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 『図解!税法入門』を全7回にわたってnote記事にUPしてきました。ご覧いただけましたでしょうか?早速ですが「確認テスト」をさせていただきます!!・・・とは言っても、クイズ形式で楽しく確認していきましょう!で、第4回目は所得税。「所得税の仕組み」の「確認テスト」です。
 もし未だ『図解!税法入門』をご覧頂いていないようでしたら、下に該当記事のリンクを貼りましたので、宜しければ覗いて見てください。

 では、クイズに入っていきます。今回は全20問です。

【第1問】
問題.国税四法(所得税・相続税・法人税・消費税)の取り扱いは、「個人」と「法人」に分けられ、納税者を支援する税理士の顧客も同様に「個人」と「法人」に分けられます。「税目」と「顧客」の次の組合せのうち、「誤っている組合せ」はどれでしょうか?
A:所得税―個人
B:相続税―法人
C:法人税―法人
D:A~Cの全て
 
 
解答.正解は「B:相続税―法人」です。相続税は「個人」に課税されます。ちなみに消費税は「個人」と「法人」のいずれにも課税されます。

図①:所得税は個人の税金。皆さんに関係してきます!

【第2問】
問題.所得税とは、我々個人が1年間に稼いだ所得(=もうけ)に対して課せられる国税です。所得税法上、所得は何種類に区分しているでしょうか?
A:10種類
B:20種類
C:30種類
D:50種類
 
 
解答.正解は「A:10種類」です。ちなみに日本の税目は50種類ありますが、これと混同しないようにしましょう。

図②:「所得税くん」は“めんどくさい奴”?

【第3問】
問題.所得税とは、我々個人が1年間に稼いだ所得(=もうけ)に対して課せられる国税です。所得は10種類に区分されますが、「もうけるために何をした?」の視点で、次のうち「あてはまらない視点」はどれでしょうか?
A:不労所得
B:資産所得
C:勤労所得
D:継続的所得
 
 
解答.正解は「D:継続的所得」です。これは「一時的か継続的か?」の視点になります。「もうけるために何をした?」の視点で、働いていないのが「不労所得」「資産所得」で、働いているのが「勤労所得」に区分できます。

図③:マトリックスで攻略!~その1~

【第4問】
問題.所得は10種類に区分されますが、「もうけるために何をした?」の視点(縦軸)と「一時的か継続的か?」の視点(横軸)でマトリックスを作ることができます。うち横軸の「一時的か継続的か?」の視点で、「継続的」と「一時的」にそれぞれ分類される個数はいくつでしょうか?
A:継続的=4個、一時的=6個
B:継続的=5個、一時的=5個
C:継続的=6個、一時的=4個
D:継続的=7個、一時的=3個
 
 
解答.正解は「C:継続的=6個、一時的=4個」です。内訳は次をご参照ください。
継続的所得・・・利子所得、配当所得、不動産所得、給与所得、事業所得、雑所得
一時的所得・・・譲渡所得、退職所得、山林所得、一時所得

図④:マトリックスで攻略!~その2~

【第5問】
問題.所得税の計算は、①10種類の所得に区分、②総合する、③所得控除する、④税率を掛けて税額を求める、のざっくり①~④の4ステップに分けることができます。この内、ステップ④の税率ですが、累進課税の考えのもと、所得の多い人にはより高い税率を課しています。そこで税率の幅は次のうち、どれでしょうか?
A:3~27%
B:4~36%
C:5~45%
D:6~54%
 
 
解答.正解は「C:5~45%」です。ちなみに戦時中は90%まで課税される場合がありました。

図⑤:所得税の計算方法の「4Step」

【第6問】
問題.戦後最大の税務訴訟に「ストック・オプション訴訟」があります。ストック・オプションを行使した利益に対する日本での課税が裁判で争われました。国税側(被告)は「給与所得」を主張しましたが、納税者側(原告)は何所得と主張したでしょうか?
A:譲渡所得
B:一時所得
C:配当所得
D:事業所得
 
 
解答.正解は「B:一時所得」です。一時所得は50万円までの特別控除に加え、一時的・偶発的な性質で担税力が低いため、税金も2分の1になる「2分の1課税」が認められています。しかし最終的に国税側(被告)が勝訴しました。

図⑥:「ストック・オプション訴訟」

【第7問】
問題.有名な「サラリーマン税金訴訟」(もしくは「大島訴訟」)があります。サラリーマンと事業者を区別するのが憲法違反ではないかが裁判で争われました。国税側(被告)は「給与所得」を主張しましたが、納税者側(原告)は何所得と主張したでしょうか?
A:譲渡所得
B:一時所得
C:配当所得
D:事業所得
 
 
解答.正解は「D:事業所得」です。事業所得者の必要経費は、実際に払ったものであればこの金額を控除できますが、他方、給与所得者には給与所得控除額の上限があることから、不公平さを訴えました。しかし最終的に国税側(被告)が勝訴しました。

図⑦:「サラリーマン税金訴訟」

【第8問】
問題.源泉徴収の実務。給与の支払者は、給与の支払いの際「源泉徴収税額表」に基づいて所得税の源泉徴収をしますが、その源泉徴収した所得税の1年間の合計は、その支払いを受ける人の年税額と一致しないのが通常です。この不一致を修正手続きは、次のうちどれでしょうか?
A:源泉徴収
B:年末調整
C:確定申告
D:―
 
 
解答.正解は「B:年末調整」です。源泉徴収と年末調整は会社の人事部門が行います。

図⑧:サラリーマンも必見!所得税の「超入門」~その1~

【第9問】
問題.源泉徴収の実務は、「源泉徴収」「年末調整」「確定申告」の区分がポイントになります。この3つのうち、「課税期間の翌年2月16日から3月15日までに、個人や法人が所得税を納めるために税務署に申告する手続き」は次のうちどれでしょうか?
A:源泉徴収
B:年末調整
C:確定申告
D:―
 
 
解答.正解は「C:確定申告」です。なおサラリーマンなどの給与所得者は、原則として確定申告をする必要はありません。毎月給料から所得税が源泉徴収されていて、会社が年末に年末調整を行うことで、所得税の納税手続きが完了しているからです。

図⑨:サラリーマンも必見!所得税の「超入門」~その2~

【第10問】
問題.所得税法では、生活面での個人的事情を考慮するために「人的控除」を全8種類規定しています。年末調整で処理できる「人的控除」は次のうちどれでしょうか?
A:障害者控除
B:ひとり親控除
C:基礎控除
D:A~Cの全て
 
 
解答.正解は「D:A~Cの全て」です。「人的控除」は「物的控除」と異なり、全て年末調整で処理できます。

図⑩:まずは「人的控除」を理解しよう!~その1~

【第11問】
問題.所得税法では、生活面での個人的事情を考慮するために「人的控除」を全8種類規定しています。この中の扶養控除は、扶養親族がいる場合に適用できますが、控除額が一番大きくなる扶養親族の年齢は次のうちどれでしょうか?
A:~16歳
B:16歳~19歳
C:19歳~23歳
D:23歳~
 
 
解答.正解は「C:19歳~23歳」です。この時期は大学生活等で何かとお金がかかる時期ですよね。

図⑪:まずは「人的控除」を理解しよう!~その2~

【第12問】
問題.所得税法では、生活面での個人的事情を考慮するために「物的控除」を全7種類規定しています。「年末調整で処理できない物的控除」は次のうちどれでしょうか?
A:雑損控除
B:社会保険料控除
C:生命保険料控除
D:A~Cの全て
 
 
解答.正解は「A:雑損控除」です。「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」の3つの物的控除は年末調整で処理できません。

図⑫:「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」の3つは確定申告が必要に!~その1~

【第13問】
問題.所得税法では、生活面での個人的事情を考慮するために「物的控除」を全7種類規定しています。このうち「ふるさと納税」に関係する「物的控除」は次のうちどれでしょうか?
A:雑損控除
B:医療費控除
C:寄附金控除
D:地震保険料控除
 
 
解答.正解は「C:寄附金控除」です。ちなみに「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」の3つの物的控除は、年末調整で処理できず、確定申告で税金を取り戻す必要があります。

図⑬:「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」の3つは確定申告が必要に!~その2~

【第14問】
問題.所得税の計算の仕組みでは、人的控除8種類と物的控除7種類合わせた、全15種類の「所得控除」があります。「所得控除」の他に、「税額控除」の計算の仕組みがありますが、所得税法上で「規定されていない税額控除」は、次のうちどれでしょうか?
A:配当控除
B:外国税額控除
C:住宅ローン控除
D:A~Cの全て
 
 
解答.正解は「C:住宅ローン控除」です。住宅ローン控除は、租税特別措置法(措法)で規定されています。ちなみに「配当控除」と「外国税額控除」の2つは所得税法で規定されています。

図⑭:所得税の計算の仕組み「税額控除」も理解しよう!

【第15問】
問題.医療費控除の一例に、補聴器があります。補聴器で医療費控除を受けるために関係する「職業の資格」は、次のうちどれでしょうか?
A:医師免許(耳鼻咽喉科)
B:補聴器相談医
C:認定補聴器技能者
D:A~Cの全て
 
 
解答.正解は「D:A~Cの全て」です。ちなみに医療費控除を受ける際に、「情報提供書」が必要になりますが、「医師免許(耳鼻咽喉科)」だけでは不十分で「補聴器相談医」の資格を持った医師より「情報提供書」を発行してもらう必要があります。

図⑮:医療費控除の一例(補聴器)を紹介します。

【第16問】
問題.医療費控除の一例に、補聴器があります。補聴器で医療費控除を受ける際に確定申告上、必要で「ない」書類は次のうちどれでしょうか?
A:医療費控除の明細書
B:補聴器相談医による情報提供書
C:耳鼻咽喉科の医師が発行した診断書
D:認定補聴器技能者の在籍するお店で発行された領収書
 
 
解答.正解は「C:耳鼻咽喉科の医師が発行した診断書」です。規定を“自分勝手に”拡大解釈し、「(補聴器相談医ではない)耳鼻咽喉科の医師が発行した診断書」で医療費控除が出来ますと風潮する、悪徳補聴器セールスにご注意ください!

図⑯:耳鼻咽喉科の医師と言っても・・・?!

【第17問】
問題.「ふるさと納税」は2008年度税制改正により導入された、寄附金控除制度です。税務上優遇を受けるための控除限度額がありますが、関係する税目は次のうちどれでしょうか?
A:事業税
B:住民税
C:法人税
D:消費税
 
 
解答.正解は「B:住民税」です。ふるさと納税の計算の仕組みを理解するには、「所得税」だけでは不十分で、「住民税」の規定も理解する必要があります。

図⑰:ふるさと納税の限度額計算では、個人住民税がネックになります。

【第18問】
問題.源泉徴収制度により通常、サラリーマン自ら確定申告の手続きをしなくて済みますが、例外もあります。サラリーマン自ら確定申告の手続きをしなければいけないケースは次のうちどれでしょうか?
A:給与収入2,000万円超
B:2ヶ所以上からの給与
C:給与所得・退職所得以外で20万円超
D:A~Cの全て
 
 
解答.正解は「D:A~Cの全て」です。特に「給与所得・退職所得以外で20万円超」となったケースは要注意です。「副業収入を得ているサラリーマン」が確定申告しなければいけないケースに該当してきます。

図⑱:サラリーマンで確定申告する場合とは?

【第19問】
問題.源泉徴収制度により通常、サラリーマン自ら確定申告の手続きをしなくて済みますが例外もあり、副業などで「給与所得・退職所得以外で20万円超」となったケースは確定申告が必要です。副業収入の所得区分の可能性として、何所得が該当するでしょうか?
A:事業所得のみ
B:雑所得のみ
C:事業所得か雑所得
D:所得は自由に決められる
 
 
解答.正解は「C:事業所得か雑所得」です。両者の計算の仕組みは基本同じですが、損失が生じた時は差が生じます。副業サラリーマンにとって、区分判定についての国税庁からの発表から目を離せません。

図⑲:副業サラリーマンの悩みどころ・・・何所得?

【第20問】
問題.副業収入の所得区分の可能性として、「事業所得」か「雑所得」が該当してきます。一般的に副業サラリーマンにとって、どちらが有利(納める税金が少なくなる)でしょうか?
A:事業所得
B:雑所得
C:―
D:―
 
 
解答.正解は「A:事業所得」です。事業所得が損失のとき、他の所得と「損益通算」ができ、損益通算分、所得を減額出来ますが、雑所得では損益通算が認められていません。

図⑳:副業サラリーマンの「節税」テクニック?

 最後に「税理士記念日杯クイズ2022」のポスターを掲載しました。

図㉑:「クイズ王」と言えばこの人!~「税金クイズ王」とのコラボなるか?
『クイズ!税法入門』と「税理士記念日杯クイズ2022」のクイズは同難易度?

<以上となります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。>

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