成長中スタートアップのCSMが心がけること「レバレッジを効かせる」
はじめまして。株式会社Asobicaのカスタマーサクセス部にてマネージャーを務めています、平川と申します。
私はマネージャーとしてチームを持ちつつ、自身でもカスタマーサクセスマネージャー(以下、CSM)としてお客様のご支援をしている、いわゆるプレイングマネージャーです。
そんな私が所属するAsobicaはいま、「顧客中心の経営をスタンダードにする」というビジョンのもと、SaaSプロダクト『coorum』を用いて「コミュニティ」という手段をお客様へご提供しています。コミュニティは、耳馴染みのある言葉になってきましたが、ビジネスインパクトを生み出す手段としてはまだまだ市場を創っていく段階です。
今回は、市場を創っていく急成長フェーズのスタートアップのCSMとして心がけていることを3つ抜粋いたしました。お読みいただけると嬉しいです。
お読みいただくにあたって、私が担当している顧客及びタッチの前提情報です。
領域は、toC企業様が多い
規模は、エンタープライズ企業様が多い
ハイタッチCSとして、週1〜月1頻度で定例MTGを実施している
0:究極のカスタマーサクセスとは「担当者の昇進」
ベースとして、私が最も大事にしていることですので「0」個目として書きます。言わずもがな、CSMがご支援をする上で目指すのは「顧客のビジネスにおけるアウトカム(成果)」です。しかし、CSMが相対するのはどこまでいってもMTGでお会いするご担当者様(以下、担当者)。CSMとして担当者の成果に向き合った結果、担当者が社内でさらなる評価を受けて昇進に至る…これが私の目指すCSMとしての理想系です。
そのために意識したいのは、生み出されたアウトカムが顧客社内の中で「担当者の大きな成果として認めてもらうこと」です。烏滸がましい話ですが、市場を作っていく段階のサービスにおいて成果を証明することは簡単なことではなく、実は成果であることが見逃されてしまう(因果関係が見えづらい)ことも多々あるため、ここまでの意識が必要だと考えています。
具体的なアクション例としては、私目線で素晴らしいと思う成果が出た際には、事例インタビューのご依頼を必ず行います。顧客社内としても、外部メディアに取り上げられることは一定の注目度もあり、興味を持ってもらえる可能性があり、担当者の成果として顧客社内でも認識していただけやすいのではと思っています(前提として、成果が素晴らしいのだからしっかりと届けたいという意図です)。↓は実際の事例記事です。
1:顧客内で自然と流れる空気感を捉える
市場を創っていく段階のスタートアップにおいて、顧客とのパートナーシップづくりは非常に大切です。良き協力関係をつくっていくためには「このCSMは、自社の価値観を分かってくれているな」という安心感が大事だと思っています。
例えば「顧客が当たり前のように使う社内用語は何か?」「顧客内での言葉遣いはどんなトンマナか?」「社として大事にしている価値観は何か?」などを理解しにいくことが大事です。オンボーディング初期は特に「顧客の価値観とズレた発言をしないこと」に細心の注意を払います。
市場を広げていくためには顧客のチャレンジが不可欠で、時には過去事例のない取り組みをすることもあります。そんな時、顧客に「やってみよう」と思っていただけるか否かには「このCSMが言っていることは的外れなことではないかも?話だけでも聞いてみるか」と耳を傾けてもらえるかがカギだと思っています。
2:CSMは顧客体験の責任者。時には他部門と適切に闘うこと
CSMは顧客との最前線です。つまり、CSMが1番顧客のことを知っているし、会社を代表して顧客に相対している部署です。
そんなCSMが顧客体験に対して妥協をしてしまうと、自社の顧客対応のボーダーを下げてしまうことに繋がりかねません。
例えば、顧客からのクレーム(CSMの対応以外の事柄に対するもの)に対して「〇〇部もいま大変だからな〜」と慮り、なあなあにすることはNGだと思っています。CSMは業務柄、セールス、マーケティング、開発とあらゆる部門と関わるため、遠慮してしまう気持ちはわかるのですが知らぬ間に顧客視点のない会社になってしまうことの怖さの方が遥かに強い。会社としてより良い顧客UXを提供するための責任者はCSM、そんな意気込みで時には「この対応では顧客体験を毀損しているのでは?」と他部門と適切に闘うことも必要だと思っています(もちろん、他部門へのリスペクトを持ったコミュニケーションを取ることは大前提)。
自分自身が嫌われないことより、顧客に嫌われない会社であることの方がずっと大事です。
3:レバレッジを効かせる
上段までは顧客に向いた話をしましたが、最後はCSMとしての成果を上げるために私が心がけていることです。
常に「レバレッジを効かせられないか?」と意識しています。
成長スタートアップの至上命題として売上向上が当然に重要ですが、CSMはアップセル・クロスセルをハイペースで量産することは簡単ではないです。
そのため、CSMが事業に大きく貢献する方法は以下だと思っています。
①リニューアルを問題なく遂行すること
②大きなサクセス事例を創出すること
③サクセス事例がセールス・マーケティング・PRに活かされる
今回のお話は②→③の接続についてです。顧客と創出したプロダクトでのサクセス事例をプロフィットセンターの部署に解像度高く共有し、活用してもらえるところまでコミットすることで「レバレッジが効いた」状態になります。
例えば、社内比較的にMRRが少額な案件であろうとも、上記のレバレッジをかけることで売上効果として数千万円、数億円と化ける可能性があるということです。
マーケティングであれば、サクセス事例を事例紹介記事化する、ホワイトペーパーにする、顧客にセミナー登壇をいただくなどでリード創出に効いてくると思います。セールスであれば、サクセス事例(+それを抽象化したエッセンス)を商談のトークに使ってもらう、商談資料に使ってもらうことで受注に効いてきます。PRであれば、サクセス事例を用いてメディアアプローチをすることで取材・掲載いただくことにも効いてくるはずです。
つらつらと書いてしまいましたが、「顧客と共に創り上げたサクセス事例こそ、事業のエンジンである」というマインドでCSMは積極的に他部署連携をすることを強く意識しているという話でした。
おわりに
なんだか偉そうな書き振りになってしまっていて恐縮ですが、どなたかに少しでも参考になる内容がありましたら幸いです。
私自身、CSMを未経験でAsobicaに入社したのですが、日々お客様(視認性優先で“顧客”と書いていましたが、いつもは“お客様”です)と楽しくも脳に汗かきながらお取り組みができている刺激的な環境です。
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