漫画家の夢を諦めたことで、自分はコンテンツを作るタイプの人間じゃなかったと骨身に沁みたのに、またコンテンツ作りをやろうとしている件

2022年も終わります。
私は毎年年末に、次の年の会社の目標を立てています。
大きな野望をブチ上げるのではなく、「この分野の仕事を新たに取っていきたい」とか「この仕事を大きくして、スタッフを1名追加したい」とか、とてもささやかで微笑ましいものですが、しっかりプリントアウトして、デスクのモニターの横の棚にこっそり置いてあります。

今年はよい年だったと思います。
取引先はどんどん増えていき、色々出入りがあり年初の1月は1名だけだった従業員も、12月現在5名まで増えました。
年初に立てた目標以上の成果を得られたといえます。
そんな私が立てる目標に、毎年一つだけ同じものが入りつづけています。

「コンテンツビジネスに手を出さない」

これは、毎年目標に入っています。目標というか、戒めです。
入曽デザインは、クライアントワークがメインの仕事です。
しかしそればかりをやっていると、むくむくと「コンテンツを作る事業をやりたい」という気持ちが湧き上がってきてしまうのです。
なんでもいいのです、Web漫画でも、ブログでも、Youtubeでも、何かコンテンツを作ってお金にできないかな?という考えがどうしても頭をもたげてきてしまうのです。

特に今年は、入曽デザインでチャンネル運営を請け負っていて自分も出演しているK's歯科チャンネルが、ついに収益化したこともコンテンツビジネスへの欲求に火をつける一因になっています(ちなみにK's歯科チャンネルは仕事として運営や出演を請け負っているので、これは自分にとってのコンテンツビジネスではありません)。

そもそも自分がコンテンツを作るのに向いている人間ではないことは、自分が一番理解しています。
どう向いていないかということを説明するために、noteの一番最初に「二十代前半で漫画家を目指し、三十代後半で諦めた話」という記事をアップしました。

私自身、過去に漫画家を目指していた時期に、幾人かの成功した漫画家さんに会っていて、直接話を聞いたことがあります。また担当の編集者から「あの先生は、こうやって制作に取り組んでいるよ」という話も聞いてきました。
そこで決定的に自分と違うと痛感したのは、「情熱を燃やしつづける力」です。それは瞬間的なものではなく、最高出力でたえず燃やしつづけるということです。彼らは、圧倒的な想像力や発想力を持っていることはもちろんですが、24時間365日たえず漫画のことを考えつづけ、寝ている時ですら情熱を燃やしつづけて生きているように見えました。
逆にいえばそのような常人離れした人間でないと、多くの人の心を動かすような素晴らしい作品は作れないのだろうなとも感じました。

それに比べれば、自分は悲しいくらい凡人です。
漫画を作ることに限らず、何に対しても情熱を注ぎ続けることなど到底できません。
週5がんばったら土日は何も考えず休みたいですし、仕事も同じことをしているとすぐに飽きてしまいます。趣味だって3年以上熱くなり続けたことはありません。
漫画家を目指すことを惰性で十数年つづけて諦めた結果、自分という人間は何かひとつのことに燃えるような情熱を持ちつづけられる人間ではないと、痛感しました(ただこれは悪いことばかりではなく、この私の凡人性がゆえに、入曽デザインという会社の経営がそれなりに上手くいっていると思うのです。その話はまた別で)。

とにかく、そんな人間が瞬間的にやる気になって、何かコンテンツを作ろうと思っても、薄っぺらい表層的なものしか生み出せず、しかも継続できないでしょう。コンテンツビジネスなど普通にがんばっても難しい事業なのだから、私がやるということは「ただゴミを作り出しただけ」という結果になるのです。
入曽デザインの前身の個人事業主時代には、事業としてコンテンツを作ろうとして尻すぼみになって失敗したものは数えきれないほどあります。
とにくかく自分は、コンテンツビジネス(=コンテンツづくり)に向いていません。
でも同時に漫画家を十数年目指していた人間です。心の中に「コンテンツを作る側の人間になりたい」という自意識だけは強く残っているのです。
だからこそ、自分を戒める意味で

「コンテンツビジネスに手を出さない」

ということを毎年の目標に入れつづけています。

こうして今noteで文章を書くこと自体は、「=コンテンツビジネス」ではないです。ただ個人的に思いのたけを文字に起こしているだけです。
……と、自分で言い訳をしていますが、たぶんまたコンテンツビジネスをやりたい病が発症しているのだと思います。
でも自分でそれを禁止しているから、こうやって言い訳のようなnoteを始めたのでしょう。

また飽きて、更新が止まって恥ずかしくなって消してしまうのか?
つづけることができて、何か転がっていくのか?
自分では分かりません。
せっかく始めたので、少しは続けていきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?