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「Folk Wisdom」 民衆の知恵

技術の進歩、技術の洗練を追い求めることが、本当にプロダクトの価値を高めることに繋がっているのだろうか。

これまで、趣味で本格焼酎の世界に接し、製造現場を覗かせていただき、生産者のお話を聞きながら過ごしてきました。

その結果、改めて思い至ったのは、「新しい潮流に見えながらも、その奥底には、これまで地域で長らく培われた知恵が結びついている」、という意外と当たり前でいて、つい見過ごしてしまう、そんな再認識でした。

右上がりの進歩史観ではなく、”生活史の奥底からスパイラルに立ち上がってくる知恵と当代の知見の融合”とでも言いますか。


昨年(2021年)の3月から6月にかけて、私的なお願いで九州の焼酎蔵2社の商品や企業沿革についてレポートを作成させていただきました。

その編集の際に感じていた”価値の在処”の視点について、ある方のツイートを拝見したことで、とても腑に落ちたのです。

それは環境コンサルタントとして著作もお持ちで、お酒についてもたいへん造詣が深い河島泰斗氏の「酒精強化ワイン」についての発言でした。

「長年続けること、続けてきたこと、その中で地域に最適化してきたこと」を大切にせよ。

そんな想いで、地域で長く培われ、その中で最適化されてきた物作りの知恵を改めて探ってみたい、と居ても立っても居られなくなりました。


その土地を表す「地」という言葉。そこに込められた民衆の知恵。

「地」が頭についた、地に足のついた、地酒、地焼酎、地醤油、地味噌、地豆腐など九州の地域産品について、今に伝わりこれからへと活きる【Folk Wisdom/民衆の知恵】を掘り起こし、再認識すること。そこから、新たな学びを酌み取っていきたいと願っています。


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