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 ”財務も経理も同じではないの?”。”ウチの会社は総務部の中に経理担当が数名いるよ”・・・。皆さんもそう思われたのではないでしょうか。

 この記事をお読み頂くことで、新入社員の後輩に、”先輩、財務部と経理部の違いってなんですか?”と聞かれた場合に、カッコよくズバッと答えれるかもしれません・・・。また就活生の皆さんには、面接時の参考になるかも・・・。ただし偏った意見だと思いますので、取捨選択のほど宜しくお願い致します。

そもそも、財務部と経理部の違いって?

 巷では、財務部の仕事を説明した本、経理部の仕事を説明した本、それぞれ発行されていますが、正直これらを読み比べても、違いについてよく分かりません。私も新卒で入社した会社では財務部しかなく、財務部の本に加えて、経理部の本も買おうか迷い結局、2冊とも購入。でも読み比べても、細かい仕事の説明に終始し、全然イメージが湧きませんでした。

 20年近く財務と経理の仕事を経験した今、改めて両者の違いについて考えると、財務部は貸借対照表を作成・活用する部署、経理部は損益計算書を作成・活用する部署、と何となくイメージしています。あっ、そう言えば過去のnoteに以下のつぶやきをしていました。

損益計算書と貸借対照表の違い。前者は化粧直し出来る化粧美人。後者は剰余金が蓄積し、誤魔化しが効かない健康美人。”

財務部員の、経理部に対するぼやき

 タイトルでもありますように、両部署はどのように仲が悪いのかについて見ていきましょう。最初に、健康美人の財務部からの、化粧美人の経理部へのぼやきを拾ってみました。

”金額規模の大きい、買掛金・未払金科目を管理しているのは財務部の私たち数人。対して費用科目は、大勢の経理部員が見ている。財務部って数値誤りへのプレッシャーは大きいけど少数精鋭だと思うよ。”

”財務部では金融機関との付き合いもあるし、金融や法律の知識も必要。日々の勉強は大変だな。対して経理部は簿記の勉強をしているかもしれないけど、さほど勉強をしていないよね。”

”経理部って決算や予算の時、損益計算書の化粧直しをしているけど、それって数値遊びでは?まさか粉飾していないよね?・・・”

経理部員の、財務部に対するぼやき

 化粧美人も負けてはいません。

”経理部は大変なのよ。例えば人件費。人事部に加えて、工場の生産管理部ともやり取りして数値を作ったり・・・。そう言えば新製品を税関に通すために国際部や物流部ともやりとりしたな。財務部って銀行や投資家だけ相手にしていれば良く、社内営業しないので楽だよな。”

”損益計算書は、会社とビジネスを深く理解した上で、自分の言葉・シナリオで決算数値をプレゼンしなければいけない。経営の中枢に近いかも。対して、財務部のアウトプットって、誰がやっても一緒。外部委託やAIに取って代わられるかもね。”

”経理部はチームワーク重視。体育会系なのでコミュニケーションが大切だよね。対して財務部員って、金融とか難しい勉強しているけど、個人プレーの人多いかも。”

 以前に投稿しました『工場経理のリアル(経理マンの職場)』は、どちらかと言うと、この経理部員側の意見に近いと考えています。

まとめと補足:税務担当や税理士ってどちら?

 以上、いかがだったでしょうか?かなり毒舌の表現が多かったですが、何となく、両者の違いをイメージがつくようになれば、嬉しいです。仲が悪いとは言え、結局は同じ会社の組織。両者の立場を理解したうえで、しっかり連携して良いパフォーマンスを出していきたいですね。

 最後補足までに、税務担当について触れていきます。損益計算書の利益から法人税は計算されますので、経理部かな~と思われるかもしれません。半面、利益の半分近くを税金で持って行かれ、資金計画にも大きく影響します。どうも財務部の側面もありそうです。多くの会社では経理部の中に税務担当がいますが、中には財務部の場合もあり、会社内部の税務担当の場合、結局どちらもありではと思っています。

 ただ外部の税理士は別。金融機関とのパイプを強みとする等特殊な場合を除き、”経理部的な立ち位置”で経営者をサポートするのが理想ではと考えています。多くの中小企業の社長の皆さんは、税理士に対して管理会計のサポートまで求めていませんが、良き支援者であることを求めています。そのためには、ただ正確に決算数値の計算が出来るだけではダメ。今では便利な会計ソフト等がたくさんありますので。理想的にはこの会社の損益計算書数値を使って将来のビジネスを語れるほど、支援先の会社に入り込めれば良いですよね。

<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>

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