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Nurse With Wound ナース・ウィズ・ウーンド

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Nurse With Wound関連。『ナース・ウィズ・ウーンド評伝 パンク育ちのシュルレアリスト・ミュージック』(DU BOOKS)と併せてお読みください。 https://d… もっと読む
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#ノイズ

Nurse With Wound 2020年以降のリリース

Nurse With Wound 2020年以降のリリース

全体的に研究記事の更新が滞っているので、息継ぎ代わりのNurse With Wound情報を。COVID-19のパンデミックと北半球的な政情不安が深刻化しようとも不断の創作を続けているスティーヴン・ステイプルトンだが、その欲望のアウトプットには作り手の意思が(これまでと同じように)希薄である。ほぼ毎日生み出されているであろうそれらは、過去作の再発盤や超限定アイテム用のアートワークとしてお披露目され

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Nurse With Wound サンプリングあれ、これ

Nurse With Wound サンプリングあれ、これ

 ※(2023年12月大幅に加筆修正)

Nurse With Wound(以下NWW)の音楽とアートワークが複雑怪奇極まるところは少しでもカタログを眺めてみればおわかりの通り。しかし、長く接した上でそれらを並べてみると、今度は作品間を繋ぐ共通項というか、NWWを成立させる不文律のようなものが見つけられる。ナンセンスというセンス、あるいはユーモアとも呼べるそれはNWW世界にとっての整合性を担保する

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Nurse With Woundのある曲でドラムンベースが使われているのはなぜなのか

Nurse With Woundのある曲でドラムンベースが使われているのはなぜなのか

Nurse With Woundヒストリー(仮)に収録されるエピソードから部分的に抜粋するコーナー⓶

2006年に発表されたNurse With Wound『Rat Tapes One』は、1983年から2006年までに「廃棄」された音楽の残骸をパッケージしたアルバムだった。いわばお蔵入り音源集なのだが、ここに1曲、古くからのリスナーを混乱させるものがある。

NWWにしては珍しいどころか過去に

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Nurse With Woundはなぜ実在の酪農企業からレーベル名をとったのか

Nurse With Woundはなぜ実在の酪農企業からレーベル名をとったのか

近刊予定のNurse With Woundヒストリー(仮)に収録されるエピソードを部分的に抜粋するコーナーです。

Nurse With Woundが公式にデビューしたのは、アルバム『Chance Meeting On A Dissecting Table Of A Sewing Machine And An Umbrella』をリリースした1979年6月のこと。録音は78年9月で、リリースまで半

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