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ライター業の闇 誰も書かない「お金の話」

ライターは一体いくら稼げるのか?
原稿料は媒体や書き手のランクなどによって、さまざま。例えば、雑誌なら1ページ5000〜5万円くらい。中には0円という媒体もあります(絶対書きたくないw)。

私は「打席に立つことが大事」「来た球は何でも振ってみる」が信条でしたが、安い仕事は受けない方がいいかな、と思い始めています。というのも、冷静に考えると、労力もお金も見合わないんです。

例えば、イベント取材の速報記事で、税込み1万円の仕事を引き受けたとしましょう。

イベントは30分だと仮定し、文字量は1000〜1200文字程度。執筆所要時間は30〜40分くらい。こうしてみると、実労働約1時間ちょっとなので時給1万円か!と驚くかもしれませんが、実際はそうではありません。

まず現場までの移動時間があります。こうした仕事の多くはカメラマンも兼務。いい位置でカメラを撮るには受付時間前には現地に到着する必要があります。おおむね、受付時間は開始の30分〜1時間前でしょうか。

移動時間や到着時間は人によって違いますが、千葉在住の私の場合、少なくとも往復2時間半以上(平均3時間程度)はかかります。取材の受付時間を考えると、少なくとも4時間以上はロス。結果、1つの取材に4時間半くらいは費やすことになります。

仮に、この仕事が交通費なし、とします。交通費は往復1500円。さらには、すぐに原稿を打って、送らないといけないので、カフェに入ります。コーヒー代は350〜700円程度の出費です。

1万円−交通費1500円−喫茶代500円=8000円
ここから源泉徴収税が10%くらい引かれるので、手取りは7200円程度。仮に実働4・5時間だとすれば、時給1600円くらいになるでしょうか。

今回は1万円としましたが、実際にはもっと安い原稿料で、交通費なしの仕事はたくさんあります。ライターは福利厚生、社会保険料も自分でなんとかしないといけないので、月トータルの収支はもっと低いはず。

実際には、私はこんな働き方はしていませんが、今の相場感から推察するに、こういう働き方をしているライターさんは少なくないはずです。

私を含むライターは基本的にお金のやりくりには疎い人が多く、弱い立場の個人事業主ばかりですから、「こんな安い原稿料じゃやってやれないぜ!」と声高に言うわけにもいかないんです。しかも、インフレになっても、報酬はあがらない。ライターのみなさんんはほぼ“やりがい”だけで乗り切っているんじゃないかな。

年始から、景気の悪い話でゴメンナサイですが、ライター業は最も時給の低い職業になっているように思えます。この現状を打破する仕組みを作れないか。それには個人ではなく、団結が大事。そんなことを思う労働組合の元書記長です。



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