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最近良く耳にする【オルタナティブ教育】とは?

現在、世界一周をしながら各国で子育てをしているママさんに『どういう教育法で、家庭ではどのように教育をしているのか?』などを中心にインタビューをしています。
理由としては2つ。
・単純に自分が日本と世界の教育方法の違いに興味があるため
・日本にいるママさんに、世界には色々な教育方法があるということを知ってもらい、子どもたちへ与える機会の選択肢を少しでも増やしたいと思っているため
※以下のYoutubeは、フィリピン・セブ島でお二人のお子様をバイリンガル教育されている女性起業家の子育てストーリーです。

そしてこのようなインタビューを通して『オルタナティブ教育』という教育方法について良く耳にすることが多くなりました。
※オルタナティブ教育とは
公教育などの伝統的な教育とは異なる「もう一つの教育」として注目されている教育方法。

皆さん、モンテッソーリ教育、シュタイナー教育とか聞いたことありませんか?
でも、いまいち違いが良くわからないという方も多いのではないでしょうか?
僕も実際はあまりよく分かってません、、、笑

そこで今回は世界で注目されている世界7大教育の内の特に有名な【4つの教育メソッド】についてまとめてみました。

①モンテッソーリ教育

『 イタリア 』初の女性医師として知られるマリア・モンテッソーリが「子どもの観察」から考案し、既に90年以上の歴史をもち、世界各地で盛んに実践され、教育界に最も大きな影響を与えた教育法の一つとされています。

【目的】
それぞれ発達段階にある子供を援助し、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間に育てる」こと。
日本ではモンテッソーリ=幼児教育というイメージがありますが、決して幼児教育としてだけではないみたいです!
モンテッソーリ教育の考え方では人間として完成するのは24歳頃とされており、それまでの発達段階を4段階に区切っています。

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【特徴】
・自由に個別活動
子どもは、集団で同じことをするのではなく、一人ひとり自分の『※敏感期』の活動に出会えるように、自由に個別活動を行います。自分で自分の活動を選び、自分のリズムで納得行くまで繰り返し活動します。
この活動のことを『※お仕事』と呼んでいるそうです。

※敏感期とは、幼児期において子どもが大人の手を借りず、ひとりで物事をこなしてみたくなる時期。
※お仕事とは、ただ興味のあるお仕事をするのではなく、個々の発達に合わせたものを行う必要がある。
モンテッソーリ独自の教材として知られる「教具」を用いて、日常生活の練習、感覚教育、言語教育、文化教育などを行っていきます。

・子どもの中の自発性を重んじる
どの子どもにもある知的好奇心が自発的に現われるよう、モンテッソーリ教育では子どもに「自由な環境」を提供することを重要視します。

・縦割りクラス
異年齢混合
の縦割りクラスの中で、子ども達はお互いから学び合います。年下の子どもは年上の子どもの活動を見て学び、年上の子は年下の子に世話をすることや教えることで学びます。

〈日本の実施園の数〉
正確に把握されてないみたいですが、首都圏のみでおよそ40園ほど。

※この教育を受けた著名人
将棋界の天才 藤井聡太、Amazon.comの創立者ジェフ・ベゾス、Googleの共同創立者セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、アンネ・フランク、など

②シュタイナー教育

オーストリア生まれの哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した教育方法。1919年『ドイツ』で、初めてシュタイナー教育を導入した学校「自由ヴァルドルフ学校」が設立。「自由ヴァルドルフ学校」は元々、たばこ工場の労働者の子どもたちに教育を提供するための学校だったそうです。

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【目的】
「一人ひとりの個性を尊重し、個人の能力を最大限に引き出す教育法」
根本的な考え方は、自由な生き方ができる人間を育てることで、要するに人間形成が目的であり、学力を上げることが目的ではないとのことです。

【特徴】
・12年一貫教育
12年一貫教育においては、小学校、中学校、高校といった区別がなく、6~18歳は一貫教育のカリキュラムに基づいて授業が行われている。校舎も12年間同じ。学校によっては、幼稚園・保育園の3年間の幼児教育に加えて、計15年間の一貫教育を実践している施設もあります。

・教科書を一切使わない授業
シュタイナー教育で最も特徴的なのが、このエポック授業。ただ授業を行うのではなく、まず子どもたちは、体を動かしてウォームアップしたり、心の準備を整えます。その後、毎朝100分前後の時間を使って、国語や算数、社会などの教科を3~4週間続けて学びます。授業では、教科書は使用しません。

・自然との関わりを大切にする
他者からの制約を受けず、のびのびと成長することを大切にしているシュタイナー教育では、日々、自然に触れ合うことで、子どもたちの情操を育てています。

〈日本の実施園の数〉
全日制のシュタイナー学校が7校、37の幼児教育施設。

※この教育を受けた著名人
斉藤工、ミヒャエル・エンデ(作家)など

では、モンテッソーリ教育とシュタイナー教育は何が違うのか?
どちらの教育も「自由」を重視していることは一緒のような気がするけど、、、
モンテッソーリ教育は「子どもが自分を教育する環境」を用意する一方、シュタイナー教育は「子どもを学校でどう教育するか」に着目しているという点が大きな違いかなと思います。

③イエナ・プラン教育

1924年、ドイツのイエナ大学でペーター・ペーターゼン教授によって始められ、『オランダ』で普及しました。

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【目的】
「子どもが互いに一人ひとりの個性を尊重し合い、共生心を養う教育」
学校を「子ども・教員・保護者を内包する一つの共同体」として捉えます。教員が養育の専門家としての役割を果たすことはもちろんですが、保護者にも様々な場面で介在してもらい、養育の一部を支援を受けます。また、イエナプラン教育は、学校を家庭的な環境として捉えます。

【特徴】
・リビングルームとしての教室
リビングルームは、くつろげるといったイメージではなく、生徒と先生で創り上げていく学びやすい環境のことを指す。
読書コーナーやPCコーナー、作業用・指導用テーブルなどの配置を考えながら、生徒と教員で内装を整えていくみたいです。

・「会話・遊び・学習・催し」からなる4つの基本活動
科目ではなく、これら4つの活動を循環する時間割を策定。
①会話(サークル対話)
環状になって話し合うこと。内容は自由形式のものや、グループリーダーからテーマが与えられて話合うこと、その他、何かの報告会や朗読会のような形式のサークル対話などがある。
②遊び
子どもが音楽に合わせて体を動かして感情を表現したり、演劇づくりなどを行う活動。お互いにお互いを必要とすることを学ぶことが目的。
③学習(仕事)
課題を意識してそれを達成するための活動で、ブロックアワーとインストラクションの2つの形式がある。
ブロックアワーは、子どもたちが自分ひとりで自立して仕事に取り組む自立学習。
インストラクションは、教員(グループリーダー)などから学ぶ共同学習。
④催し
一般的な祝祭のほか、学校での特別な行事、子どもやグループリーダー(教員)の誕生日会、ミニ学芸会などがある。

・静かな学びの場
子どもが静かに黙って問題と向き合う時間を充分に持つことを重視している。基本行動の学習方法の1つ、ブロックアワー(自立学習)の時間では、友達や先生にすぐに答えを求めず、答えのない問題とうまく付き合いながら探求心を養っている。

〈日本の実施園の数〉
※2022年4月に、広島県福山市がイエナプラン教育校の設置を予定していることを発表。

④レッジョ・エミリア教育

最近、日本でも注目度が上がっているのがレッジョ・エミリア教育です。
アメリカのグーグルやディズニーの幼稚園でもレッジョ・エミリア教育を取り入れています。
第二次世界大戦後に【イタリア】にあるレッジョ・エミリアという小さな町の名前であり、この町で生まれた教育方法で、よくある「○○教育法」とは少し違う種類のもので、教育者としての理念や哲学であると言われています。

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【目的】
「こども一人一人の意思、個性を尊重し、伸ばす」
子供たちはそれぞれ持ち合わせた個性や能力があります。
もちろん違いも生まれますが、それらを大人たちが認めて尊重しながら感性を育てていくことが基本となります。

【特徴】
大切な理念のポイントが3つ。
・社会性
「プロジェクト活動」と呼ばれる活動があり、1つのテーマを、数カ月~1年といった長期間かけて行う活動。
例えば、発表会があれば、子どもが主体の話し合いで、内容を決めていきます。このプロジェクト活動によって、自主性と協調性を育むことができます。
・時間
カリキュラムや時間割がありません。
子どもたちがリアルタイムで興味を持っていることや疑問に思っていることを、プロジェクトとして自由に取り組むことができる。全て子どもたちのタイミングで過ごすことができる。
そのため、教師が子どもたちに「早くしなさい!」「急いで!」という言葉を使う場面は一切ありません。
・権利
「子どもは権利の主体」と述べられています。子どもたちにはたくさんの権利があるとのこと。それは、自分で試してみる権利、間違う権利、質問をする権利、答えを想像する権利、一人でいる権利や、みんなが一緒にやっていることに参加しない権利など。
この権利を認めてあげることが子どもを尊重するということであり、このことこそがレッジョ・エミリア教育の最大の理念だということでした。

・創造性を育む開かれた環境
広場や各クラスの教室アトリエ、温室、ランチの部屋、お昼寝の部屋、キッチンなどがありますが、壁が一切ありません。

・ドキュメンテーションで記録される環境
「ドキュメンテーション」と呼ばれる、子どもたちの毎日を記録したものがあります。友達や先生との会話や質問など、何を不思議に思ってどう解決したのかということを、教師が細かくメモをしたり、動画をとったりして記録しているです。それを子どもたち本人や親が理解できるように整理され、まとめられるのです。

〈日本の実施園の数〉
全国に14の施設

他にも、ドルトンプラン教育、サドベリー教育、フレネ教育の3つを合わせて世界7大教育といわれています。

・まとめ

多分これを読んだとしても、「結局のところどれが良いんんですか?」「何が違うんですか?」「どれを選ぶのが正解ですか?」と。思う方が沢山いると思います。
どの教育法も「頭がよくなる」といった効果を狙ったものではまったくない、ということははっきりしており、視点が違う。
だから比べようがないのかな、と思っていて、実際にお子さんと一緒に学校に見学しにいって、お子さんがどの環境を好むのか、一緒に考えて決めるのが良いと思います!

以下『世界7大教育法に学ぶ才能あふれる子の育て方 最高の教科書』にまとまっているため興味がある人は是非。

これからも世界一周をしながら、色々な教育法についてもアウトプットができればと思っておりますので、是非Youtubeのチャンネル登録もお願いします!

以上

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