研究ノート「社会でこどもを育てる(仮)」③-2023年11月
友人が運営するコミュニティのSlackに「社会でこどもを育てる」ことについて考えるための部屋をつくっていて、
告知文出したあとも、「研究ノート」的に、このSlackの延長で、調べたこと考えたこと、困ってること次にやることetc.をnoteやブログに刻んでいくのも良いと思う
というコメントを友人がくれ、とてもいいなと思ったので、ログを残しています。(友人ありがとう!)
取り組んでいきたいこと
子育てにかかわる人(妊娠前~子育て中)に「社会的養護」という選択肢を知ってもらうこと
社会的養護という選択肢をとった実親へのスティグマをなくすこと
そういう実親同士がつながれるコミュニティをつくること
実親のナラティブを集めること
➡今月は、特に「実親へのスティグマをなくすこと」に絞っていこうと決めた。そのために、実親のナラティブを集める。まず、すでに世にあるナラティブをリサーチしてまとめることから始める。
読んだもの(主なもの)
論文など
若林城将、高田篤史「スティグマ解消による"隠さなくて良い社会"の実現を目指して : 企業のさらなる取り組み余地」NRIパブリックマネジメントレビュー、2021
宮島清「子ども、実親、里親養育を支援するソーシャルワーク」家庭養護促進協会、2015
日本の社会的養護において、特に里親制度では、実親を排除してきたと言わざるを得ない
子どもたちにとって必要な家庭養護を進めるためには実親を排除しないことが必要で、それは実践レベルでもそうですし、システムも変えていかなければならない
Web記事
こんなふうに実親の背景を理解して子どもたちを受け入れてくれる里親さんがたくさんいたらいい。
実親のナラティブ
―悠太君を養子に出したことに、後悔はありませんか。
私は悠太を捨てたわけではありません。ただ、普通は持病があっても、経済的に苦しくても、自分で育てる人がほとんどでしょうし、無理をすれば育てられないわけではありませんでした。でも、一人で育てるには不安しかありませんでした。一人親になってしまうこと、自分の体調がすぐれないこと、経済的に厳しいこと。血がつながっていれば乗り切れる、と言い切れませんでしたし、家族など身近な人の助けも望めませんでした。
でも今は、悠太を養親に託して、本当によかったと思えています。実親と養親が接触を持たないなど、産んで縁が切れてしまう養子縁組の関係もある中で、こうしてつながりを持てることで、後悔するばかりだと思っていた産後とは違う形の日々を送らせていただいています。
「隠しているのに、誰か気づいてくれないかなという気持ちもありました。甘い考えなんですが、誰か気づいて、『子どもを育てていいよ』って言ってくれないかなって」
いま何をしているか、寂しい思いをしていないか。彼女は、わが子を案じ、その幸せを願う「ごく普通のお母さん」だった。私は赤ちゃんポストに子どもを預ける人について「子どもを育てたくなかった人」だと一方的に思い込んでいたことに気づき、自分が恥ずかしくなった。
周囲には私が感情的になっているとも言われました。でもあのとき決断した私は、誰よりも冷静だったと思っています
今、陽菜さんは地元で「子どもを捨てた女」と噂されている。だが、今回、陽菜さんがこの取材を受けようと思ったのは、特別養子縁組で子どもを託した親には、望まぬ妊娠でもなく、子が嫌になったわけでもなく、「幸せに育ってほしかったからこそ、手放した」親もいることを知ってほしかったからだという。
もちろん、自分たちで産んだ子を、自分たちで幸せに育てるのが、最善であることには違いない。それを放棄することに対し、無責任と批判されてもしょうがないのかもしれない。でも、陽菜さんについて言えば、シングルマザーが産後に安心して子どもを預けて働くための情報やサポートが行き届いていたら、元夫が養育費を払っていたら、そもそも小学生のときに児童相談所が適切に保護していたら、状況は変わっていたかもしれない
2023年11月に生まれた問い
わたしの知り合いにも子どもを施設に預けたことのある人が複数いて、そのうちの一人は、そのことを他人に隠し、その記憶がつらすぎて施設で撮影された子どもたちの写真も捨ててしまったそうなんだけれど、この人にそこまでさせるものはなんなんだろう。子どもを一時的に施設に預けることは、そんなに恥ずべきことなのだろうか?
「実親のスティグマをなくす」というアプローチでいいのだろうか?結果的になくなる、そのためのアプローチ方法を考えたほうがいい気がした。
『リサーチのはじめかた』第1章を、ワーク含め終えて、問いの更新
児童養護施設や里親に子どもを預けた実親へのスティグマをなくすにはどうしていったらいいか。
実際に公的・自己・社会的それぞれどのようなスティグマがあるか(言葉、言動、考えや気持ち、イメージ等)
それを当事者ひとりひとりはどう受け止めているか
どういう人がそういった烙印を押すのか、傾向はあるか
その人たちはなぜそうするのか
どうしてそのような構図が生まれるのか(社会的要因)
スティグマについて、これまでどのような研究がなされてきたか
スティグマについて、これまでミクロ・メゾ・マクロレベルでどのようなアクションや施策がとられてきたか
当事者でスティグマを感じないケースはあったか。それはなぜか
歴史的背景として、いつ頃生まれた現象か
オーストラリアやイギリス、アメリカ等の里親委託や特別養子縁組が進んでいる諸外国ではどうか
近年の傾向はあるか
各国の国家予算の比較(社会的養護について)
海外を含め、実親の声が施策や活動に取り入れられている例はあるか
あるとしたらどのような形か
その他雑感やメモ
子育て終盤または終えた人たちの言う「もっとできたことがあったんじゃないかな」「もっと一緒にいたらよかった」という何気ない言葉が呪いのように聞こえるときがある
鳥取県のHPには実親向けの案内がある
スティグマの解消を多くの人に身近な問題として捉えてもらえるような文章を書いてみたい
世の中にはこれまでどんなスティグマが存在して、どういう研究がなされてきたのか知りたい
肥満症や糖尿病の人へのスティグマについても知りたい
書いたもの
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