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【共同執筆】雑学連想ゲーム#14

前回の記事はこちら。

涼:
そういえばお母さんの言うことを聞かんかったけん懲役2億年じゃったな。模範囚になったら早く出られるけん頑張ってな。



刑務所には俺も3万回くらい入ったことがあるムショ帰りの男なんじゃけど、この『ムショ』って言葉がよく「刑務所」の略じゃと思われとるけんそれを訂正するためにこの世に生を受けたんかなって最近考えとるわ。
明らかに刑務所の務所の部分を取っとるじゃろって感じじゃけど、実は刑務所という言葉が確認される前からムショが使われとるんよ。
じゃあ何の略なんかと言うと、江戸時代には牢屋のことをかごのようであったことから「虫寄場むしよせば)」と呼んどった形跡があって、それが語源とされとるんよ。
ちなみにそこから転じて、刑務所のご飯が麦対米が6対4じゃったことを揶揄して六四寄場とも言ったりするな。
まぁ最近の刑務所は昔と比べたらだいぶ快適じゃけんムシヨセバって感じではないじゃろうけど。

八重:
娑婆に出たほうが命を狙われる危険があるとかで、わざと虫寄場に戻る人もおるみたいじゃしな。
涼も命を狙われとる身なんじゃけん、早めに戻ってきた方がええで。

そういえば、「一日中」を表す四六時中っていう言葉は随分と後にできた言葉じゃっていうのは前伝えたことがあったっけ?
あれは元々二六時中っていう言葉じゃったんじゃけど、ある理由から四六時中になったで。考えたらすぐに分かると思うけど、日本は昔、1日は12の区切りで構成されとったんよな。干支の動物を基にした言い方で…藁人形に釘を刺す呪いのことを「丑の刻参り」とか言った具合に。
それが、西洋文化として24時間の太陽暦が導入されて(調べてみたら1873年/明治6年のことらしい)、2×6=12の二六時中だと1日っていう意味にならんくなったけん、語呂の良さで4×6=24時間の四六時中になったっていう経緯じゃな。じゃけん、2×12=24時間の二十二時中になってしまう可能性もあったっていうことじゃ。さすがに語感悪すぎるけど。

涼:
これはたぶん過去に聞いたことがあってトゥエンティーフォーセブンが年中無休を意味することを知ったのと同じくらい衝撃を受けた記憶があるわ。とりあえず受刑者仲間に自慢しとくわ。

丑って何で牛じゃないん?ってたぶん誰もが思ったことあるよな。
そもそも十二支が使われ始めたのって中国最古の王朝・殷の時代なんじゃけど、日本では縄文時代で果てしなく昔の話なんよ。
その殷の時代から「子丑寅卯辰…」という文字は使われとるんじゃけど(甲骨文字じゃけん、その元になった字かな)、当時は別に動物を表しとるわけじゃねかったんよ。
そこから何百年後とかに、庶民にも広く使われるようになって、分かりやすさが求められた時に身近な動物を当てはめることにしたわけじゃな。要するに当て字みたいなもんか。
まぁそのおかげで子子子子子子子子子子子子(ねこのここねこししのここじし)っていう訳わからん言葉遊びが生まれたわけじゃけん良しとするしかねぇよな。

八重:
昔の中国で身近だった動物があの選抜メンバーじゃったっていうことじゃな。もし俺がその時の庶民じゃったら、龍なんていう架空の動物挙げるよりもパンダを推して中国らしさをアピールするわ。

子子子子子子子子子子子子で孑孑を思い出したんじゃけど、
これって『ボウフラ』っていう漢字なんよな。「孑ンス子ん子子孑」って言うと「フランスじんのねぼう」って読めんくもないよな。読めんけど。
ほんで、孑孑っていうのはボウフラの他に「けつけつ」って読むんよ。形容動詞的に使われて、「抜きん出ている様」を表すらしいで。
今日びこんな訳のわからん言葉を使われて、果たして通じる人おるんかっていう話じゃな。いろいろ調べてみたけどこの形容動詞を使用しとる文献が見つからんかったで。まさにこの言葉自体が孑孑としとるな。

〜続く〜


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