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「私たちの消費活動は、必ず誰かの生産活動につながっている」-藤野英人さんの著書より-

投資家の藤野英人さんの著書「投資家が「お金」よりも大切にしていること」を読んだ。

ブラック企業が生まれるのは、本当に企業のせいか?という問いに、このような指摘をされているのはうなずける。

従業員に過重労働を強いる『ブラック企業』を生み出しているのは、私たち消費者(=安いものを望む者)である。
低価格の旅行ツアーが流行るのも、居酒屋チェーンが朝まで長時間営業しているのも、「お客様のため」と言えば聞こえはいいですが、要は、私たち消費者が求めているからです。

今回のコロナ禍においても、「経済を回そう」と積極的に消費した人と、消費を控えた人に分かれると思うけど、僕はどちらかといえばできるだけ消費するようにした。

消費(=お金)を使うことは、命を繋ぐ行為でもあります。誰かの消費が誰かの所得に繋がるわけですから、経済を回すことは非常に重要です。

そして、我々消費者が安ければ安いものを求めれば求めるほど、徹底的なコストカットを企業はすることになります。

そこで人件費にも響いたり、一人当たりの労働が長くなる背景があると思います。


だから、より品質の良いもの(あるいは、自分が本当に欲しいもの)を、より高い(適正な価格)で購入することが経済を回す上で重要です。

消費者が求めない限り、企業がわざわざ価格を低く設定する理由はないからですね。

ブラック企業の前に、ブラック消費者がいるという背景も抑えておく必要があると思います。


「私たちの消費活動は、必ず誰かの生産活動につながっている」

経済の語源は、ギリシャ語のオイコノミア(=共同体のあり方)という意味だそう。つまり経済とは、お金を通してみんなの幸せを考えるものであると。

藤野さんの本の中では、広告クリエーターの佐藤雅彦さんと竹中平蔵さんの「経済ってそういうことだったのか会議」の内容も紹介されています。

経済やビジネスと言うと、難しいもの、胡散臭いものと感じる若い人も多いかもしれませんが、基本的な営み(経済=生産・物流・消費)であることを理解した上で、どうすればみんなが幸せになれるのか?を考えることでもあります。

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