディネートの役割分担を明確にする
いきなりトレンド全開でキメましょう!というのはハードルが高すぎるし、全部ベーシックで!というのもちょっとスパイスが足りない。なので
ベーシックラインで整え、トレンドラインで味付けを加える
というのが最も効果的で無駄のない方法です。
ユニクロやCOSはトレンドに左右されない、長く着られるデザインや素材感のものが多いので、これをIライン(アイライン=縦のライン)に採用してインナーやボトムのテイストを揃えてしまう。
そこに好みのトレンドのアイテムを足して個性を加え、自分自身が楽しめるようにしていく。ここが最大のポイントだと僕は思っています。
というのは、結局
楽しめないと続かない
からです。
何事もそうですけど、例えば仕事や交流のためにゴルフを始めても面白いと思えなかったら上達もしないし続けていこうとはならないですよね。料理やランニングだって何かしらの面白みが見出せなかったら、必ず挫折してしまうはず。
無難を目指したところで面白くないんだから、続かないのは目に見えてる。おそらく無難にすら到達できない人が多いでしょう。ではどうやって楽しめるようにするかがポイントになるわけですが、
4、ファッションが楽しくなるには
一番効果的なのは
褒められること
です。
ファッションの仕事をしていて、お客さまが一番喜ぶ感想が「褒められた」、ガッカリする感想が「誰からも反応がなかった」なんですよ。
やっぱり好意的な反応というのはモチベーションに繋がります。ファッションだってそう。だってというかファッションだからこそ、ですね。
だから、無難じゃダメなんです。
無難じゃ褒められない。褒めようと思えない。相手の立場に立ったとき、わざわざ褒めてあげようと思わないでしょう?狙ってる相手とかじゃなければ。
人は想像を超えてきたときに初めて賞賛しようと思います。予想をちょっとでも超えればいいんです。そのためにはベーシックなものにプラスして、面白みが必要。
SNSだって、頑張って投稿しても全く反応がなかったら続かない。いいねが付くから、そこからコミュニケーションが生まれるから楽しいんです。
ファッションもコミュニケーションツールのひとつ。イベントやパーティーに参加したとき、初対面でもファッションの印象なら触れやすい。僕もジャケットのデザインが面白かったことで会話が盛り上がった経験があります。
せっかくなら「いいね!」「素敵だね!」と言われるようなスタイリングを目指しましょう。成果が出れば必ずもっとお洒落をしたくなります。そのために「ポイント」が必要なんです。
5、具体的にどうすればいいのか
これをやらないと説得力がありませんね。男女に分けて実際に見ていきましょう。参考商品は執筆時点のものです。一番行きやすいと思われるユニクロとZARAを使うことにします。
まず女性の大人カジュアルコーデですが、トップスはこちらのカシミヤニットをチョイス
https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/418675-38 より
(¥8,990)
次いで、ボトムはこのスキニーデニムを
https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/418865-69#thumbnailSelect より(¥3,990)
で、アウターにはZARAからこちらを
(¥13,990)
シューズもZARAからいっちゃいましょう。カジュアルに寄せるならスニーカー。
(¥7,990)
もうちょっとピリッとさせたいときは赤いパンプスもいいですね。
(¥8,990)
これを組み合わせると、、
しめてトータル¥34,960。
Iラインはグレーとネイビーの相性の良い組み合わせで、シルエットはすっきりと。チェック柄のブラウンジャケットの中のブラウンとスニーカーのブラウンをリンクさせてまとめました。
こちらはトータルで¥35,960。あえて足元をレッドで外して、女性らしい艶をプラス。ブラウンとも相性がいいので秋の差し色としても良いですよね。
続いてメンズをグットルッキングガイに。まずはラムウールセーター。
https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/419198-36#thumbnailSelect より
(¥2,990)
ボトムはレギュラーフィットで
https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/418911-65#thumbnailSelect より
(¥3,990)
コートはZARAからワーカージャケットを
(¥11,900)
足元はZARAのスエード風ブーツをチョイス
(¥11,990)
カジュアルにドライビングシューズもアリじゃないでしょうか
(¥11,900)
こんな感じで組み合わせると
全体をツートーンでまとめて落ち着いた印象に。白をポイントにして、若干印象を明るく仕上げました。シューズはシュッとしたデザインでニットのゆったり感を引き締めます。紅葉の時期の徒歩でのお出掛けにはスエード風ブーツで。
文字通りドライブなら足元を変えて。少し暖かい日の装いにもいいですね。どちらも全身トータルで¥30,780。
どうでしょうか。
もちろん好みがあるので正解だとは言いませんが、シンプルラインでベースを揃えてトレンドラインで変化を付けるのは難しくないし、無難以上だって簡単だと思えませんか?お値段も大人の感覚ではリーズナブルと言えると思います。
ベーシックなものにちょっと「ポイント」のあるアイテムを加えてあげるだけで、だいぶ印象が違ってくるはずです。そのポイントにあなたの個性や好みが表れるから、周りの人は「あなたならではの魅力」を感じて反応するわけです。
その反応を受けて、これはOKなんだ、じゃああんなのはどうだろう?という感じで体感しながら学んでいけばいい。センスは今からでも磨けます。
そういえば昔「2番じゃダメなんですか?」なんてすっとぼけた事を言った人が居ましたが、みんな1番を目指したって2番にもなれないんだから、2番じゃダメなんですよ。
じゃあ無難を目指したらどうなるか、言うまでもありません。
そして、このレベルの内容を有料で出し惜しみしてるようなのはどうかと思いますね。実際居るんですけども。いつか殺られるかな。
ファッションは楽しんでこそ。僕は普段それなりのお値段のブランドをご提案することが多いですが、それはつい楽しくなる、テンションの上がるアイテムが多いから。着て気分が上がれば、それが周りにも伝わるものです。
でもいわゆるファストファッションにだって、そういうアイテムはある。その辺りの見極めをお伝えしつつ、ファッションを楽しめる人がひとりでも多く増えることを願って活動しています。もしお力になれるなら、ぜひ。
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