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死=生

8月の個展に出品する作品の紹介です。

タイトル、作品の情景、作者の作品に対する想いの順で紹介しています。

作品の価格と作品の大きさなどの情報は最後に記載しています。

世界を包み込む優しさ
(岐 _a_ ふゆが明ける)

 楽園に佇む少女は無表情に何を考えているのだろうか。
 
 冬が明けて桜の花に包まれている様は冬に蓄えた生命力がいっせいに外の世界へと解き放たれたことを告げている。

 この楽園のエネルギーが私たちの世界を包み込見込んでいることを少女の右手が左手を優しく包み込むことで暗示している。

 その少女の表情はあらゆる世界の成り行きを案じている心情を表している。

生きていること

 少女の手の形は大日如来の智拳印を元にしています。
 智拳印とは右手が衆生を表し、右手が仏を表し仏の世界が衆生の世界を包み込んでいる様子なのだそうです。
 上でも書いたように少女が私たちの世界を優しく包み込んでいるようなイメージでこの作品を描きました。

 この楽園にいる少女は死者のイメージで描いています。

還る場所

 ↑こちらの記事でも触れていますが、たとえ死んでもその人の構成物質はこの世界に残り続けます。私たちだって昨日の体の一部はすでにもう別のなにかになって残り続けているはずです。
 
 そう考えるとすでにいなくなってしまった大切な人も案外まだ近くにいるのではないかとちょっとホッとするのです。もしかしたらまだ一緒にいるのかもしれないと。

 大切な人がいなくなってしまうのは言葉にならないほど悲しいです。それでもその人を思い出しながら一緒にいるのだと思う事がまだその人が生きている証なのだと思うのです。

 誰かが生きているということは周りの人がその人を思っているからこそ成り立つの状態なのです。

 そういうわけで私の作品では死は生とイコールの関係にあります。

【作品情報】

タイトル:世界を包み込む優しさ (岐 _a_ ふゆが明ける)
サイズ:M8 号(455*273mm)
技法:パネルに油彩
価格:200,000 円 ( 税別 )

作品の購入に関しては私、もしくはGallery MUMONへお問い合わせ下さい。 

GALLERY MUMON
〒104-0061
東京都中央区銀座 4-13-3
TEL:03-6226-2555
web:https://mumon.artcafe.co.jp

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