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自分は脇役。主役はあなた。

 今日、誕生日を迎えました。40歳を過ぎてからもう何歳とかあんまり意識しないようになりました。ありがたいことにカメラマンの仕事はずっと忙しく、子育てもあり、自分の人生を振り返る暇もなく毎日があっという間に過ぎていきました。ひとつひとつの撮影と向き合い、「その日のベスト」を撮ることだけを心掛けてきました。相手が有名人でも一般の人でもそこは変わりません。その人が写真を撮られるのが苦手で10枚撮って1枚のベストが撮れなければ、更に一生懸命100枚撮り、そこに活路を見出してきました。

 2019年9月セドナを仲間と旅行した時に、仲間とたくさんの会話を重ねひとつのテーマを見つけ出しました。

「自分は脇役、主役はあなた」

 2020年はこのテーマで生きていこうと決めました。カメラマンになって14年が過ぎました。2019年に一人でやってきた写真の旅の終着点を感じる出来事がありました。年が明けて、お金とか仕事とか関係なしに新しいチャレンジをはじめました。僕が好きな誰かと誰かを繋げる事でそこからどんどん新しい繋がりが生まれてきました。主役は繋がった人たち。僕はあくまで脇役。新しい冒険のはじまりです。

 そして、4月に入り、コロナで撮影も自粛になり45日間家に引き篭もりました。これはチャンスだと思い、ずっとやりたかった仕事部屋の大掃除をしました。自分の仕事を振り返り、未来を考えるには充分な時間がありました。

 その期間に新しい種類の撮影の依頼がありました。きっかけは年が明けてからはじめた新しいチャレンジからのご縁でした。あるダンサーさんのプロモーションビデオとこれから女優としてチャレンジをするための写真を撮るという仕事です。会った事のないマネージャーさんとダンサーさんと自粛期間中にzoomで何度も打ち合わせをしました。こんなに自分主導で撮影の段取りをしていくこともこれまでほとんどありませんでした。撮影はこれからですが、きっと良いものを作れると思います。

 そして、今はモデルになりたいという女性の応援もはじめました。先週、初めてテスト撮影をしました。僕はいつも通り「その日のベスト」を撮りました。でも僕が主役ならそれでいいのですが、その人が主役なら僕が撮った写真でたとえ運良く次のステップに繋がってもたぶんモデルとして続けていくのは難しい。なぜなら僕が撮った写真のセレクト段階であまりにもNGカットが多かったからです。

 だから、今後の課題を設定しました。彼女がそれをひとつひとつクリアしていけばいい。10枚撮って1枚のOKカットではなく、10枚撮ったら9枚のOKカットをカメラマンに撮らせる事が出来るモデルになったら最高です。そうなったらきっとモデルとして生きていけるはずと思うのです。

 そして同時にその人自身の成長と同じくらい大事なその人をどう営業していくかという事も考えました。幸い僕には仕事で出会った20代の素敵な人たちがいる。若い人から学ぶ事は沢山あります。相談すると沢山の生きているアドバイスをもらえました。スタイリストやヘアメイク、そして若いカメラマンなど周りの仲間に声をかけてチームもつくり、少しづつ動きはじめました。同時にここで自分も含めてみんなが成長できる環境が出来たら最高です。

 noteをはじめたことで自分の生き方や仕事を振り返る機会をもらえました。15年前、自分がカメラマンになるためにチャレンジした設定を今は自分ではない人にやっている。その人にどれぐらいの覚悟があってどこまでやれるのかは正直わかりません。すぐにうまくいかず終わっちゃうかもしれません。でもこのチャレンジは成功や失敗ではないところに価値があるのです。人生は挑戦と失敗の連続です。

 自分が動く事で自分の人生も動いていく。動いたことでいま自分が変化している事を実感しています。それが面白いしワクワクします。そして、当たり前だけどこれからもひとつひとつの撮影を大事に生きていきます。

 今日も昔の仕事の知り合いから紹介いただき、俳優さんのアーティスト写真を撮影させていただきました。いつものように今日のベストを尽くして良い写真が撮れたと思います。そしてその俳優さんが僕が30歳だった頃の話を話しているnoteの音声配信を聞いていてくれて、「今の自分と重ねて聞いちゃいました。頑張ろうって思いました。」と言ってくれました。もはやこの言葉が今年の僕の誕生日プレゼントのようなものです。noteやってマジで良かったなと思った瞬間です。

 出会って関わってくれたみなさまに感謝。40代が一番楽しいです。

 そんなことを誕生日の日に思いました。

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