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「人を操る禁断の文章術」感想文:メンタリストDaiGoが教える文章の力

 「人を操る禁断の文章術」(メンタリストDaiGo著)を読んでみました。文章の力で相手を引き込みたい、ビジネスで文章を武器に使いたい、そのような思いを持つ方で、とりわけまだ結果を出せていない方には読む価値がありそうです。この本は、文章をまず読んでもらえるテクニックから始まり、次に読んだ方が文章内の言葉に反応して想像し、行動を起こす。この一連の流れを産み出す文章の仕組み、ノウハウを書いています。

 私が面白かったのは、「ありきたりで常識的な言い回しに、過剰で具体的な条件(状況)の言葉を組みこむと名言になる」という内容でした。例えば、「成功者は夢をあきらめない」と「成功者は飢え死にしそうなときでも夢をあきらめない」(オリソン・マーデンマーデン)を見比べてください。前者はありきたりな言い回しですが、後者は名言となっています。この2つの文の違いは、「飢え死にしそうなときでも」というフレーズがあるかないかです。このフレーズは具体的な状況を読者に想像させます。しかも、その状況は過剰な状況を表現しているのです。
 たったこれだけの違いで名言になるのか思うと驚きです。ストーリーをイメージできたときに、人は心を動かすのだなと改めて思いました。まさに、文章による心の動きのミステリーが明らかになる感じです。

 文章で人の心を動かす様々なノウハウが書かれていました。分かりやすくまとめてあるので、すぐに読めます。ただ、読んだだけでそんな魔法の文章をすらすらと書けるようになるとは思えません。実践で意識しながら書いてみることが重要だと思います。そして、その後で上手く出来たかどうかを検証し、必要に応じて再度試してみるというプロセスを繰り返さなければ魔法は使えないだろうと思います。文章の書き方に興味があったり、ビジネスで文章を使って相手に行動を促したい方、とりわけまだ十分に結果を出せていない方には、砂漠でオアシスを見つけたような希望を持てる内容だと思います。


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