地方移住リモートワーカーになってから一ヶ月経ったので簡単にまとめる
はじめに
・もともとは、東京都中野区に在住。2018年9月に、新潟県新潟市(ほぼ東京と変わらない都会)に移住。
・移住のタイミングで、週5日電車通勤のオフィス労働者を辞めて、フルリモート×フルフレックスの職場に転職。
・収入は都内のオフィス労働者時代と比較して(転職により)若干増。支出は家賃が半減したことで大幅減。
・引越し先は賃貸物件で、築浅2LDK鉄骨。オートロックや追い焚きなど、一通り揃っている。
移住前に想定していたライフスタイル
・もともと都内に居た頃から、ほとんどの買い物をAmazon、ZOZOTOWN、ローソンフレッシュなどのECサイトで済ませていたので、日常生活に変化はないはず。
・都内と比べて公共交通機関が動いている時間帯や頻度は落ちるが、出勤する必要がないので気にならないはず。自宅から駅前への主な交通手段は自転車で、バスや電車は日常使いではなく、イベントごとの位置づけになる。
・予めGoogleMapで移住先を調べまわったが、中野区よりも自分が求めている施設(おもに、カフェ、ファストフード、チェーンレストラン、総合デパート、深夜バス停留所、新幹線、空港の類)が多いことがわかった。新宿や渋谷までとはいかなくていいが、せめて中野よりは選択肢の多い余暇が送れることを願った。
・予め下見をした際に、平日のランチタイムや夜でも、ほとんどの店の席が空いていることに気付く。全体的に席数が多い。なので、自転車でいろんなカフェとかにいって、そこでランチでもしながら仕事をする日々をイメージしてワクワクしていた。
・たまに都内に用事があるときは、深夜高速バスで2千円ちょいで東京駅に行けるし、新幹線を使えば2時間以内に行ける。そこまで困ることはないが、たとえば誰かに飲みに誘われたときに「高いお金をかけて飲みたいか」と、重い腰を上げるような意思決定をすることになるだろうな、というところを気にしていた。
実際にやってみて、やはり想像通りだったこと
・買い物は概ね予想通り。基本ECで済ませている。ガジェット系や書籍はAmazon。服はZOZOTOWNのおまかせ定期便。食材はイトーヨーカドーネットスーパー。ちょっとコンビニや自販機に行くくらいしか生活品を調達する目的で外に出なくて良い。
・想像通り、ほとんど電車やバスに乗らない日々が続いている。都内だと7分に一本着いていたものが、15分とか30分といった間隔になっているが、オフィスワーカー時代と違って急ぐ理由がないので、気にならない。
・想像通り、駅前で何かを食べたり、ちょっと腰を下ろすときに店の充実具合に困ったことは一度もない。そもそも、六本木で働いていた時でも毎日、すき家とコンビニにしか行かなかったくらい食にはこだわりがないので、駅前でMacBookを開いて滞在できる空間があればなんでも良かったりする。とはいえ、和洋中一通り揃っていて、駅に行く度に食べるものを変えていてもしばらくは飽きなさそう。
・想像通り、あらゆる店が混んでない。都内に居た頃には、ちょっとカフェに立ち入るときにはまず席の空きを確認していた。新宿や渋谷らへんにもなると、2、3店舗くらいハシゴするのは当然だった。運良く座れても、MacBookで長時間在席するのを良くおもってないような店員や客やシステムや雰囲気が周囲を包み込んでいた。今ではそんなことはまるで気にしなくていい。丸亀製麺一つとっても席数が都内の平均的な店舗の3倍くらいはある。立ち食い蕎麦屋ですらMacBookを開けるのではないかと思うほどだ。年に一度の花火大会の日でもない限り、混雑については永遠に気にしなくて良さそうだ。
実際にやってみて、想像より良かったところ
・これは地方移住というより新潟の話かもしれないが、全体的に中野に居た頃より、民度が高いと感じている。街にゴミはほとんどない。信号の無い横断歩道で、車が当たり前のように歩行者優先で止まってくれる。たまにスポーツバーの店内から笑い声が聞こたりもするが、それがバーの店内から聞こえているということがわかるくらい外側は静かだ。店員や受付の接客態度が全体的に良い。なんというか、待ち列などが無いので、焦らずゆっくりやってくれているという感覚がある。
・駅前や近所などにある100円ショップや、家電量販店が、どれも都内と比べて店舗が大きい。それに比例して品揃えが充実していることが多い。そのため、ちょっとしたDIYグッズなどは、想定していたECオンリーではなく、ちょくちょく現地調達している。現地店舗への信頼は、何故か都内にいたときよりも上がった。
・駅前は、若い人(学生)が想像以上に多い。中野区に住んでいた頃は、駅前に行ってもジジババばっかりだったので、なんとなく以前より街中がフレッシュな空気に満たされていると感じる。加えて、原宿や渋谷を歩いている層と比べると、自然な感じというか、イキってないので安心する。
・ゴミ捨てのルールが明確で助かる。中野に居たころは、一つの一つのユースケースに対してどうすべきかが曖昧なことが多かったので、正直適当にやっていた。新潟は、ゴミ捨て専用のスマホアプリがあって、何をどう処理していつ捨てればいいのかわかる。ご丁寧に種類別の専用ゴミ袋すら存在する。例えば、アプリで「べる」と入力すると、「革のベルト」がサジェストされ、それが「燃えるゴミ」であり、今月の何日に捨てればいいのかが出てくる。ここまで真摯にユーザーに向き合ってくれると、こっちもちゃんと分別をする気が湧いてくる。
・あまり多くは語れないが、政治あるいは宗教的にヤバい人が少なそうではある。僕の地元の川崎は、隣の家の人が熱心な○○学会の信者で、家の前に○○党のポスターが貼られまくっていて、景観的にもメンタル的にもよろしくなかった。中野もちょいちょい駅前に反政府演説をしにくる政治家が居て、ジジババが拍手をしていて嫌な気分になったこともある。家のポストに世界の終焉がなんとかとかいうチラシが入っていたこともある。渋谷で働いていたときは、ランチ中に街宣車がガンガン音を鳴らしながら念仏を唱えはじめたことがあって驚いた。ここは政治思想的にどうなのかは知らないが、少なくとも今のところ、へんな人を見かけていないので助かる。
・完全無料で23時まで空いているコワーキングスペースが駅前にあることに気づいた。しかもかなりオシャレで、他の店と比べてやや人気があるが、座れなかったことがない。渋谷でこんなことをやろうものなら2人席のテーブルに5人くらいで詰めかける輩がいそうだが、ここは新潟だ。席と滞在時間にお金を払うという都心の基本的な概念を根本から覆してくる。
実際にやってみて、想像より良くないかもしれないところ
・引っ越しの時に不動産仲介業者の方とやりとりをしていて思ったが、新潟県民が、東京より自分たちが下だと思い込み過ぎていると感じる。新潟駅の街並みは、中野やら高円寺やらと比べれば近代的だと思う。池袋くらいまでとは一長一短な感じで戦えている気がする。六本木の森ビルの期間限定の芸術イベントのような体験を、東京都民なら毎日どこにいても享受できていると思いこんでいるような気がした。ほとんどの東京都民は、家と会社の往復をしていて、よく見る芸術は満員電車のつり革広告くらいなものだ。実際に、花火大会の日に東京から大量の人が新潟駅に押し寄せてきた日があったが、キャリーバックを引きずりながら「えー、東京と全然かわんないじゃん!っていうかうちの地元より都会っぽい。」と言っている人がいた。さすがに汐留のようなエリート高層ビル感や、原宿のような最先端キャピキャピ感は無いにしろ、中野区に5年以上居た身としては、新潟駅前は中野駅前より近代的だと確信できる。
・想像では、もう少し都内へのアクセスが求められるようなイベントごとに関わり、その度に困るイメージがあった。実際は、思ったよりも全然困らなかった。この一ヶ月、都内への用事は、一度だけ歯医者の治療の残りにいったきりだ。つまり、会いたい人間関係も、都内に行く用事も、僕には全然ないことがわかった。思い返せば、都内に住んでいた頃から、頻繁に人と出かける人間ではなかったとも思う。それに気づいたことが良いことなのかどうなのかと考えると、なんだか良くない気がする。
・想像よりも、家から出る回数が少ない。当初は、自転車に乗って毎日のように外出して、カフェめぐりをするつもりだった。しかし、僕は「オシャレな生き方をしたい」程度の理由だけで、わざわざ着替えて、MacBookをケースにしまい、カバンを背負う人間ではないということがわかった。加えて、中野に居たときより家が広いし、眺めも良いので、より完璧なマイルームが構築できてしまった。結果として、丸一週間、一歩も外に出なかったりもする。これは今後、どうにかしないといけない気はしている。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?