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デジタル時代の完璧な失踪は可能か:「VANISH 自己消失リアルゲーム」ノンフィクション読書感想

 ノンフィクション「VANISH 自己消失 デジタル時代に「完璧な失踪」は可能か(WIRED Single Stories 013)」を読みました。

 前作、「GONE 行方不明 自分を消し去る失踪者たち(WIRED Single Stories 012)」では故意に失踪した現代の人たちについて、実際に起こった事件などが特集されていました。

 しかし、今作ではそれらを受けて「WIRED」が故意に失踪した人を探すリアルゲームを企画し実行した記事でした。1か月間逃げ切れば失踪者(逃走者)の勝ち。失踪者(逃走者)を見つければ読者の勝ちで賞金がもらえます。
 失踪者(逃走者)と追跡者(読者)、両方の視点から描かれる1か月。まるでエンタメ小説を読んでいるかのようでした。
 技術的には逃げ切れるのか。けれど、人間はこれまで生きてきた自分を本当に捨てきれるのか。警戒心は自分の身を守るのか、それとも滅ぼすのか。
 最後のオチは伏せますが、人間は社会的な生き物だということを痛感させられます。社会から自分の存在を消すという極限の状態から、普段の自分自身がとる行動についても考えさせられました。

 海外版『WIRED』のアーカイブから、未邦訳の傑作記事をお届けするeBook限定のシリーズ「WIRED シングル・ストーリーズ」
あらすじ📌
2009年8月、ジャーナリストのエヴァン・ラトリフは、自らのアイデンティティを隠蔽し1カ月の間、行方をくらますことにした。その首には5,000ドルの賞金がかけられた。『WIRED』の呼びかけに応じ、全米各地の一般人がラトリフを捕縛すべく動きだす。IPアドレス、ATM、クレジットカード……デジタル空間を飛び交う個人情報から、失踪者の居場所を次々と突き止める追跡者。彼らをまくためにラトリフが仕掛ける数々の偽装工作。ラトリフは1カ月逃げおおせられるのか? デジタル社会において「自分をなくす」ことは可能なのか? 現代人の実存をめぐる誌上リアリティショーが、今はじまる。

出版社説明文より

 短い記事の翻訳なので、すぐに読みきれて面白かったです。また、この本はkindle unlimited対象作品なので、unlimitedをサブスクされている方は気軽に読めます😊

 前作、「GONE 行方不明 自分を消し去る失踪者たち(WIRED Single Stories 012)」の読書感想はこちら⇩

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