見出し画像

女の恋は上書き保存、男の恋は名前を付けて保存 36

 待ち合わせの時間に少し遅れると連絡すると、直接いっているね と連絡がきた、大学時代の友人たちに誘われて、たまには歌舞伎でもみない?と言われてはみたもの、その公演をネットで調べると、あまり好きな役者が出ていない演目であることに気づいた。けれどもせっかくの誘いなので行ってみることにした。

歌舞伎は久しぶりだったので、着物でいこうと思い、張り切って朝から準備をした、以前は着物で出かけるときは、髪型を整えるのに前日からサロンへ行ったりしていたが、由香にすすめられて髪を短くして以来髪を整えるのが随分と楽にになった、けれども少し着付けに手間取り、実家の母親へ電話して教えてもらったりしているうちに遅くなってしまった。途中由香が着物で散らかった部屋に入ってきて、珍しそうに、着物や帯を見ている、触らないでよと理佐が言うと、成人式はこれ貸してねと言って出て行った。
エレベーターで地下の駐車場のボタンを押してから、今日は着物だというに気づく、あわてて1Fのボタンを押しなおす。
あまり時間がないし、着物だし、タクシーで行こうと思い、表通りまで出た、幸いすぐにタクシーは捕まった、乗っている最中も、後帯が気になり、少し肩が凝ってきた。

   歌舞伎座のまえで車を降りて、信号を渡る、ロビーに入って少し見回すと、すぐに彼女たちが見つかった、近寄って声をかけると、あら、あなたも着物なのと誰かが、理佐の姿を見ていう、見ると他にも着物で来てる人がいた。
ふと見ると友里恵も来ていた、この前はありがとうと、友里恵の方から声をかけられた、私も着物でくればよかったというと、良い柄だわと理佐の着物の袖を手に取って見ていた。
観劇中も理佐は、帯が気になって仕方なかった。


:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

今夜も、最後まで、お読みいただきありがとうございました。


物語は、後半へ進んでいきます・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?