映画の台詞②シン・ウルトラマン
映画の台詞から人間のおかしみや豊かさを読み解くこのシリーズ
第二回は、日本が誇る特撮映画ウルトラマンシリーズより
『シン・ウルトラマン』
を取り上げます!!
作品の演出を巡っては賛否両論ありますが、それについては作品をご覧になった際に各々がご判断いただきたいです
画像はBANDAIのウルトラマンおもちゃウェブよりお借りしましたメフィラス星人のソフビです(税込2,200円)
映画鑑賞が好きな高知のおばちゃんが、印象に残った台詞三つをピックアップしました
今回は、人間や 人に似て非なるもの について考察します
ほんのりネタバレがありますから、事前に映画の内容を知りたくないかたは、ここでさようならしましょう👋
私の好きな言葉です
この台詞は、かなり使い所がたくさんあり、コミカルな演出にも一役買っていました
私が特に好きだったのは、メフィラス星人(山本耕史さん)がウルトラマンや人間達にマウント取っている場面で、ダメ押しとして言い残していくやつですね(笑)
山本耕史さんの憎たらしい表情と相まって、非常に印象に残る名台詞となっています
ただ、私達が日常生活で使う時は要注意です!
まだまだ日本は「私の好き」より「周り人の好きを知ろうとする」ことのほうを徳とする社会だと思うからです
私の好きな…と、聞かれてもないのに声に出してしまえば、周りの人は知らんがな(苛)と心の中でつぶやいているかもしれません
日本語として間違っていない表現であっても、使う相手やタイミングが大切であることがメフィラス星人から学べます
この台詞の変化球もあります
「私の苦手な言葉です。」
ウルトラマンに追い詰められたメフィラスから思わず漏れ出た台詞としても使われています
文字にしたら、どちらもほんとーに味気ない台詞なんですよね
なんでもないこの台詞が鑑賞者の脳内に刷り込まれていくのは、山本耕史さんのクセ強すぎな台詞回しの成せる技でしょう
彼の存在感がこの作品には欠かせません!!
あなたのコーヒーも着ている服も
見知らぬ誰かのおかげなの
長澤まさみさん演じる浅見さんが、鑑賞者に伝えてくれている大事なメッセージです
コーヒーを台詞に入れたことが、より目の前にいない誰かの生活に目を向けさせているように思いました
私もやっと、世界中の貧困率の高い国でのコーヒー栽培に従事している人達の労働の対価に目を向けるようになりました(ここ数年くらいのことでしょうか)
カフェイン中毒気味な私がコーヒーを買う時に出来ることはフェアトレードの豆を選ぶことぐらいですが、それすらネット上のリアリティある情報を得るまでは意識することがありませんでした
あえて狭間にいるからこそ見える事もある
主人公ウルトラマンを演じている斎藤工さんが発する台詞です
人間と宇宙人の融合体であるウルトラマンが、人間を守る為に死を覚悟するシーンに胸が熱くなります
報われるかどうかは、もはや問題ではないのでしょう
私は「狭間」という言葉が、時代を反映しているように感じました
生と死
男と女
日本人と外国人
大人と子ども
リアルな人と作りものの人形やロボット
生身の役者とアバター
1980年代〜1990年代は、これらが明確に分けられた社会だったように記憶しています(区別されることが正しいという意味ではなく)
2020年代は、〜らしくとか、〜として、という視点で物事を考えることが、むしろ人間としての進化の足枷になるのではないかと思ったり…
人間が、自分も含めて人間を理解しがたいと感ずることが少なくない現代には、ウルトラマンやメフィラス星人のような超人でなくてもいいから、人に似て非なるものの存在が必要なのかもしれません
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