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UVERworldがタイムカプセルだった件

『約束のネバーランド』がおもしろいと聞いて、見ることにした。そのときはあんな事になるなんて、思ってなかった。

 わたしは、日常的にアニメを見るわけではない。オンタイムで見ていたアニメは『ナルト』くらい。ドラマやアニメを毎週同じ時間にテレビの前で見るのは、不規則な生活をしているわたしには難しい。いつも友達や弟に勧められたものをDVDを借りたりアマゾンプライムやNetflixで一気に見る。

 春休みに入り、一日家に居られる日ができた。友達にオススメのアニメを聞くと、何人かが『約束のネバーランド』がおもしろいと言うので、見ることにした。第1期がアマゾンプライムの対象になっていたのでちょうどいいなと思った。

 (TVアニメ公式サイトがめちゃめちゃかっこいいのでぜひチェックしてください)

 見始める前のわたしは『約束のネバーランド』についてほとんど何も知らなかった。知っていたのはエマとノーマンという登場人物がいるということだけ。これはTik Tokで「あかせあかり」さんというコスプレイヤーを見て知った。誰が主題歌を歌っているかなんて、知っているはずがなかった。

 そうしてわたしは何の心の準備もなしにアマゾンプライムを開き、『約束のネバーランド』を選択、再生した。『恋は雨上がりのように』実写のCMが流れたのでスキップせずに見た。次にノイタミナの映像がちょっとだけ流れてから、本編が始まった。「これ、なあに?」「門だよ」のくだりが12秒くらい。

そして、事件は起きた。

  主題歌が始まり、TAKUYA∞の声がわたしの耳に入った瞬間、瞳孔がぐわっとと開いた。主題歌はUVERworldの『Touch off』をだった。

ジェットコースターが急降下するときみたいに内臓がふわっと浮いた。嫌じゃない鳥肌が立つ。

わたしは通っていた高校の前の横断歩道を渡っている。横断歩道の真ん中でわたしはラインの画面を開いて、「やばい!返信がきたよぉ!!」と友達に向かって叫んでいる。ああ、憧れの先輩からの返信だ。磯の香りもする。わたしは海の近くの高校に通っていた。

その次は修学旅行のお土産を学校の廊下で先輩に渡しているところ。生八ツ橋はなんだか本気な感じがするから、先輩には小分けの焼き八ツ橋をあげたんだ。「楽しかった〜?」と言う先輩の顔まではっきりと見える。

その次は先輩の卒業式、かなり勇気を出してボタンをもらったとき。「何番目がいい?」と聞かれたこと。二番目がいいなんて、絶対言えなかったな。というか、先輩にはかなり遊ばれてたな〜。

 ここまで。ここまでが一瞬でわたしの頭のなかを通り過ぎた。UVERworld はわたしが高校生のときに憧れていた一つ上の先輩が好きなバンド。わたしは仲が良かった先輩から、憧れの先輩がUVERworldが好きだと聞いて、名前を知っているだけだったUVERworldを聴くようになったんだ。それで、わたしのなかの先輩の記憶はUVERworldにしまい込まれていたのだった。

(UVERworldの公式サイトもかっこいい)

 長いこと、本当に長いこと思い出さなかったことを、こんなに鮮明に思い出したことに、驚いた。しかもそれは自分の卒業式とか誕生日とか特別な日のことじゃなくて、何でもない日常の、ちょっとドキッとした高校時代の出来事たち。何かを思い出そうとしてもこんなに細かく思い出せたことはない。それなのにTAKUYA∞の声を聞いた瞬間に、そのときの髪型や匂い、温度まで!!

 UVERworldがタイムカプセルだった。

 5年くらいまったく聴かなかったUVERworld、久しぶりに聴いたTAKUYA∞の声に引っ張り出されてきた、高校生のときの可愛い思い出たち。こんなところで先輩に再会するなんて、、、。寝間着だしメガネだし、お化粧してないし寝起きだし、ほんとうに心臓に悪い。

 この世界のどこにタイムカプセルが潜んでいるかわからない。普通に生活していても、いつタイムカプセルに出くわして、いろんなことを思い出して不用意に恥ずかしい気持ちになるかわからない。しかし、おもしろい体験をしたな。わたしはかなり動揺して、そのあとの『約束のレバーランド』本編はまったく頭に入ってこなかったわけだけど。(しっかり見直した)

 ここまで書いて、先輩が読んでいる可能性を考え始めた。お恥ずかしい。ごめんなさい、すみません。先輩、お元気ですか、、、、?わたしは不急不要な用事で外出できないいま、昔読んだ本や音楽を引っ張り出して、タイムカプセル探しをしています。

ヒラウチ

今日の一曲:マイケル・ジャクソン『Remember The Time』(歌が始まるのは3分27秒…)


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